「光明」糖度18度以上の岡山産シャインマスカットを冬の贈り物やお歳暮に!
甘く香り高い岡山県産の高級フルーツ、シャインマスカット。夏から初秋が旬だが、寒くなるこの冬、さらに美味しさを増して食べられるといいます。その秘密を探るため、赤磐市にある桃茂実苑を訪ねました。
「晴れの国」で作る糖度の高いシャインマスカット
マスカットの中でも人気が高い品種・シャインマスカット。ふくよかな香りと糖度18度以上の抜群の甘み、さらに種がほとんどなく皮ごと食べられる手軽さで人気の高級フルーツだ。
特に岡山県産のものは高評価を得ており、都市部の市場でも高値で売られているのは有名な話。中でも県の中南部に位置する赤磐市は台風などの災害が少なく、「晴れの国」と呼ばれる岡山県内でもひと際降水量が少ないため、粒が大きく糖度の高い高品質のシャインマスカットが育つ。その美味しさを支えるのは、「日本一のブドウをつくる」という誇りに満ちた生産者の努力も大きい。近年では、ベテランが若い生産者の育成にも力を入れており、美味しいブドウ栽培に励んでいる。
7月から9月頃が旬のシャインマスカットだが、今年からは冬にも食べられるようになった。岡山大学、赤磐市、生産者の産官学連携による研究で、旬の時期に収穫したシャインマスカットを特殊な方法で冬まで貯蔵することで、可能になったのだ。
ところで一番気になるのがその味。旬ではないマスカットは、美味しいのだろうか。
「収穫後も生きているので糖度は少しずつ上がり続けます。ブドウは収穫直後に少しだけ水分が飛んで糖度が上がるのですが、もともと水分を多く含んでいるので、ジューシーさは失われません。普段から旬の味に触れている生産者として、その美味しさに驚きました」と話すのは、赤磐市で桃とブドウを栽培する桃茂実苑の代表取締役社長を務める友實浩子さん。
冬に食べるシャインマスカットは、その名も「光明」。まさに、美味しさを求める人とブドウ農家の未来を明るく照らす、新しいシャインマスカットだ。
7〜9月が旬のシャインマスカットが冬に?
秘密はその保存方法にありました。
①9月に収穫
山々に囲まれ気候の穏やかな赤磐市山間部の農園。7〜9月の最盛期を迎えるとハウス一面が黄緑色に。収穫はすべて手作業。重さのある房を手で支えながら慎重に収穫する。
②糖度18度以上のものを厳選
出荷前に専用のマシンで糖度をチェック。シャインマスカットの糖度基準は、ほかのブドウより高く18度以上。「蜜のように甘くとろりとした食感が特徴です」と友實さん。
③企業秘密の保存方法
収穫後、すぐに特殊な環境で貯蔵する。岡山大学と生産者が研究・試験を重ねて、ようやくたどり着いた方法は非公開だが、条件の整った厳しい環境管理の下、大切に保管されている。
④11月から出荷開始
粒に負担をかけないよう、柔らかいクッションの上に房を収め、最後に和紙で包む。その様子は、まるでかわいい我が子を送り出すよう。桐箱に入れて、大切に届けられる。
いまにも弾けそうな
岡山の大粒白ブドウ
「光明」
桐箱を開けた途端、シャインマスカット特有の甘い香りがふわっと広がる。色もかたちも美しく、まさにキング・オブ・マスカットの風格! 特殊な方法で大事に育てられたマスカットだからこそ、味にこだわる人や新しいものに敏感な人への特別な贈り物として喜ばれること間違いなし。
岡山 桃茂実苑
住所|岡山県赤磐市上市218-1
Tel|086-955-1928
Fax|086-955-7016
注文方法|Tel、Fax、ウェブ
www.hakutou.jp
text: Akiko Yamashita photo: Shintaro Miyawaki
2020年12月号「うつわ作家50」