《星野リゾート リゾナーレ那須》
大地を味わう朝食とアグリツーリズモを堪能
東京から新幹線とバスで約1時間半。雄大な自然に抱かれた「星野リゾート リゾナーレ那須」は、農業体験が楽しめるリゾートホテルだ。そこでいただく朝食は、那須高原の大地の恵みにあふれている。
四季を切り取る料理の数々に
身体も心も喜ぶ
御用邸があることから“ロイヤルリゾート”と呼ばれる栃木県・那須高原。錚々たる那須連山に抱かれたこの土地は、四季折々の自然や豊かな食、アウトドアアクティビティなど多彩な魅力にあふれ、旅人たちを楽しませている。
「星野リゾート リゾナーレ那須」があるのは、標高約500mに位置する那須連山の山裾だ。イタリア語の「アグリクルトゥーラ(農業)」と「ツーリズモ(観光)」を掛け合わせた「アグリツーリズモリゾート」をコンセプトとし、自然や農業に触れる体験を軸とした、新しい旅の在り方を提案。約14万㎡という広大な敷地内には本館と別館からなる宿泊棟、農園「アグリガーデン」、アクティビティ施設「POKO POKO」、4枚の田んぼを有し、森の中での散歩や虫捕りに興じるゲストも多い。
滞在を通じ、五感で味わうアグリツーリズモ。それを味覚で体現するのは、ビュッフェレストラン「SHAKI SHAKI」での朝食だ。店内は太陽の光が降り注ぐ開放的な空間で、朝露をまとった森の木々が窓越しに出迎えてくれる。ビュッフェコーナーには60種類近くの料理が端正に並び、洋食、和食、フルーツ、シリアルなど、充実したラインアップ。中でも色とりどりのフレッシュな野菜が、ひと際目を引きつける。
野菜は青首大根、ニンジン、カブなど多種多様で、地域の生産者から仕入れた採れたてのものが中心だという。薄くカットした「スライスサラダ」とザク切りの「ごろごろ野菜の盛り合わせ」は、切り方で変わる味わいや食感の違いに驚かされ、大地の恵みが身体に染み渡っていくようだ。「野菜そのものの美味しさを感じられるサラダは、ぜひお召し上がりいただきたいですね」とシェフの北浦琢視さんはにこやかに話す。
野菜たっぷりの朝食でエネルギーをチャージした後は、施設内の農園や森へ繰り出そう。
野菜やハーブの収穫から田植えまで!
ホテルの中で美味しいアグリ体験
「星野リゾート リゾナーレ那須」では、予約不要かつ無料で体験できるさまざまなアクティビティを用意している。チェックアウトは12時と、朝の時間をゆったり過ごせるため、朝食後に楽しめるプログラムも豊富だ。
人気は「アグリガーデン」で野菜の苗づくりや畑の耕うん、収穫といった農作業を行う「ファーマーズレッスン」。農作業といえど持ち物は不要で、老若男女問わず気軽に参加できる。那須で無農薬野菜の栽培を行う成澤菜園からレクチャーを受けたスタッフが、生産者の思いを共有しながらサポートしてくれるため、作業を通じて食への関心も深まっていくだろう。
また、アグリガーデン内の「グリーンハウス」ではハーブティーづくりやハーブのサシェ(匂い袋)づくりも実施され、自然の恵みを享受する農家の暮らしを垣間見られる。小腹がすいたら「POKO POKO」で「石窯ピッツァづくり」を体験後、森の中で焼きたてのピッツァを味わうのもおすすめだ。
もちろんチェックアウトぎりぎりまで、何もしない贅沢に浸るのもいいだろう。客室は天然生林に点在しており、どの部屋からも自然を身近に感じられる。耳を澄ませば鳥のさえずりが聴こえ、小動物が姿を現すこともあるとか。せっかくならば木々に囲まれた大浴場で、朝風呂も堪能してほしい。温泉で心身を癒せば、活力がみなぎってくるはずだ。
アグリツーリズモという旅のスタイルは、都市生活では知り得ない自然の豊かさと力強さを教えてくれる。チェックアウトをした後は、朝食で提供されたジャージー牛乳を生産する、「森林ノ牧場」へ立ち寄るゲストも多いという。それは滞在中、食の生産活動に触れる体験が、ゲストの価値観を広げたからなのかもしれない。
読了ライン
客室や温泉で寛ぐ時間も自然に包まれたい
星野リゾート リゾナーレ那須
住所|栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
Tel|050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
客室数|43室
料金|1泊朝食付2万4000円〜(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、DC、JCB、VISAなど
IN|15:00 OUT|12:00
夕食|メインダイニング「OTTO SETTE NASU」、ビュッフェレストラン「SHAKI SHAKI」
朝食|ビュッフェレストラン「SHAKI SHAKI」
アクセス|車/東北自動車道那須ICから約20分 電車/JR那須塩原駅から無料送迎バスで約40分(要予約)
施設|レストラン、アグリガーデン、アクティビティ施設、ラウンジ、Books&Cafe、大浴場、ショップ
text: Nao Ohmori photo: Atsushi Yamahira
2023年5月号「ニッポンの朝食」