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東京都台東区 酒悦の「福神漬」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》

2022.7.31
東京都台東区 酒悦の「福神漬」<br><small>《福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>
赤地に「味」、「好」、「佳」等と白抜き文字を散らした包装紙と樽の掛け紙は芹沢作

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、1675年創業、酒が悦ぶほどうまいものを作り続ける、酒悦の「福神漬」を紹介します。

福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

小樽(200g2袋入)1620円。甘辛く歯触りがよい福神漬

芹沢銈介(1895〜1984年)は民藝運動の偉大なる共鳴者でした。芹沢は後年「型絵染め」で人間国宝に認定されるほどの染色工芸家であると同時に、民藝運動の提唱者の柳宗悦とともに日本各地へ旅し、民藝品の調査をした研究者的な側面もありました。もちろん、その旅が芹沢に着想を与え、作品をさらに豊かにしたことは間違いないでしょう。

現在、芹沢の作品をまとめて観られるのが「静岡市立芹沢銈介美術館」です。美術館のことを調べていたら、東京・台東区の老舗「酒悦」のロゴマークや福神漬のパッケージ、包装紙のデザイン等を手掛けているのを知りました。 

酒悦は1675(延宝3)年創業。340余年の歴史ある商店で、代を重ねるうちに酒の肴となる珍味も扱うようになったという。ぜひ上野本店舗に足を運んでみてください。ビルの外壁には芹沢作の「酒悦」のロゴが大きく掲げられていて「酒が悦ぶほどうまいもの」という意味の屋号も誇らしげ。また看板商品の福神漬は絶品。特に樽入りはご贈答にもおすすめです。

千代紙のようにかわいらしい手提げ袋

酒悦上野本店舗
住所|東京都台東区上野2-7-11
Tel|03-5688-5053
営業時間|10:00〜19:00
定休日|なし
https://www.shuetsu.co.jp/

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
Discover Japan 2022年8月号「美味しい夏へ出掛けよう!」

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