うつわ作家の食卓。
八田 亨さん
うつわが変われば、食卓も気分も変わる。うつわの楽しみ方のコツを探るべく、作家さん本人の食卓をのぞかせてもらいました。紹介したうつわの一部は、Discover Japan Lab.のオンラインサイトから購入できます。
八田 亨(はった・とおる)
石川県生まれ。大阪産業大学工学部環境デザイン学科卒業後、2003年に独立。現在は、大阪府富田林市にて作陶する。土の味わいを感じさせる作品でありながら、三島手の線彫りなどは軽やかでモダン。和洋問わずさまざまな献立で楽しめる≫詳細はコチラ
八田さんとうつわ
原土を生かした土味と製法で、深みのあるうつわをつくる八田さん。そのうつわは、力強さをたたえながら、日々の素朴な献立も何気ない顔で優しく受け止めてくれる。
食卓のルール
「自分のうつわが並ぶ食卓で、子どもたちがつくること、使うこと、食べることを学んでくれたら何よりだと思っています。食べることは生きることの中心です。うつわは家族を思いやる気持ちや自分を労わることが増幅される道具です。日々の食卓で子どもたちにそうしたことが育まれることを願っています」。
料理/春キャベツとほたるいかのパスタ
うつわ/白掛リム皿
「学生時代、レストランバーでアルバイトをしていました。その頃から料理に興味があり、特に時間をかけてトマトソースやスパイスカレーをつくるのが好きです。自宅で仕事をしているので、昼食はサッとつくれるパスタを、ほぼ毎日つくっています。オイル系パスタはゆで加減と塩加減を間違えなければまずくならないという持論をもっていて、必ず野菜一品と肉か魚を一品入れるようにしています。この日は春らしく、春キャベツとホタルイカで。彩りにトマトとスタッフのお母さんが毎年くれるカラスミを削りました。これもミモザのようで、とても春らしくできました」。
材料(1人前)
パスタ…100g ニンニク…1片
鷹の爪…少々 オリーブオイル…適量
ホタルイカ…10杯程度 春キャベツ…適量
ミニトマト…4つ程度 カラスミ…1片
塩・コショウ…少々 浅漬けの素(顆粒)…少々
醤油…小さじ2
つくり方
①パスタをゆでる。
②ホタルイカの下処理をし、野菜をひと口大に切る。ニンニクはみじん切りにしておく。
③フライパンにオリーブオイルとニンニク、鷹の爪を入れ、火にかける。
④いい香りがしてきたら、ホタルイカと春キャベツとミニトマトを入れる。
⑤具材に火が通ったらゆで上がったパスタを入れ、塩・コショウと浅漬けの素と醤油を入れ味を調える。 ※カラスミの塩分があるので塩は少し控え気味に。
⑥パスタをうつわに盛り、上からカラスミをおろし金ですり下ろす。
料理/だし巻き卵
うつわ/白掛tile plate
「鉄のフライパンや銅の玉子焼き器など素材の特徴を生かした調理道具が好きで、どちらかというと道具から料理に入るタイプです。玉子焼き器はその中でも一番長いつき合い。だし巻き卵の形状に合わせて、うつわも選びました」。
材料
卵…2〜6個(大きさによって異なる)
白だし…適量
水…適量
サラダ油…適量
つくり方
①卵を白身を切るようによく溶く。
②白だしと水を入れる。※分量は白だしごとの表記を参照
③玉子焼き器にサラダ油を引き焼いていく。
料理/肉じゃが
うつわ/自然釉6寸鉢
「このうつわは釉薬をかけずに焼いたもので、土そのものの雰囲気をダイレクトに感じることができるため、根菜類によく合います。肉じゃがは彩りもよく、野菜もたくさんとれ、ご飯にもお酒にもよく合います」。
材料(2人前)
ジャガイモ…3個 タマネギ…1/4個
豚肉…200g ニンジン…1本
水…適量 ★醤油・酒・砂糖・みりん…各大さじ2
ゴマ油…大さじ2 絹さや…4〜6本
つくり方
①ジャガイモ・ニンジン・タマネギをひと口大に切る。
②フライパンにゴマ油を引きを炒める。
③5分ほど炒めたら★と水を入れる(具材が浸るくらい)。
④豚肉を入れ15分ほど蓋をして煮る。
⑤絹さやを1分ほど塩ゆでする。
その他にも、八田 亨さんの商品を公式オンラインショップで購入することができます。
text: Discover Japan
Discover Japan 2021年5月号「美味しいニッポントラベル」