大分県《界 別府》
隈研吾設計の温泉旅館で、心をほぐす”現代湯治”体験。後編
星野リゾートの温泉旅館ブランド「界 別府」で水引デザイナー・長浦ちえさんが心と身体を癒す“現代湯治”を体験。後編では、浸かるだけではもったいない「界 別府」の温泉のさらなる魅力を紹介しよう。
エンターテインメントとしても温泉を堪能
別府温泉は豊富な湯量と多様な泉質をもつ、日本有数の温泉地だ。「界 別府」ではふたつの自家源泉を有し、泉質はどちらも塩化物泉。身体を芯から温め、肌をなめらかにする、やさしい湯触りが特徴である。大浴場の内湯は、約38°Cの「ぬる湯」と約42°Cの「あつ湯」に分かれており、それぞれで効果的な入浴法があるという。「チェックイン後に参加した『温泉いろは』で、副交感神経を優位にするぬる湯は快眠効果を高め、交感神経を刺激するあつ湯は身体を目覚めさせると知りました。温泉の知識が深まることも、界の湯治体験ならではですよね」
日が暮れるとちょうちんが灯り、「地獄巡りバー」や型抜きなどの屋台が出現。別府音頭がBGMとして流れ、温泉街の縁日のような雰囲気に。長浦さんは夕食へ向かう途中、屋台に立ち寄り、スマートボールや輪投げに興じていた。
夕食は会席料理仕立てで、旬の大分県産山海の幸をふんだんに使用している。今回は伊勢海老、フグ、クエなど高級食材を盛り込んだ鍋料理が主役の「豊後なべ会席」をセレクトし、地域の美味を存分に堪能。心地よい満腹感で眠りに就き、翌日は「現代湯治体操」や「別府つげ工芸」でつげブラシづくりを体験した。
「食事、空間、多彩な体験プログラムを通じ、地域のストーリーが学べてすごく楽しかったです。背景を知ると、違う景色が見えてきますから。五感で楽しめるウェルネスな旅となりました」
入浴と併せて楽しめば湯治効果が倍増!
大分名産食材を使った料理、
地獄蒸しをアレンジした朝食も
工芸品づくりで心までリフレッシュ
界 別府
住所|大分県別府市北浜2-14-29
Tel|0570-073-011(9:30~18:00)
客室数|70室
料金|1泊2食付3万1000円~(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAなと
゙IN|15:00 OUT|12:00
夕食|日本料理(食事処)
朝食|和食(食事処)
アクセス|車/大分空港から約50分電車/JR別府駅から徒歩約10分
施設|大浴場、足湯、手湯、食事処、ライブラリーなど
text:NaoOhmori photo:ShimpeiFukazawa
2022年10月号「旅で、ととのう。」
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