移住マニュアル2023【Part 3】
地域おこし協力隊活動人数ランキング10
《国や自治体の支援を賢くフル活用!》
移住の準備は、どこからはじめるべきかわからない。そんな人こそ、国の制度や相談窓口の活用がおすすめ。総務省の方々に、移住に役立つ国の支援を教えてもらった。
Part 3は「地域おこし協力隊活動人数ランキング10」。地域おこし協力隊が多く活躍している地域は、どんな場所なのか? 地域の魅力とともに隊員の行う活動内容をご紹介。隊員が集まる地域には、都心にはない魅力と自治体のやさしさが詰まっている!
1位 熊本県・高森町 57人
阿蘇の雄大な自然の中でエンタメ業界と連携
九州のほぼ中央、阿蘇山のふもとに位置する高森町。隊員の代表的な活動は、舞台公演で熊本に集まる観光客に向けた情報発信や、小中学校の行事や課外活動と連携したキャリア形成時におけるエンタメ業界との触れ合い企画の創出。2020年には、女性歌劇団に所属する22名が移住した実績をもつ。
問|高森町役場 政策推進課
Tel|0967-62-2913
2位 岡山県・西粟倉村 54人
森林×ベンチャーで注目を集める“奇跡の村”
県の北東端に位置し、面積の約93%を森林が占める人口約1370人の小さな村。森林資源を維持・活用していくため「百年の森林構想」を推進。起業家を目指す人や行政課題を解決する人など、幅広い分野で隊員を採用した結果、移住者の割合は村の16%にも及ぶことから、別名「奇跡の村」とも呼ばれる。
問|西粟倉村役場 地方創生推進室
Tel|0868-79-2221
3位 新潟県・三条市 52人
都心にもアクセスしやすい
ものづくりとアウトドアの聖地
金属加工などのものづくりが盛んな街として知られ、山や川に囲まれた環境からアウトドアの聖地としても名高い三条市。コミュニティの創出や若者の移住促進、空き家の利活用促進など、さまざまな分野で隊員が活動している。市民の新しい取り組みに対して協力的な住民の地域性も、人が集まる理由だ。
問|三条市役所 地域経営課
Tel|0256-34-5646
4位 北海道・東川町 51人
過疎でも過密でもない〝適疎なまちづくり〟を推進
大雪山が蓄えた雪解け水が地中に染み込み、生活には地下水を利用している全国的にも珍しい上水道のない町。1985年に「写真の町」を宣言し、文化によるまちづくりを推進。これまでのまちづくりを軸に隊員とともに多様な分野の地域振興に取り組む。移住者も多く、四半世紀で人口が約20%増加した。
問|東川町役場 企画総務課
Tel|0166-82-2111
5位 兵庫県・豊岡市 46人
自然と文化が共存する地域資源の宝庫
兵庫県の北東部に位置し、城崎温泉や山陰海岸ジオパークなどで有名な豊岡市。豊岡演劇祭を核とした演劇のまちづくりの推進や、伝統工芸や一次産業の後継者としての活動など、募集内容に惹かれて移住する隊員が多い。隊員頼りの課題解決ではなく、新たな価値の創造をともにつくることが市の目標だ。
問|豊岡市役所 環境経済課
Tel|0796-21-9096
6位 宮崎県・都農町 39人
スポーツで地域を盛り上げる
子育て世代にやさしい街
温暖で日照時間が長く、ワインの産地としても名高い都農町。スポーツ×移住×地域との連携をテーマに、「つの職育プロジェクト」を実施。担い手不足である農業の支援や、地域の魅力発信などに隊員が取り組む。保育料医療費無償化、給食費無償化など、子育てや教育も手厚くサポートしてくれる。
問|都農町役場 まちづくり課
Tel|0983-25-5711
7位 宮城県・丸森町 38人
限界集落を再生!起業家が次々集まる
東北地方の中では比較的温暖で、阿武隈川や田園風景といった自然が魅力。地域の課題解決及び地域資源の活用を目的とした「まるまるまるもりプロジェクト」では、隊員がゲストハウスや移動式カフェの運営といった地域活性化に注力している。地域おこし協力隊員専用の町営住宅も利用可能。
問|丸森町役場 企画財政課
Tel|0224-72-3024
7位 島根県・海士町 38人
“ないものはない”で人を集める
まちづくりの先進地域
日本海に浮かぶ隠岐(おき)諸島の中ノ島にある、人口約2300人の小さな島。かつては財政破綻や高校廃校の危機を抱えていたが、過去10年間で400人ほどが移住した。地域の課題をプロジェクト化し、役場、民間事業者、住民が隊員のサポート約として伴奏型の取り組みを行っている。
問|海士町役場 財政課
Tel|08514-2-0114
9位 群馬県・上野村 36人
手つかずの自然の中で木とともに暮らす
島しょ部を除いて関東地方で最も人口の少ない、人口約1100人の小さな村。地域おこし協力隊として、地元産業のひとつである木工業の後継者や、観光PR活動を行う人などを募集している。人口の約2割が移住者で、人と人が助け合いながら生活する地域のつながりに魅力を感じる人が多いようだ。
問|上野村役場 振興課
Tel|0274-59-2111
10位 宮城県・亘理町 30人
アートや音楽、スポーツ、食、
好きを生かしたまちづくりを応援
水田地帯を住宅地が取り囲む、緑豊かな田園都市。防災と文化創造を掛け合わせた事業を推進し、東日本大震災により被災した観光拠点「鳥の海エリア」をフィールドにした賑わい創出活動などを隊員が行っている。各隊員の得意分野を生かし、自身のポテンシャルを試せる活動から、満足度も高い。
問|亘理町役場 企画課
Tel|0223-34-0505
ちなみに11位以降は……
11位 北海道・ニセコ町/山梨県・北杜市(ほくとし) 29人
13位 高知県・佐川町 28人
14位 北海道・厚真町/宮崎県・新富町 26人
16位 三重県・いなべ市/島根県・邑南町(おおなんちょう)/愛媛県・西予市(せいよし) 25人
19位 北海道・三笠市 24人
20位 新潟県・十日町市/大分県・竹田市 23人
参考|総務省「令和3年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」
※申請された予定人数を記載しているため、実際と隊員数が異なる場合があります。
読了ライン
≫次の記事を読む
1 2 3 4 5
1|0からはじめる移住計画
2|地域おこし協力隊Q&A
3|地域おこし協力隊活動人数ランキング10
4|ふるさとワーキングホリデーQ&A
5|おためしサテライトオフィスQ&A
特別協力=総務省 地域力創造グループ 地域政策課、地域自立応援課
text: Discover Japan
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!/移住マニュアル2023」