地域・人と交流する
おすすめのシェアオフィス【前編】
離島、山村、アウトドア…
近年企業向けだけでなく、個人でもゲストハウス感覚で利用できるシェアオフィスが急増中。今回は、本格的な第2の拠点を考えている人におすすめの、地域・人と交流するシェアオフィスをご紹介します。
温暖な離島の、サテライトオフィス
「Island and office八丈島」/東京都・八丈島
羽田空港から約55分のフライトで到着する八丈島で、企業向けにサテライトオフィスを提供するIsland and office。1日1社限定、年間30日利用できる権利を販売するシェア型オフィスだ。非日常の空間で生まれるアイデアの創出などを後押しする。約4000坪の敷地に建てられた施設には8人まで宿泊可能。美味料理と島民の交流にも力を注ぎ、地産地消の食事を提供する〈Weekend Cafe〉と提携。八丈島の野草や素潜りで捕った魚介料理を楽しめる。
Island and office八丈島
住所|東京都八丈島八丈町大賀郷5492
Mail|info@islandandoffice.com
時間|24時間
料金|非公開
利用可能人数|1~8人
ワークスペースの座席数|8席
食事|持ち込み可
設備|会議室、キッチンほか
https://islandandoffice.com/
地域と都市部を行き交う人を応援
「ワークテラス佐久」/長野県・佐久市
新しいコトが、ココから生まれる」をテーマに、地域との“関わりしろ”の創出を目指す佐久市のテレワーク施設として2020年に設立。コワーキングスペースだけでなく、都心部に拠点を置く企業のサテライトオフィスや、起業希望者へのレンタルオフィスとして利用されている。また、地域住民や出張で訪れた人が気軽に利用できる、開放感のあるオープンラウンジ、雑談可能な交流エリア、作業に没頭できる集中スペースなどを完備。
ワークテラス佐久
住所|⻑野県佐久市中込2336-1
Tel|0267-64-5556
時間|10:00~18:00(土曜、祝日~15:00)
定休日|日曜、年末年始、お盆
料金|3時間500円、1日1000円 ※現金のみ
利用可能人数|1~40人
ワークスペースの座席数|40席
食事|持ち込み可
設備|Wi-Fi、会議室、コピー機、シュレッダー、ポスト、ロッカー、カフェスペースほか
https://www.3saku.com/
居心地のいい、クリエイターの“たまり場”
龍造寺 Lab.「造」/大阪府・大阪市
大阪城近くにある3軒の長屋を再生したシェアオフィス。トンネル通路、石畳など昔ながらの風景が残りつつ、大阪ミナミにも徒歩圏内という立地が魅力。オープンスペースが自由に利用できるStation会員、専用のロッカー型スペースが持て、事務所登記も可能なPocket会員、専用の個室ブースがもてるDen会員と、3つの利用形態を用意。会員同士をつなぐ交流イベントが企画されるなど、シェアハウスのような場を目指している。
龍造寺 Lab.「造」
住所|大阪府大阪市中央区龍造寺町4-3
Tel|06-7653-5991
時間|24時間
定休日|なし
料金|月5500円~3万3000円
現在の会員数|約60名
ワークスペースの座席数|44席
食事|カフェ併設
設備|会議室、電子レンジ、冷蔵庫、電気ケトルほか
https://ryuzojimiyatsuko.jimdofree.com/
新風を巻き起こす、町の拠点
「tsumiki」/宮城県・利府町
住みよい町づくりを目指し、あらゆるチャレンジをバックアップする場をつくるべく、地域住民・学生・企業・行政職員を交えたワークショップを重ね、2016年にオープン。起業希望者に向けたセミナーや、さまざまな専門スキルを学べる塾などを開催し、地域に新しい風を吹き込む拠点となっている。ワークスペースは住民以外も利用可能で、3時間まで250円、3時間を超える利用は500円でワンドリンク付きというお手頃さがうれしい。
tsumiki
住所|宮城県宮城郡利府町中央1-5-2
Tel|022-766-9231
時間|9:30~17:30(水・金曜は~21:00)
定休日|火曜、年末年始
料金|3時間未満250円、3時間以上500円
利用可能人数|50人(イベント時)
ワークスペースの座席数|36席
食事|併設のカフェにてドリンク提供
設備|Wi-Fi、コピー機
http://rifu-tsumiki.jp/
町を知り地域の人々とつながる場所
「シェアオフィス daigo front」/茨城県・大子町
茨城県北6市町を拠点に新たな働き方に挑戦する「茨城県北クリエイティブ プロジェクト」の一環として、県と地元市町が連携してシェアオフィスを整備。「daigo front」は、昭和レトロなJR常陸大子駅前商店街の元写真店を、地元の木材や端材を生かして改装。地域とつながる役割もあり、1階のスペースや2階のドロップイン用のデスクは空いていれば誰でも利用できる。ほかにも日立市には「かどや」と「ひたちたが」のシェアオフィスが、北茨城市には芸術家向けアトリエタイプの「期待場」という個性的なシェアオフィスが運営されている。
シェアオフィス daigo front
住所|茨城県久慈郡大子町大字大子988
Tel|0295-76-8025
時間|10:00~18:00
定休日|土・日曜、祝日(夏季休業あり、年末年始も休業)
料金|ドロップイン1日500円
利用可能人数|1~20人
ワークスペースの座席数|固定席3席(会員専用)、フリーデスク20席
食事|持ち込み可
設備| Wi-Fi、プリンター、本棚ほか
https://www.facebook.com/daigofront/
13の店舗とシェアスペースが合体
「BONUS TRACK MEMBER’S」/東京都・下北沢
下北沢駅と世田谷代田駅のちょうど中間、「下北線路街」のエリアのひとつとして、2020年4月に開業した新スポット。「発酵デパートメント」など個性豊かな13の物販店と飲食店が並ぶ中にあるシェアラウンジでは、会員制、全19席のワークスペースのほか、キッチン付きレンタルスペース、通りに面したポップアップスタンドを完備。キッチンスペースとポップアップスタンドは会員以外でも利用でき、料理教室やホームパーティなどさまざまなワークショップやイベントに活用したり、期間限定の店を開いて小さな費用で起業のお試しもできる。
BONUS TRACK MEMBER’S
住所|東京都世田谷区代田2-36-12
Tel|03-6805-5224
時間|ワークスペース24時間、キッチンスペース10:00~22:00、ポップアップスタンド10:00~22:00
定休日|なし
料金|ワークスペース月1万円~、レンタルスペース4時間2万2000円~、ポップアップスタンド8時間1万1000円~
食事|なし
設備|Wi-Fi、キッチン、ミーティングスペース、ロッカー(有料)
https://bonus-track.net/
ならまちの真ん中でワーキング
「JIRIN」/奈良県・奈良市
奈良の老舗「中川政七商店」が運営する2021年4月に開業した「鹿猿狐ビルヂング」内のコワーキングスペース。「コワーキング×コラーニング」をコンセプトに、奈良に魅力的なスモールビジネスを生み出す「N.PARK PROJECT」の拠点として誕生。ドロップインなら会員以外の誰でも、予約なしでワークスペースの一時利用が可能だ。ワークスペースは、ビル全体の設計も担当した建築家・内藤廣氏が担当。ブックディレクターの幅允孝氏が選書したライブラリと広い窓に囲まれた心地いい空間からは興福寺が望め、奈良らしい風情が満喫できる。
JIRIN
住所|奈良県奈良市元林院町22 鹿猿狐 ビルヂング3F
Tel|なし
時間|9:00~21:00(ドロップインは10:00受付開始、19:00最終受付)
定休日|年末年始、イベント開催時
料金|3時間1100円、1日1650円 通常会員は月1万6500円
利用可能人数|1~50人(イベント時)
ワークスペースの座席数|24席
食事|持ち込み可
設備|Wi-Fi、プリンター、ホワイトボード、会議室、ロッカー(有料)、郵便受けほか
https://n-park-project.jp/jirin/
山村で、遊ぶように働く
「オフィスキャンプ東吉野」/奈良県・東吉野村
2015年、築80年近い古民家を改修し、地域の人が集まるスポット兼シェアオフィスとしてオープン。以降、全国のクリエイターに注目され、この地への移住者を多くつないできた。大阪の都市部まで車で約1時間半というアクセスも魅力。
オフィスキャンプ東吉野
住所|奈良県吉野郡東吉野村小川610-2
Tel|0746-48-9005
時間|10:00~17:00
定休日|火・水曜 ※冬季休業あり、今年は2月末までを予定
料金|1日500円
利用可能人数|1~5人
ワークスペースの座席数|10席
食事|なし
設備|Wi-Fi、プリンター、キッチンほか
http://officecamp.jp/
食と農でつながる東京の新拠点
「東京農村クラブ」/東京都・港区
「農と食でつながる、わ!」がコンセプトのシェアオフィス。農業関係者や起業したい人が試作や検討をするためのテストキッチンとしても利用できるシェアキッチンを併設し、シェアオフィスでは起業や営業に関する相談も受け付けている。
東京農村クラブ
住所|東京都港区赤坂3-19-1 東京農村
Tel|03-5797-7625
時間|24時間
定休日|なし
料金|月1万1000円
ワークスペースの座席数|10席
設備|ロッカー、レストランほか
http://tokyo-noson.com/
text: Kiyoko Hayashi, Naoko Yokoi, Yayoi Tatsu, Discover Japan
Discover Japan 2022年3月号「第2の地元のつくり方」