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知っていると役に立つスパイスのこと
保存方法、調理方法など…
|スパイスの基礎知識

2026.1.26
知っていると役に立つスパイスのこと<br><small>保存方法、調理方法など…<br>|スパイスの基礎知識</small>

昔もいまも世界中の人々を魅了し、昨今は日本ならではのものも注目されているスパイス。スパイスを知れば、日々の料理や暮らしがちょっとおもしろくなること間違いなし!今回は、エスビー食品のスパイス&ハーブマスター・磯部友美さんの監修のもと、スパイスを料理に使うとどんな効果があるのかを解説!

監修=エスビー食品
スパイス&ハーブマスター 磯部友美
エスビー食品の広報・IR室に所属。レシピ開発、資料収集、全国のセミナー・イベントでの講師活動を行うほか、さまざまなメディアを通じてスパイスやハーブの魅力を紹介している。

正しく保存できてる?
長く、美味しく使う保存方法

〈フレッシュ編〉
適度な湿度を保って、冷蔵庫の野菜室へ。
野菜と同様、冷蔵庫の中でも温度が低過ぎない野菜室がベター。温度が低いと葉が傷むこともある。特にバジルは15℃前後を好み、低温で黒くなりやすい。湿度を保つため、水で湿らせたペーパータオルなどで根元を包んで、ビニール袋に入れておこう。

〈ドライ編〉
キャップをしっかり閉め、冷暗所で保存が基本。
スパイスは光、熱、湿気が大敵。色が鮮やかなターメリックは店頭の蛍光灯でも退色するほど。冷蔵庫でも保存に適してはいるが、出し入れの温度差で結露が生じると、劣化の原因に。使う分だけ小皿に出し、すぐ冷蔵庫に戻すのがおすすめ。

-Point-
少量ずつ小皿に出す!
→湿気を含むことも防ぐ

より効果を高めるには、
使う“タイミング”が重要?

何のためにスパイスを使うのかを意識すると、使うタイミングや、スパイスの適した形態が明確になってくる。肉や魚など素材の臭みを取る、あるいは逆に香りをしっかりつけるなら、下ごしらえで使うといい。煮込み料理など、ある程度の時間をかけてじっくり香りをつけるなら調理中に。香り成分がゆっくり広がるホールスパイスが適している。パッと香りを際立たせたいなら、仕上げにパウダーを振ると効果的だ。

〈下ごしらえ〉
ハンバーグには練り込みやすいパウダーを。肉や魚の表面にパウダースパイスをまぶすほか、時間をかけてマリネする際にはホールスパイスがおすすめ。油やアルコール、ビネガーを介して香りをつけることができる。

〈調理中〉
パウダーを長時間加熱するとどうしても香りが飛びやすいため、煮込み料理にはホールが適している。煮込んでいる間にじっくりスパイスとハーブの成分が広がり、料理に香りや風味を穏やかに加えていく。

〈仕上げ〉
瞬時に香りや辛みを立たせたいなら、仕上げにパウダーをさっと振るのが手軽。ホールスパイスをミルで挽いたり、乳鉢ですりつぶしたりして使うとさらに新鮮な香りが楽しめる。彩りにハーブを添えるのもいい。

Q.香りをもっと楽しむための方法とは?

A.調理方法と食材、調味料との
組み合わせを意識すべし!
スパイスとハーブの香り成分である精油は、種や果実、樹皮などの組織や細胞に蓄えられており、それが破壊されると鮮烈な芳香を発生させる。そのため、ホールで使う場合は、ミルで挽く、折るなどして植物の組織や細胞を壊すことでより香りを引き出すことができる。クミン、コリアンダーなど油との相性がよいホールスパイスは、油で加熱し、香りや風味を油に移すテンパリングと呼ばれる手法が一般的。香りをまとった油で調理することで、料理全体にスパイスの風味が行き渡る。また、いつもの料理に香りや辛みを加えることで、塩や砂糖などの調味料を減らしても美味しく仕上げることができる。糖分や塩分が気になる人は上手に取り入れてみて。

〈加熱する〉
クミン、コリアンダーなど
料理のはじめにスパイスの香りを油に移す。カレーではクミンやコリアンダー、ペペロンチーノでは唐辛子やニンニクを使う。

〈指で砕く〉
ピンクペッパー、ゴマなど
彩りにピンクペッパーを添えたり、仕上げにゴマを振るようなときは、指で砕いたりつぶしたりするひと手間で、より香りが引き立つ。

〈瓶でつぶす〉
コショウ、カルダモンなど
粒の大きなスパイスなどは、瓶の底や小さな鍋の底、麺棒などでつぶすだけでも香りの広がり方が断然よくなる。

〈挽く〉
コショウ、山椒など
ペッパーミルはデザインも豊富で、食べる直前に挽く行為も楽しい。ホールスパイスを簡単に粉砕できる電動スパイスミルも便利。

〈もむ〉
レモングラス、ローズマリーなど
長い葉をカットしてドライにしたレモングラス、葉が細かいローズマリーやタイム、オレガノなどは、使う直前に軽くもむといい。

〈ちぎる、折る〉
シナモン、ローレルなど
厚みのある葉や樹皮は、ちぎったり折ったりして組織を壊すこと。ローレルは2枚使うより、1枚をちぎるほうが香りが生きる。

〈たたく〉
シソ、ミント、山椒(木の芽)など
フレッシュハーブも葉の細胞に芳香成分が閉じ込められている。シソやミント、木の芽は、両手で挟んでパンッとたたくと香りが立つ。

※葉や繊維が硬いので指を傷つけないように注意

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text: Yukie Masumoto photo: S&B FOODS
2025年11月号「実は、スパイス天国ニッポン」

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