鍋料理の美味しい季節がやってきた!
圡楽窯の万能な土鍋で美食の秋を愉しもう
松茸やサンマ、サツマイモなど多くの食材が旬を迎え、夏バテも回復して食欲が増してくる秋。肌寒くなってくると恋しくなるのが、旬食材とも相性抜群の鍋料理。
日本の”よいモノ”を津々浦々見てきたDiscover Japanが、特におすすめしたい季節の贈り物をセットにした「Monthly Gift Box」。今月は、鍋料理はもちろん、ステーキやグラタンも焼ける、ひとつあれば万能に使える、圡楽窯(土楽窯・どらくがま)の土鍋と鍋敷きのセットを提案します!
一流料亭にも愛され続ける
"一生モノ"の土鍋
陶土をもとに、職人の手により土鍋をつくる。一つひとつ手挽きで形成していく
江戸時代から続く三重県伊賀市の窯元「圡楽窯」。長い歴史の中でも数少ない“傑作”と言える逸品が生まれた。それが煮る、炊く、炒める、そして焼くができる土鍋だ。
圡楽窯の代表的な土鍋といえば、浅く平たいかたちした「黒鍋」。京都の老舗すっぽん料理店からの依頼をきっかけに、当時20代だった7代目・福森雅武さんが考案したものだ。この黒鍋をベースに、一般家庭でも使いやすいように深さを足したのが今回のセットのメインとなる「口付黒鍋」である。
もちろん使うのは伊賀の陶土。太古の昔、琵琶湖の底にあったものが地殻変動で地上に出た土で、有機物を多く含み、焼き上げると、この有機物が燃えて小さな空洞ができる。内部に空洞がある焼き上がりが、伊賀の土鍋の基本だ。熱しにくいが冷めにくいという特性が生まれるのである。圡楽窯の黒鍋は熟練の職人が、ろくろで一つずつ挽き上げる。均一の厚みをもたせて大きな土鍋を挽くことのできる職人は伊賀でも数少ない。
丁寧に使い込むほど煮えやすく、使いやすく育つ圡楽窯の土鍋は、つくり手の想いと技が詰まった一生モノ。長く愛され続けている土鍋を手に入れて、美味しい秋を楽しもう!
伊賀牛のミスジに松茸を入れ、日本酒を加えた。圡楽窯の土鍋は陶板焼きができる。煮る、炊くはもちろん炒めるも可能で、万能に活躍するのだ
使いはじめは、おかゆを炊いて目を詰めよう。
photo: Norihito Suzuki, Sadaho Naito
2021年11月号「喫茶のススメ お茶とコーヒー」