PRODUCT

長野・山翠舎の新ブランド《SANSUI》
ニッポンの伝統を次世代に。
想いが海を越えていく

2023.2.10 PR
長野・山翠舎の新ブランド《SANSUI》<br><small>ニッポンの伝統を次世代に。<br>想いが海を越えていく</small>

小さな木工所から3代続く長野県長野市の山翠舎が海外に挑戦。新ブランド「SANSUI」で、古木の素晴らしさを世界に発信する。

左)山上浩明さん、右)村瀬弘行さん

山翠舎
代表取締役社長
山上浩明(やまかみ・ひろあき)
1977年、長野県長野市生まれ。事業構想大学院大学にて事業構想修士を取得。2004年、祖父の代からの家業である施工会社の山翠舎に入社。古木を活用した店舗施工に着手し、下請けから脱却。古木の仕入れから企画・設計・施工・流通までの自社一貫体制を整え、古民家の解体・再生移築も手掛ける。’12年より現職。古民家・古木を使った空間づくりによって循環型社会の実現を目指す

suzusan
CEO兼クリエイティブディレクター
村瀬弘行(むらせ・ひろゆき)
1982年、愛知県名古屋市生まれ。2003年に渡欧、英・サリー美術大学を経て、’11年に独・デュッセルドルフ国立芸術アカデミーを卒業。在学中の’08年に起業し、家業の有松鳴海絞りを軸にしたブランドを立ち上げる。’18年より名古屋芸術大学の客員教授。’21年には名古屋市主催伝統産業海外マーケティング支援プロジェクト「Creation as DIALOGUE」の統括コーディネーターに就任

※山翠舎の海外進出事業は、経済産業省の補助事業「デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業(トップクリエイター活用型)」の一環です。

山翠舎×suzusan

「メゾン・エ・オブジェ」は、インテリア業界の“パリコレ”とも言われるトレードショー。長野県長野市の山翠舎は、新ブランド「SANSUI」のサイドテーブルを出品した

「メゾン・エ・オブジェ」は年2回(1・9月)、フランス・パリで開催されるインテリア&デザインのトレードショー。2023年1月展には、140を超える国・地域から、約2300のブランドが出展した。そのうちのひとつ「SANSUI」は、今回が初出展となる長野県長野市の建築会社、山翠舎の新ブランド。

「弊社の歴史は、1930年に祖父が開業した山上木工所にはじまります。もともとは下請けの施工会社でしたが、元請けの内装会社となり、いまは古木専門工事や古民家の移築・再生、関東甲信地方を中心に商業施設の設計施工を行っています。事業のステージを変えてきた中で、海外進出にも興味をもつようになりましたが、どう進めればよいのかがはっきりとはわかりませんでした」(山翠舎代表取締役社長・山上浩明さん)

そんなとき、出張の合間に古民家を訪ね歩いていた山上さんは、たまたま訪れた愛知県名古屋市の「suzusan」で、同ブランドのCEO兼クリエイティブディレクターの村瀬弘行さんと出会った。村瀬さんは、同市の有松・鳴海地域を中心につくられる伝統的な織物、有松鳴海絞りを家業とする「鈴三商店」の5代目。アートを学ぶために留学していたヨーロッパで、海外の視点を通すことで、伝統的工芸品という固定観念ではなく、国や文化を超えた有松鳴海絞りの可能性に気づき、在学中にブランド「suzusan」を立ち上げた。

「山上さんから事業のお話を聞いて、時代に合った面白いことをしておられると思いました」(村瀬さん)

そうして、海外進出に向けて心強い伴走者を得た山上さんは、「メゾン・エ・オブジェ」への出展を目指し、村瀬さんを「SANSUI」のクリエイティブディレクターとして迎えた。

「日本とは違う風土や文化の中で暮らす人たちに受け入れてもらうためには、素材・技術・用途を整理し、価値を変える必要があります。『suzusan』では、コアとなる絞りの技術はそのままに、素材と用途を変えました。『SANSUI』は、素材である古木と、職人による手作業をコアとし、古木をどう活用するかというデザインを変えることで、新しい価値が生まれると考えました」(村瀬さん)

「職人が考える〝いいもの〟と、ユーザーにとっての〝いいもの〟は違うということも村瀬さんに教えていただきました。これを踏まえ、『SANSUI』ではアートディレクターに入っていただいて、ものありきではなく、どこで・だれが・どのように使うのかを考えた上でのものづくりに取り組んでいます」(山上さん)

「SANSUI」立ち上げに際しては、「brand is legacy/object is story/handcraft is humanity」というコンセプトを掲げた。意識したのは〝新しいラグジュアリー〟。

「きらびやか、華やかなラグジュアリーではなく、『SANSUI』のように、ローカルに根ざした人間味のある手仕事こそが、これからのラグジュアリーになっていくと感じています」(村瀬さん)

その考えのもと生まれた古木のサイドテーブルは、歴史ある古木の美しさと、職人の技をダイレクトに伝えながら、空間にすっとなじむシンプルなデザイン。

「これはあくまでも仮のプロダクト。『メゾン・エ・オブジェ』での評価をもとに軌道修正をして、次につなげます。これを繰り返すことで、『SANSUI』ならではのプロダクトを確立できると信じています。山翠舎としてのコアを大切に、粘り強く、ものづくりに取り組んでいきます」(山上さん)

山翠舎の技術が紡ぐもの

使われなくなった古民家から古木を再生し、店舗空間やインテリア家具として生まれ変わらせる。丁寧に解体された、すべて形が異なる古木。何代にもわたり大切に使われた古民家の柱と梁の一本一本は、家主の方の次の世代につなげたいという想いをまとっている。

80年以上前に建てられた古民家の解体で発生した柱・梁・桁などの木材で、トレーサビリティが確保されているものを古木と定義
倉庫に常時約5000本をストックしている
古木の加工には、経験と知識を持った職人の技術が欠かせない
古木鑑定士により、質のよい状態で保管。手前は「SANSUI」ブランドのベンチ
山翠舎が設計・施工を手掛けたのは500店以上。木材を組み合わせるためのほぞ穴や大工道具による削り跡、囲炉裏の煤など、手仕事や生活が見えるのも古木の魅力

読了ライン

 
 

 

山翠舎のHPはこちら

 
 
SANSUIのHPはこちら

 
 
suzusanのHPはこちら

 

text: Miyu Narita
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!/移住マニュアル2023」

長野のオススメ記事

関連するテーマの人気記事