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移住マニュアル2023【Part 2】
地域おこし協力隊Q&A
《国や自治体の支援を賢くフル活用!》

2023.4.16
移住マニュアル2023【Part 2】<br>地域おこし協力隊Q&A<br><small>《国や自治体の支援を賢くフル活用!》</small>

移住の準備は、どこからはじめるべきかわからない。そんな人こそ、国の制度や相談窓口の活用がおすすめ。総務省の方々に、移住に役立つ国の支援を教えてもらった。

Part 2は「地域おこし協力隊Q&A」。総務省の行う移住促進制度の中でも特に知名度の高い、全国各地で6000人以上が活躍している地域おこし協力隊。隊員になるまでのステップや仕事内容など、地域おこし協力隊に関する疑問にお答えしていく。

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Q 地域おこし協力隊とは?
A 隊員と自治体と地域、三方よしの移住を促進する取り組み

都市部から過疎地域などに住民票を異動し、地域創生活動や住民支援などを行いながら、地域への定住・定着を図る制度。任期は1〜3年ほどで、2021年度には1085の自治体で受け入れを実施し、6015人の隊員が活躍した。地域おこし協力隊、自治体、地域それぞれに下記のメリットがある。

<地域おこし協力隊のメリット>
・自身の才能や能力を生かした活動
・理想とする暮らしや生きがいの発見
 
<地域のメリット>
・他地域から来た人や若者の斬新な視点
・隊員の熱意と行動による大きな刺激
 
<自治体のメリット>
・行政ではできなかった柔軟な地域おこし策
・住民が増えることによる地域の活性化

Q どんな人たちが活用している?
A 応募前は正社員の人が約半数!

地域おこし協力隊を対象に行った調査によると、以前は正社員として活躍していた人、関東地方の居住者、20代後半〜30代の若年層が多いという結果に。社会人としての経験を生かして地域に貢献したい、都会とは異なる暮らしを体験してみたいと考えて募集する人が多いようだ。男女の割合は男性約6割、女性約4割とあまり大きな差はない。

参考|移住・交流推進機構「令和3年度 地域おこし協力隊に関する調査 調査報告書」
参考|移住・交流推進機構「令和3年度 地域おこし協力隊に関する調査 調査報告書」
参考|移住・交流推進機構「令和3年度 地域おこし協力隊に関する調査 調査報告書」

Q どうしたら隊員になれるの?
A 書類&面接で審査!

就活や転職と基本ステップは変わらない。自治体が募集しているプロジェクトに応募した後に、書類選考や面接審査が行われる。隊員の活動や生活を短い期間で体験できる「おためし地域おこし協力隊」や「地域おこし協力隊インターン」を行っている自治体もあるので、積極的に活用したい。

Q 情報収集はどこでするべき?
A オンラインならJOIN、リアルなら移住・交流情報ガーデンがおすすめ

JOIN(移住・交流推進機構)には、各自治体職員が登録した隊員募集内容が掲載されている。何から調べればよいのかわからない人は、東京・八重洲の移住・交流情報ガーデンに足を運ぶのもおすすめだ。ネットで「地域おこし協力隊」と検索すると批判的なブログなどが出てくることもあるが、自治体と隊員のミスマッチがその原因であることが多いので、適切な場所で情報を得る必要がある。
 
JOIN(移住・交流推進機構)
自治体の補助制度など移住全般の情報に加え、地域おこし協力隊の募集や隊員に関するセミナー情報を随時発信。全国で活躍する隊員のインタビューも数多く紹介している
 
移住・交流情報ガーデン
移住に関する一般的な相談、問い合わせに対応。各自治体の移住や地域おこし協力隊などのパンフレットを多く取り揃えている。自治体のPRイベントや移住相談会も定期的に開催

Q 地域や仕事のミスマッチを防ぐには?
A 自治体職員と事前に会話するのが得策

待遇だけで移住先を決めることは、ミスマッチの原因に。隊員として活動する上で自治体との連携は必要不可欠のため、対面やオンラインミーティングなどで直接事前に会話をして、職員の熱意を見極めよう。移住先を絞ったら実際に現地を訪れて、住民の雰囲気や気候なども確認しておきたい。

<会話前に地域を見抜ける5つのチェックポイント>
①過去の隊員採用実績・卒業実績が複数あるか
②現在の隊員の活動が明確にわかるか
③募集情報のアップデートがされているか
④隊員に求める役割が具体的か
⑤採用までの日程が短過ぎないか(募集後に訪問などの機会が設けられているか)

Q 隊員の仕事内容は?
A ミッション型とフリーミッション型の2種類で内容は多岐にわたる

募集内容は、特産品の生産、高齢住民の見守りなど仕事内容が明確な「ミッション型」と、自分で地域のもつ課題を見つけて取り組む必要がある「フリーミッション型」の2種類に大別できる。隊員になるまでのキャリア、仕事に対する考え方や性格によって向き不向きがあるため、就任前に求める人材タイプを見極めて。
 
<ミッション型>
・やるべき仕事が明確
・自由度が相対的に高くない
・実績や経験を積みながら働きたい人向け
 
<フリーミッション型>
・自分から仕事を見つける必要がある
・自由度が相対的に高い
・自身のスキルを生かして企画から考えたい人向け

参考|移住・交流推進機構「地域おこし協力隊の現状と課題」(調査期間|2021年8月11日〜9月28日 回答者数|2005名)

Q 収入面をカバーするには?
A 補助制度の活用+副業が王道

地域おこし協力隊の収入は月16〜18万円ほどの自治体が多く、約5割の隊員が副業や兼業を行っている。隊員の雇用形態は、雇用型と委託型の2種類に分けることができるが、雇用型の場合は公務員と同様の社会保険を受けられる反面、副業が制限される場合も。自治体によっては、住宅や引っ越しの費用を補助してくれるところもあるため、上手に活用して出費を抑えたい。

Q 任期中に悩みや問題が発生したら?
A 自治体職員とサポートデスクに相談しよう!

隊員が対象のアンケートによると、約6.5割の隊員が、活動に関する課題や悩みを自治体の職員に相談すると回答している。地域との関係づくりに悩む場合は、地域おこし協力隊専門のサポートデスクを利用すれば、第三者目線からアドバイスや役立つ情報がもらえる。
 
地域おこし協力隊 サポートデスク(隊員向け)
Tel|03-6225-2318
Mail|supportdesk@kind.ocn.ne.jp

Q 退任後の住まいは?
A 約6.5割が地域に定住

任期が終了した後も、同一市町村あるいは近隣の市町村に住む人は約6.5割にも及ぶ。多くの隊員が活動を通して、その土地の魅力に気づき、地域コミュニティの中で関係を築き上げたのだといえるであろう。

参考|総務省「令和3年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」

Q 定住後の仕事は?
A 約4割が起業、行政に就職するケースも多い

任期終了後も同一市町村内に定住した隊員の約4割が、起業をしている。地域おこし協力隊の活動で得たコネクションや経験を生かして、飲食サービス業や宿泊業を中心に幅広い分野で活躍。就職した人の中では、行政関係で働く人の割合が多く、引き続き地域を盛り上げるべく活動しているようだ。

参考|総務省「令和3年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」

地域おこし協力隊限定!
任期後に起業すると100万円の補助を受けられることも

活動する自治体によっては、地域おこし協力隊の最終年次、または任期終了翌年に起業する人に向けて、起業にかかる経費1人あたり100万円までを支給。起業率の高さは、この制度の存在も大きく関係している

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2|地域おこし協力隊Q&A
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5|おためしサテライトオフィスQ&A

特別協力=総務省 地域力創造グループ 地域政策課、地域自立応援課
text: Discover Japan
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!/移住マニュアル2023」

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