INFORMATION

移住マニュアル2023【Part 1】
0からはじめる移住計画
《国や自治体の支援を賢くフル活用!》

2023.4.16
移住マニュアル2023【Part 1】<br>0からはじめる移住計画<br><small>《国や自治体の支援を賢くフル活用!》</small>

移住の準備は、どこからはじめるべきかわからない。そんな人こそ、国の制度や相談窓口の活用がおすすめ。総務省の方々に、移住に役立つ国の支援を教えてもらった。

Part 1は「0からはじめる移住計画」。自分に合った移住先はどんなところか、住まいや仕事はどうやって見つけるべきか、移住に不安はつきもの。移住計画の進め方から知りたい人におすすめの施設「移住・交流情報ガーデン」に編集部が潜入した。

教えてくれたのは……
移住全般担当
林 光一さん

埼玉県出身。移住・交流推進機構(JOIN)より派遣。40年以上地域づくりなどに携わってきた経験を生かして、移住を検討する際の基本的な心構えを伝授

就農担当
宮井政敏さん

和歌山県出身。全国新規就農相談センター相談員として、就農に向けた道筋を示唆。過去に全国農業新聞記者として得た知見から、地域事例も数多く紹介

地方就職担当
小越秀夫さん

宮城県出身。厚生労働省の地方人材還流促進事業「LO活プロジェクト」のスタッフで、地方就職が専門分野。ハローワークや自治体の相談窓口への案内も

体験したのは……
編集部 佐藤

東京居住歴15年。出張で地方の魅力に触れるたび、移住への興味が高まっている。いずれは編集ライターとして働きながら、飲食店をもつ漠然とした夢も

地域探しから就職まで
ワンストップで移住を支援

東京駅から徒歩約5分、都心で働く人であれば仕事帰りにふらっと立ち寄れる利便性の高い場所にある「移住・交流情報ガーデン」。この施設は、地方に人の流れをつくるために政府が推進する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中で、移住に関心をもつ東京都内在住者が多くいるにもかかわらず、情報収集や相談ができる場所がないという課題を解決するため、2015年に誕生した。
 
全国各地の移住関連パンフレットが揃うほか、PCによる情報検索が可能で、移住や地方就職、就農の情報に特化した相談員が駐在。各自治体の移住相談会やセミナーも常時開催されており、必要に応じて移住希望者を自治体窓口などにつないでくれる。
 
「イベントなどがないタイミングで立ち寄られる方は、なんとなく移住に興味がある段階で、具体的な移住の目的やスタイルまでは定まっていない方も多いです」と、開館当初から相談員を務める林光一さん。相談員との会話や、自治体パンフレットなどでの情報収集で移住先候補を絞り、イベントでさらに地域への理解を深めていく利用者が多い。
 
「移住を決断する前の地域訪問は必要不可欠。私はいつも移住希望者の方々に、『現地に知り合いや友達ができてから移住しましょう』とお伝えしています。」
 
移住先の生活環境や地域の人々と合うかどうかは、実際に行ってみないとわからない。移住・交流情報ガーデンでは、その手前である地域や仕事のリサーチを相談員がサポートしてくれる。移住に少しでも関心をもったら真っ先に訪れたい、移住計画の強力なパートナーといえるだろう。

<移住に必要な8つの基本ステップ>

①移住先に求めるものを考える
住環境や仕事、子育てなど、理想だけを追い求めると移住までの道のりは長い。移住後の生活を想定した際に、これだけは譲れないという条件をあらかじめ考えることが近道だ
 
②移住先候補の情報収集
効率よく情報収集ができるウェブ検索と、自分に合った移住先の情報を得られる窓口相談の双方を活用するのがコツ。各自治体がつくる移住情報パンフレットもうまく活用したい
 
③家族やパートナーと話し合う
移住イメージが定まったら、理想の暮らしや子育てプランなどを家族やパートナーと相談しよう。互いを尊重する場合は、仕事や学業を維持できる2拠点生活という選択肢もある
 
④資金計画を立てる
引っ越し代や家具家電の購入など、初期費用は100万円以上かかる場合もある。賃貸補助や子育て支援金など、自治体にどんな制度があるのか調べて無理のないプランを立てて
 
⑤実際に現地に足を運ぶ
住民の人柄や気候など、現地に足を運ばないとわからないことも多い。おためし移住やワーケーションで数日間、できれば季節をズラして複数回滞在し、自分に合うか見定めよう
 
⑥住まいを見つける
賃貸補助や新築時に使える助成金制度があるため、不動産だけではなく各自治体の移住相談窓口にも頼りながら住まい探しを。地域とのミスマッチに備え、最初は賃貸物件が無難
 
⑦やりたい仕事を探す
移住先で仕事を探す場合は、ハローワークや求人サイト、就農情報などをチェック。テレワークが可能な企業に勤める場合は、仕事を変えずに移住できるケースもある
 
⑧移住生活をスタート
住まいや仕事が決まったら、いよいよ移住ライフの実行へ。町内会などにも積極的に参加して、住民とよい関係性を築き、地域の中での自分の役割を確立させていきたい

<STEP 1>
相談員との会話から移住後のライフスタイルをイメージする

「自然が豊かなところで、将来は起業も視野に……」と希望を伝えると、「都心からのアクセスは?」、「地域おこし協力隊も視野に」と相談員から次々質問やアドバイスが。会話を進めるうちに、自分が移住先に求めるものが明確化されていく。

<STEP 2>
興味をもった地域を資料やウェブで調べる

街の魅力や移住者インタビュー、仕事や住宅情報などが掲載された47都道府県や各市町村のパンフレットが揃う。地域おこし協力隊やUIJターン就職セミナーなどの内容に特化したチラシも。相談員と会話しながら、仕事や地域おこし協力隊などの情報を検索できるPCコーナーがあるのも便利。

<STEP 3>
イベントやセミナーで地域への理解を深める

イベントは、地域の魅力を紹介するものから就業・就農の相談会、ワークショップまでさまざまな内容で開催。小上がりスペースもあり、子ども連れの利用者にもやさしい。

読了ライン

<STEP 4>
移住先の絞り込みへ

移住・交流情報ガーデン
住所|東京都中央区京橋1-1-6 越前屋ビル1F
Mail|iju-garden@outlook.jp
開館時間|11:00〜21:00(土・日曜、祝日は〜18:00)
休館日|月曜(祝日の場合は翌日休)

 

地域おこし協力隊Q&A
 
≫次の記事を読む
 
    

《国や自治体の支援を賢くフル活用!》
1|0からはじめる移住計画
2|地域おこし協力隊Q&A
3|地域おこし協力隊活動人数ランキング10
4|ふるさとワーキングホリデーQ&A
5|おためしサテライトオフィスQ&A

特別協力=総務省 地域力創造グループ 地域政策課、地域自立応援課
text: Discover Japan
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!/移住マニュアル2023」

RECOMMEND

READ MORE