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お菓子研究家 福田里香さんが推薦
「かわ善い民藝」
民藝に会いに行く。vol.6

2020.9.1
お菓子研究家 福田里香さんが推薦<br>「かわ善い民藝」<br><small>民藝に会いに行く。vol.6</small>

「民藝」にかかわった人物は、柳宗悦筆頭に河井寬次郎、濱田庄司など押しなべて男性が多い。一見すると「かわいい」とは縁遠い世界に思われがちだが、彼らが選んだモノの中にはかわいいとしか言いようのないモノがたくさんあるとお菓子研究家・福田里香さんは話す。民藝の品々は職人の手によって正直につくられたものばかり。

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今回は『可愛い』ではなく『かわ善い』と呼びたい、日常でも気軽に使える民藝をセレクトしました。

福田里香(ふくだ・りか)
お菓子研究家。お菓子や料理のレシピ開発・スタイリングを手掛ける。父の豊水は日本民藝協会の会員で、熊本・小代窯を復興させた人物。幼い頃から民藝に触れて育つ。小誌で「民芸お菓子巡礼」を連載中

日本民藝館御用達の “かわ善い”
熊本県山鹿市「来民渋団扇」

仏扇(無地)

来民地方は江戸時代から続くうちわの産地。柿渋が塗られた丈夫なうちわは100年使える。「サイズによってかたちも変えていて仕事が丁寧。一番小さいサイズは扇子のように携帯もできて特にかわ善い。東京・駒場にある日本民藝館へ夏に訪れると来民のうちわを貸してくれます」。

栗川商店
価格|1320円
サイズ|W150×H310㎜
住所|熊本県山鹿市鹿本町来民1648
Tel|0968-46-2051
営業時間|8:30〜17:30
定休日|日曜、祝日
http://www.uchiwa.jp/

まずはコレから。気軽に民藝
青森県弘前市「こぎん刺し」

くるみボタン(小)

冬の寒さ厳しい津軽地方では、防寒や補強のため麻布に木綿糸を刺す習慣があった。柳宗悦は手の込んだ美しい仕事と評し、新しい道で生かすべきと『手仕事の日本』に書き残す。「まさに現代アレンジ。ヘアゴムやコートに付けて楽しむボタンからはじめてみて」。

弘前こぎん研究所
価格|605円
サイズ|φ30㎜
住所|青森県弘前市大字在府町61
Tel|0172-32-0595
営業時間|9:00〜16:30
定休日|土・日曜、祝日
http://tsugaru-kogin.jp/

民藝を鞄に入れて持ち運ぶ
富山県富山市「八尾和紙」

御朱印帳

民藝運動に傾倒した桂樹舎の初代吉田桂介は型染家・芹沢銈介に師事。薬を包むために使用していた八尾和紙に型染を施した。「幾何学模様などオリジナルの絵柄は京都の千代紙とも違う、民藝らしい図案。御朱印帳ですが、ノートとしても使えます」。

桂樹舎
価格|2200円
サイズ|W120×H180×D15㎜(全6色)
住所|富山県富山市八尾町鏡町668-4
Tel|076-455-1184
営業時間|8:00〜17:00
定休日|土・日曜、祝日
https://keijusha.com/

ユーティリティな収納ボックス
熊本県人吉市「花手箱」

花手箱

800年以上前、九州に逃れた平家の落ち武者が生計を立てるためにつくったのがはじまりとされる化粧箱。「みやびな椿の花に平家のプライドを感じずにはいられません」。

宮原工芸
価格|上から550円、825円、1210円、1650円、2200円
サイズ|上からW72×D52×H40㎜、110×74×60㎜、150×106×84㎜、180×140×90㎜、225×190×100㎜
住所|熊本県人吉市中林町512-2
Tel|0966-23-3070
営業時間|9:00〜17:00
定休日|不定休

ext: Discover Japan photo: Norihito Suzuki
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」


《民藝に会いに行く。》
1|山田遊さんと岐阜県 飛騨高山で自由な民藝に出合う。
2|山田遊さんと島根県 出雲〜松江でうつわをめぐる冒険
3|ビームス「フェニカ」ディレクターが日本の最高の手仕事が息づく栃木県 益子へ
4|鞍田崇さんと民具、民藝の”中間”を求める旅
5|工藝風向 高木崇雄さんと九州筑後川流域へ進化する民藝と出合う。
6|お菓子研究家 福田里香さんが推薦「かわ善い民藝」

 

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