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うつわ作家の食卓。
圡楽・福森 道歩さん

2021.4.16
うつわ作家の食卓。<br>圡楽・福森 道歩さん

うつわが変われば、食卓も気分も変わる。うつわの楽しみ方のコツを探るべく、作家さん本人の食卓をのぞかせてもらいました。紹介したうつわの一部は、Discover Japan Lab.のオンラインサイトから購入できます。

左から)福森道歩さん、福森雅武さん

福森道歩(ふくもり・みちほ)
伊賀焼窯元「圡楽」8代目当主。料理を学んだ後、大徳寺龍光院にて修行。2003年に家業の圡楽に入る。現在は自身の作陶とともに工房の仕事を取り仕切るかたわら、料理家として土鍋料理も積極的に提案。著書に『小鍋でつまみ』(東京書籍)などがある

福森雅武(ふくもり・まさたけ)
1944年、三重県伊賀市生まれ。土楽窯7代目。茶陶で評価を得たが、生活と仕事が分離したところに、美しいものは生まれないと食器づくりに邁進。料理店の注文で土鍋をつくりはじめた

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福森さんのおもてなし

三重・伊賀の「圡楽」での取材終わり、道歩さんが土鍋料理をごちそうしてくださった。囲炉裏の火にかけれた「黒鍋」で豪快に焼かれるのは、福森家の定番料理・ステーキだ。

食卓のルール

「料理をつくっているときに、食材を見てお皿や鉢を決めます。お刺身だと白身なら色の濃いお皿を、赤いものだとグリーンのものなど、食材そのものを引き立て、目立ち過ぎないうつわを選ぶようにしています。“うつわは前に出ず、後ろに下がらず、使えばともに引き立て合う”圡楽のモットーでもあります」。

料理/牛肉のステーキ
うつわ/黒鍋


「伊賀牛はとても美味しく、特にヒレ肉はその旨さにお客さま一同に喜んでいただけますが、実は、私たち内々では、『ヒレ横』と呼ばれる、ヒレにくっついている少し弾力のある肉質の部分が大好物なのでありまして、この旨さを知ると、ヒレを差し置いて、こちらを所望される方が続出するという珍事が起こるのであります。

ステーキは見た目は茶色く、切ると中の赤みが出てきます。この赤は、グリーンに大変映えるので私は好んで織部という色合いのお皿などを使っています。盛りつけは、切った場合は切り口の赤みが半分くらい見えるように盛りつけると、うつわとのコントラストが美しく、より美味しそうに見えると思います」。

材料(2〜3人分)
牛肉(ステーキ用)…100〜120gの厚めのもの3 枚
塩・黒コショウ…各適量
牛脂…適量
大黒しめじ…2〜3本
ししとう…5本
※写真はマツタケですが、日々の食卓には、大黒しめじ・ししとうがおすすめです

つくり方
①牛肉は室温に戻し、塩・黒コショウを振る。しめじは縦半分に切っておく。
②土鍋を弱めの中火にかけ、鍋肌から煙が出るくらいまで熱して牛脂を入れ、溶けてきたらを入れる。
③表面をさっと焼きつけ、蓋をして、表面は香ばしく、中は好みの加減に火を通す。
④蓋を取り、しめじを加えてさっと炒め、ししとうを添える。火を止めて落ち着かせる。
⑤牛肉を食べやすい大きさに切り分ける。


しっかりと土鍋に熱を行き渡らせてから肉を入れる


「圡楽窯」の商品が公式オンラインショップで購入できます

text: Discover Japan photo: Sadaho Naito
Discover Japan 2021年5月号「美味しいニッポントラベル」

 


《うつわ作家の食卓。》
1|土楽/福森 道歩
2|八田 亨
3|岩崎龍二
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