お試し移住で再発見したクリエイティブな青森 vol.2
働き方や暮らし方が多様化し、拠点を地域へ移す人々が増えている。クリエイティブな職種の方から注目される青森暮らしを、2人のクリエイターに体験してもらった。青森県弘前市に何度も訪れたことがあるというフリーライターのコヤナギユウさんに、改めて弘前の暮らしを体感してもらう。
体験者プロフィール
コヤナギユウ(こやなぎ・ゆう)
1977年、新潟県生まれ。フリーライター、デザイナー、イラストレーター、エディター。旅先での出来事をつづったブログが人気。
※コヤナギさんのブログはこちらから。
魅力的なコンテンツの宝庫であり、移住者が集う街・弘前
コヤナギさんがはじめて弘前を訪れたのは2014年。弘前大学の学生団体「hiromaru」に、イベントの講師として招かれたのがきっかけだ。以降、事あるごとに弘前へ足を運び、今回の滞在で6回目になるという。
「弘前の魅力はやっぱり人。『kimori』の高橋哲史さんや『HLS弘前』の辻正太さんなど、新しい取り組みをしているおもしろい人が集まっているので、『行かなきゃ』って気持ちになるんです。デザイナー視点だと街中に残る明治期の洋館に心惹かれますし、ライター視点だと人々の気質に魅力を感じますね。行動を起こしたかったら、『HLS弘前』や市内でのイベントを通じて、高橋さんのようなキーマンともつながりやすい。それを契機に『自分ならこうしたい』という気持ちで、クリエイティブに取り組める気がします」
弘前シードル工房「kimori」で高橋さんと久しぶりの再会を果たし、改めてシードル製造へかける思いを取材。その後、リンゴの剪定鋏などをつくる「三國打刃物店」へ向かい、熟練した手仕事を目の当たりにした。
「弘前駅の近くにHLSのようなコワーキングスペースがあるのは、フリーランスで仕事をしている人間にとって、ありがたいですよね。青森で取材した内容をまとめる作業はもちろん、県外から持ち込んだ仕事も快適に行えますし、環境が整っているため別地域とのやりとりもスムーズです」
ひと通りの仕事を終えてから、弘前に移住して15年という井上信平さんがオーナーを務めるハンバーガー店「デュボワ」で高橋さんと合流。高橋さん自身もUターン者であるため、弘前での暮らしについて、話に花が咲いた。
「井上さんも仰っていましたが、青森の方ってシャイだけど、仲良くなると本当によくしてくださるんです。『弘前デザインウィーク』が開催されるなど、クリエイターの移住者も多いようで、チャンスと刺激に満ちた街だと思います」
青森の暮らしがコヤナギさんのクリエイティブを上昇させた!
「私が運営しているブログ『i liveYou !』で、今回の弘前での短期移住体験を記事にしました。読者に伝えたかったのは、弘前で過ごす楽しさ。まずは弘前という地名を覚えていただき、移住や旅行を考えたとき、弘前を選択肢に入れてもらえたらうれしいなと思って。紹介しているのはこの企画で訪れた場所だけですが、人々のエネルギーが爆発する弘前ねぷたまつりや、岩木山に対する街の人たちの愛着、リンゴ剪定技術の発展で見事な花をつける桜の話、アップルパイが何十種類もあることなど、書ききれていない弘前の魅力はまだまだ山ほどあるんですよ。デザイナーやライターとして活動している自分から見ても、クリエイターが挑戦しやすい地域だと感じています」
青森への移住を考えるなら
認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」内にあるブースで、移住希望者に青森県での仕事や暮らしにまつわる情報を提供してくれる。移住体験ツアーやイベント、地域おこし協力隊の情報も発信。
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青森暮らしサポートセンター
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F
Tel:090-6342-6194
Mail:aomori@furusatokaiki.net
営業時間:10:00 ~ 18:00
定休:月曜、祝日
www.aomori-life.jp
※弘前シードル工房kimoriのリンクはこちらから。
※三國打刃物店の問い合わせ先は、Tel・Fax:0172-33-2202まで。
※コラーニングスペース HLS弘前のリンクはこちらから。
※カフェレストラン デュボワのリンクはこちらから。
文=大森菜央 写真=林 和也
text : Nao Ohmori photo : Kazuya Hayashi