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宮城県利府町シェアオフィス「tsumiki」
新風を巻き起こす、町の拠点

2022.3.26
<small>宮城県利府町シェアオフィス「tsumiki」</small><br>新風を巻き起こす、町の拠点

近年企業向けだけでなく、個人でもゲストハウス感覚で利用できるシェアオフィスが急増中。宮城県利府町にある「tsumiki(ツミキ)」は、あらゆるチャレンジをバックアップする場として2016年にオープン。地域に新しい風を吹き込む拠点を紹介しよう。

町民が集う施設だから、
みんなでアイデアを出し合う

立地、設備、コンセプト、設立の目的などが評価され、2020年度のグッドデザイン賞を受賞

宮城県のほぼ真ん中に位置し、古くは多賀城の国府に、近世に入ってからは仙台城下に接していることから北方の要衝として栄えた利府町。美しい朝日が見られることで知られる番ヶ森山をはじめ、天然の桟橋といわれる表松島の馬の背などの名勝があり利府町は豊かな自然に囲まれている。そんな地域資源を活かしながら、起業の促進や町の魅力を発信する場をつくることを目的として、2016年11月、JR利府駅前に「利府町まち・ひと・しごと創造ステーション tsumiki」は誕生した。

2016年6月から9月にかけて、全8回の町民参加型のワークショップ「Rifu-Co-Labo」を開催。毎回テーマを設け、若手を中心に企業・学生・NPOスタッフ・行政職人という多様なメンバーが集まり交わされた議論によって、コンセプトや機能、利用方法のソフト面から、内観外観などのハード面までを決めていき、施設の母体をつくり上げた。

建物は平屋建てのユニットハウスで床面積は131㎡。黒を基調とした外観で、南側は全面ガラス張り。赤・青・黄色の積み木をイメージしたロゴが目を引く。内観は、木の材質を生かしたワンフロアで明るく開放的。それらも町民ワークショップで話し合われたアイデアが盛り込まれており、自然と訪れたくなる居心地のよい空間がつくられている。

立ち上げ前のワークショップの中で生まれた意見やアイディアが随所に反映されている

積み木で遊ぶように、
多様な使い方ができる場所

住みよい町づくりを目指し、あらゆるチャレンジをバックアップする場として生まれたtsumiki。名前の由来は、積み木で遊ぶように、積み上げたり、組み合わせたり、時にはみんなで組み替えたりするうちに新たな仕事やまちづくりのアイデアが生まれる……そんな自由な使い方ができる拠点によって、これまでにない価値を生み出して欲しいという想いが込められている。

施設ではワークスペース、カフェ、起業や創業の相談など、個人や団体を問わず誰でも利用可能。起業希望者に向けたセミナーや、さまざまな専門スキルを学べる塾なども開催されている。

ワークスペースは住民以外も利用可能で、3時間まで250円、3時間を超える利用は500円でワンドリンク付きというお手頃さも嬉しいポイントだ。

ワークショップ、セミナー、マルシェごとに自由にレイアウト変更できる館内
tsumikiセレクトショップでは、地元洋菓子店の焼菓子などの食品。町内名産の「梨」をモチーフにした雑貨や陶器。そのほか地域資源を活かした商品を販売している
小商いにチャレンジしたい人たちが出店する「こ・あきない市」。利府町の小商いのマインドをつくっていこうと定期的に開催されているチャレンジマーケットだ。趣味を仕事にしたいと考えている人や商品をアップデートするための意見交換の場としても
利用者意見交換会を開催。参加者からは、「住んでいる地域に思い入れのある場所ができて嬉しい」「みんなの地域に対する愛を感じた」「地元を知るきっかけになった」という感想も

訪れる者の可能性を広げてくれる「tsumiki」。懐の深いこの場所から、今日も新たなエネルギーが生まれている。

tsumiki
住所|宮城県宮城郡利府町中央1-5-2
Tel|022-766-9231
時間|9:30~17:30(水・金曜は~21:00)
定休日|火曜、年末年始
料金|3時間未満250円、3時間以上500円
利用可能人数|50人(イベント時)
ワークスペースの座席数|36席
食事|併設のカフェにてドリンク提供
設備|Wi-Fi、コピー機
http://rifu-tsumiki.jp

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