FOOD

デジタル×食の融合で
日本の食生活はどう変わるのか?
一歩先ゆくライフスタイルが見つかる
100年後の未来を担う、いま注目の企業②

2023.7.22
デジタル×食の融合で<br>日本の食生活はどう変わるのか?<br><small>一歩先ゆくライフスタイルが見つかる<br>100年後の未来を担う、いま注目の企業②</small>

食料問題に環境問題と、未来への課題が山積する昨今。問題解決への糸口を探るべく、新しいモノやコトに目を向けている人や企業は、どんな取り組みを行っているのか。趣向を凝らした事例から、一歩先ゆくライフスタイルを見つけたい。 今回は、「デジタル×食」をテーマに、デジタルで食は変わるかについて紹介します。

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楯の川酒造、原材料の調達から生産まで
“トレーサビリティ”の証明

山形・庄内の海を軽やかに駆ける光をイメージ。高精白ながらも飲み疲れしない辛口を目指した一本で、美しい酸と心地よい苦みをもつ庄内産の美山錦らしい軽やかな食中酒

トレーサビリティとは、手元の製品が「いつ・どこで・誰に」つくられたのかを明らかにすべく、原材料の調達から生産はもちろん、流通や消費に至るまでの情報が確認できる仕組みのこと。食中毒などの健康被害が出た際には、問題製品のルートを調べることで原因を突き止めることができる。

日本酒「楯野川」で知られる山形県酒田市の酒蔵は、海外市場拡大や事業多角化に向けた“酒蔵DX”を加速させると発表。新たな価値を見出す「SAKERISE」シリーズでは、風土や歴史といった酒を取り巻く要素や背景がストーリーごとに堪能できる設定だ。

第一弾として販売された「暁光」では、業界初となる稲作指標を導入。1本につき3.90㎡の田んぼ相当量の米を使用しているため、飲むことがその広さの稲作を守ることにつながる。そして第二弾の「閃光」では、酒米の生産から手元に届くまでの記録が閲覧できるブロックチェーンを活用したトレーサビリティを導入することに。情報からテロワールが感じられるだけでなく、すり替えなどの被害防止にもつながるのだ。

楯の川酒造
住所|山形県酒田市山楯字清水田27
Tel|0234-52-2323
www.tatenokawa.com/ja/sake

世界的総合酒類カンパニーを目指している楯の川酒造は、全国から多彩な人材を採用。時代に先駆けたリモートワークも約10年前から導入しており、ジョブローテーションがしやすいよう、スキルもクラウドによって一括管理されている

SAKERISE 閃光
価格|2万9700円(720㎖)
原料米|山形県産美山錦(特別栽培米)
精米歩合|18%
アルコール度数|15度

AIがおすすめ商品を提案し、
1時間枠で配送可能な次世代サービス

注文受付から出荷指示に配送管理と、一連の作業にデジタル技術をフル活用。商品ピッキング作業を主に担うのは、24時間稼働する約1000台のロボット。6分で50品目もの商品を取り出すことができ、午前7時から午後11時までの1時間単位で配送指定が可能だ
提供:イオンネクスト

デジタル化を目指しイオンが立ち上げた「イオンネクスト」は、マーケットの新ブランド「Green Beans」を今夏開始。同時にイオン初の顧客フルフィルメントセンターを稼働させ、忙しい共働き、子育て世代などのサポートを目指す。

産地から顧客の手元に届くまでの温度を徹底管理することで、生鮮農産物に対する鮮度への心配を解消。AIによる売り上げ予測と在庫管理が欠品率を抑えるほか、購入履歴に基づいて、約5万品目の品揃えからAIがおすすめ商品をワンクリックでかごに入れるスマートカート機能を搭載する。配送は、接客などの教育を受けた自社のスタッフが配送をするので、きめ細かいサービスが提供される。

Green Beans
問い合わせ|グリーンビーンズ カスタマーサービスセンター
mail|cs@greenbeans.com

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デジタル技術がつくる新たなアート体験
 
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text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年6月号「愛されるブランドのつくり方。」

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