焼物を未来へ紡ぐ「zen to」からタブラ奏者・ユザーン、建築家・吉田愛監修によるカレー皿が登場。
日本有数の陶磁器の産地、長崎県波佐見町の窯業、中善のオリジナルブランド「zen to」(ゼント)から、タブラ奏者・ユザーン氏、建築家・吉田愛氏監修の「カレー皿」2種類が、2021年4月22日(木)より発売される。
1917年創業の中善は、江戸時代から続く波佐見焼の技術と精神を継承してきた。創業以来、中善は国内ブランドの製造に従事するなど裏方に徹してきたが、創業100周年を迎えたことを機に、肥前地区の技術とその可能性を次世代に伝えるべく、表舞台に立つことを決意し今に至る。
ブランドディレクターには、日本を代表する陶磁器デザイナーとして知られる阿部薫太郎氏を招聘。“多様な嗜好に応える、多彩な個性 ”をブランドコンセプトに掲げ、2020年に産声を上げたのが「zen to」。ブランド第一弾として、2020年8月にミュージシャン・小宮山雄飛氏、フード編集者・ツレヅレハナコ氏監修の「カレー皿」を発売。2020年は複数のクリエーターと協業し、順次「カレー皿」をリリース予定だったが、コロナ禍により当初の予定を変更し、2021年から再始動することになった。
ユザーン、吉田愛の発想を具現化するために
肥前の技術力を駆使
ベンガル料理(インドの西ベンガル州からバングラディッシュにかけた地域の郷土料理)に特化したレシピ本『ベンガル料理はおいしい』を監修し、自身のインスタグラムにおいて日々自作のカレーを更新するなど、カレー作りにおいても造詣が深い、ユザーン氏。
タブラ奏者
U-zhaan(ユザーン)
オニンド・チャタルジー、ザキール・フセインの両氏からインドの打楽器「タブラ」を師事。00年よりASA-CHANG&巡礼に加入し4枚のアルバムを発表。10年に同ユニットを脱退後、U-zhaan × rei harakamiとして「川越ランデヴー」「ミスターモーニングナイト」等をリリース。14年には初となるソロ名義のアルバム『Tabla Rock Mountain』を発表した。17年に蓮沼執太との共作アルバム『2 Tone』をリリース。2019年、ベンガル料理に特化したレシピ本『ベンガル料理はおいしい』を監修(著者は石濱匡雄)。2020年に36チャンバーズ・オブ・スパイスから発売されたレトルトカレー「ベンガリーマトンカレー」を石濱匡雄&ユザーン名義で監修している。http://u-zhaan.com/
ユザーン監修「仕切りが取れるカレー皿」
材質|磁器
サイズ|⌀270×H24mm
カラー|ターコイズブルー
価格|3960円
※仕切りは陶磁器製であり、スペースを完全に密閉するものではございません。予めご了承ください。
ユザーン氏よりコメント
1食ぶんをワンプレートに盛り付けられる仕切り付きのカレー皿をよく使っています。洗い物も少なくなって便利です。ただ、カレースペースが2ヶ所のものと3ヶ所のもののどちらにするかを購入時にかなり悩みます。3ヶ所あると嬉しいけれど、常におかずを3品も作れないし。
そんな悩みを解決する方法を思いつきました。仕切りをひとつ、着脱式にすればいいのです。いろいろ作った日は仕切りを付け、1種のカレー&付け合わせぐらいで済ませたい日は外す。磁器なので汁っぽいカレーとかだと完全な密閉はできないけれど、かなり活用できますよ。
そしてこの皿は、カレー多めが好みな人とライスをしっかり食べたい人のどちらにも対応できるようにもなっています。皿の前後を逆にするだけなんですが。
阿部薫太郎よりコメント
着脱式の仕切りつきカレー皿ということで2パーツが噛み合って完成となるため、体裁も考えつつ、何度か修正しこの形状になりました。仕切りが横にスライドしてしまわないよう細部の造形を微調整しております。仕切り部分の収縮と皿の収縮に差異があったことで複雑になったこと。ガラス質の釉薬ですので凹み部分により溜まって焼き上がってしまうこと。それらを考慮しながらの設計、生産となりました。
陶磁器デザイナー・エンジニア
阿部薫太郎(あべ・くんたろう)
1975年花巻市生まれ、大学院修了後、2000年 KONST FACK K&G(スウェーデン)に留学。2年間のタイ国陶磁器メーカー任務を経て2006年に帰国後、長崎県波佐見町を拠点とする。以降、陶磁器デザイナー、エンジニアとして国内外の企業、デザイナーとプロダクトを発表。2016年よりセルフメイドブランド「REDUCTION FACTORY」を展開。代表作に「HASAMI PORCELAIN」「common」「sabato」「ha porcelain」がある。
建築家として国内外の多くのプロジェクトに関わりながら、“会社と社会の健康”をコンセプトとした飲食店「社食堂」をオープン。オリジナルメニューとして開発した山椒キーマカレーは看板メニューとなり、現在はレトルトで販売するなど分野を横断して活躍する、吉田愛氏。
建築家・SUPPOSE DESIGN OFFICE 代表取締役
吉田愛(よしだ・あい)
1974年広島生まれ。2001年からSUPPOSE DESIGN OFFICE にて谷尻誠と共に建築設計業務に携わる。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設などのプロジェクトを手掛けるとともに、デザインタイド、ミラノサローネ Leceste などの会場構成インスタレーションや、ONOMICHI U2 などの商業空間、プロダクト開発などの設計、監修を多数手がける。2014 年SUPPOSE DESIGN OFFICE Co.,Ltd.を設立し、共同主宰に。各プロジェクトにおけるグラフィック、アート等のディレクションや空間スタイリング業務も自らで行うなど建築設計事務所の枠を超え様々な分野の領域を横断しながら新たな建築空間の可能性を模索している。最近では東京事務所に飲食業態「社食堂」や不動産屋「絶景不動産」を開業するなど活動の幅も広がっている。https://suppose.jp/
吉田愛監修「plate 245」
材質|半磁器
サイズ|⌀245×H32mm
カラー|ブラック、ホワイト、グレー
価格|3300円
吉田愛氏よりコメント
数年前に設計事務所内にキッチンを設け「社食堂」という食堂を始めました。お店の看板メニューとなるオリジナルカレーを考え始めてから、様式なんてものに捉われることなく無限の組み合わせで進化するカレーという小宇宙に魅了されました。そんな私が使いたいカレー皿とは、どんなカレーを盛り付けても“美味しい風景”を生み出し機能がデザインとなるニュースタンダードな形。鉄粉入磁土のマットな質感を残した底面と釉薬で仕上げた滑らかな質感のコントラスト。ソリッドな外側のカットに対しスプーンの形に沿う曲率を用いた内側の柔らかな曲線。自然な重なり具合が生まれるテーパーの角度によりスタッキングされたお皿自体がキッチンを美しく彩る要素になるよう設計しています。「見る、触る、盛り付ける、食べる、収納する」といった一枚のお皿にまつわる様々なシーンにおいて“用の美”を感じる、どんなお料理にも合い日常に豊かな表情を与えるお皿です。
阿部薫太郎よりコメント
図面やイメージをいただいた時点から使用時のシーンや収納時のシーンが浮かびましたので、比較的スムーズに制作できました。土や釉薬に少しニュアンスの出るものを使用していますので、1つずつ微妙に表情が異なるところを楽しんでいただければと思います。
それぞれのカレーを盛り付ける皿をメーカーとして作ってみたい。彼らの発想を肥前が培った技術力で具現化したい。そんな想いからzen toは両者に依頼をした。様々なタイプのカレーを受け入れ、食べることがより楽しくなる、そんなカレー皿とは?このような問いを繰り返しながら、彼らとの取り組みは1年以上にも及んだ。
中でもzen toが大切にしたのは、彼らが監修する意味とその価値。モノが溢れる現代において、中善が世に送り出すと決めた製品が、長く愛され、使い手の生活を彩るということ。こうして完成したカレー皿には両者のアイデアと想い、zen toの誇り高き技術力が結実している。
「仕切りが取れるカレー皿」「plate 245」発売詳細
発売日|2021年4月22日(木)
zen to オンラインショップ
http://www.hi-zento.jp/
セレクトショップ「ブリック&モルタル」
住所|東京都目黒区中目黒1-4-4
営業時間|12:00〜19:00
定休日|不定休
電話|03-6303-3300
アクセス|中目黒駅より徒歩5分
http://www.brickandmortar.jp/