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千葉県市川市 hanaの
「クリスマスクッキーボックス」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》

2024.12.5
千葉県市川市 hanaの<br>「クリスマスクッキーボックス」<br><small>《福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は千葉県市川市にある小さなお菓子店・hanaの「クリスマスクッキーボックス」を紹介します。

福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。14年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

ストライプ箱の蓋を開けたらお茶目なサンタクロースを発見!hanaは孫娘・祐子さん姉妹の店。染色家・柚木沙弥郎さんの絵箱。

2024年1月31日に享年101で天寿を全うされた柚木沙弥郎さんに深い哀悼の意を捧げます。

日本民藝協会の機関誌『民藝10月号』の特集は「柚木沙弥郎と光原社の100年」でした。長女の土谷啓子さんや孫娘で菓子店「hana」を運営されている丸山祐子さんが参加された座談会は「柚木沙弥郎の日常や信念」を知れる貴重な資料として必読です。

柚木さんは民藝運動の中枢にかかわりながら、民藝にとらわれず自由に羽ばたき、素朴さをにじませた詩的な作風を確立。お菓子のパッケージにも多くの傑作を残しています。中でもhanaにかかわる仕事ではクッキー型のデザインも手掛け、絵本の中から飛び出したような愛らしさ。

クリスマスボックス各8枚入りはオーナメントとしても。街ボックス3140円/ストライプボックス3000円

冬期限定のクリスマスボックスは4種類、そのうちの2種類をご紹介します。白いアイシングを雪に見立てて装飾した製菓のセンスに祐子さんの深い絵心を感じます。

柚木さんから「教会の雪はもっとぽってり」など指示もあったそうです。口に含めば、丁度よい甘さでとっても美味しい。大切な方へ冬の贈り物におすすめです。

『民藝10月号』(日本民藝協会刊)「柚木沙弥郎と光原社の100年」特集の表紙

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​​hana
住所|千葉県市川市市川3-22-1
Tel|047-727-9157
営業時間|11:00〜18:00
※金・土曜のみ営業
https://hanahomemade.stores.jp

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
2024年12月号「米と魚」

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