400年前の寛永文化に触れる
京都の名建築7選【前編】
寛永年間に建築・修復され、往時がしのべるスポットが京都には多数現存している。徳川幕府によって修築・再建がなされた有名社寺も多く、長い戦乱の時を経て訪れた平和な時代を伝える名建築は数知れず。寛永文化の薫りに触れに、京の町をめぐってみては?
01|石清水八幡宮

家光が修造し、
寛永の三筆の一人が社僧となった
平安時代、宇佐神宮から勧進された古社。「寛永の三筆」の一人、松花堂昭乗は石清水八幡宮の社僧で、後に同社内の滝本坊の住職となった。一の鳥居の額「八幡宮」は、平安時代の能書家・藤原行成による文字を昭乗が書き写したもの。現在の社殿は徳川家光によって1634(寛永11)年に修造されたもので、現存する八幡造の社殿の中で最古かつ最大規模。極彩色の欄間彫刻をはじめ壮麗さに目を見張る社殿10棟は、国宝にも指定されている。
石清水八幡宮
住所|京都府八幡市八幡高坊30
Tel|075-981-3001
拝観時間|境内自由
定休日|なし
拝観料|無料
https://iwashimizu.or.jp
02|京都仙洞御所

小堀遠州がつくった庭園も残る、
後水尾天皇の御所
「仙洞」とは俗界から離れた仙人の住む地を意味し、転じて譲位した上皇を表す。現在の地には、後水尾天皇の譲位に際し、1630(寛永7)年に二条城から行幸御殿などが移築された。歩きながら多様な角度から景色を楽しめる池泉回遊式庭園は、二条城二の丸庭園の改修も担った小堀遠州が1636(寛永13)年に作庭。1664(寛文4)年には後水尾上皇自身が手を加え、後年改修が重ねられた。庭園は現存し、おおらかな景観がいまも楽しめる。
京都仙洞御所
住所|京都府京都市上京区京都御苑内
Tel|075-211-1215
参観時間|9:30~、11:00~、13:30~、14:30~、15:30~
※各回約60分、予約必須。定員に達し次第受付終了(公式サイトを要確認)
定休日|月曜(祝日の場合は翌日休) ※臨時休業あり
料金|無料
https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/sento-gosho
03|清水寺

火災で焼失後、家光が復興させた
778年に開創されて以来、観音霊場として庶民に開かれ、幅広い層に信仰されてきた古寺。何度も火災に遭い、そのたびに復興してきたが、1629(寛永6)年、仁王門、鎮守堂(春日社)、子安塔を除く諸堂が焼失。それを受けて、1631(寛永8)~1633(寛永10)年にかけて、西門、釈迦堂、三重塔、本堂、奥の院などを徳川家光が再興した。本堂から崖に張り出す「清水の舞台」は、釘を一本も使わない「懸造」で再建された。
清水寺
住所|京都府京都市東山区清水1-294
Tel|075-551-1234
拝観時間|6:00~18:00 ※特別拝観時などは閉門時間が延長
定休日|なし
拝観料|500円
www.kiyomizudera.or.jp
04|仁和寺

寛永年間に譲り受けた紫宸殿が残る
888(仁和4)年建立。宇多法皇以来、皇室出身者が往持を務めた場所。寛永年間の御所の建て替えに伴い、紫宸殿が金堂(写真)に移築され、現在でも往時の姿を見ることができる。桜の名所でもあり、1661(万治4)年には後水尾上皇観桜の記録も。仁和寺門前に窯を構えた寛永期の陶芸家・野々村仁清の『色絵瓔珞文花生』も所蔵。
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仁和寺
住所|京都府京都市右京区御室大内33
Tel|075-461-1155
拝観時間|9:00~17:00(最終受付16:30)
定休日|なし
拝観料|仁和寺御所庭園800円、霊宝館500円、御室花まつり特別入山料800円
https://ninnaji.jp
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01|寛永行幸を予習しよう!
02|あらためて「二条城」を知る!
03|寛永時代に花開いた文化とは?
04|寛永文化に触れる名建築【前編】
05|寛永文化に触れる名建築【後編】
text: Kaori Nagano(Arika Inc.) photo: Mariko Taya
2025年12月号「京都/冬こそ訪れたいあの旅先へ」


































