FOOD

柏井壽が案内する定番の京都。
京都極みの麺15選|前編

2020.10.12
柏井壽が案内する定番の京都。<br>京都極みの麺15選|前編

京都はいわずと知れた麺天国。ぱぱっと食べたい麺、時間をかけてじっくり味わいたい麺……実にさまざまな表情の極上麺があなたを待っている。厳選の15種を紹介。

選・文=柏井壽
1952年京都生まれ。京都人ならではの目線を活かしたエッセイや旅行紀行文など著書多数。『鴨川食堂』(小学館)といった小説や小誌にて「逸宿逸飯」の連載、『日本百名宿』(光文社新書)といった著書も多数あり、京都はもとより宿の造詣も深い。

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奇をてらわない
奥ゆかしさが、京都の麺

京都で麺。意外な取り合わせに見えて、実は好相性なのである。うどん蕎麦は、そのだし汁の味を利かせるが、ラーメンやパスタまで含めれば、京都らしい歯ごたえを、ひとつの特徴を表すに至る。

パスタのゆで加減を表現するに「アル・デンテ」という言葉がある。この「デンテ」は「歯」のことなのだが、ここで京都の人口構成がポイントになる。

京都の街で目につくのは、元気な老人たちと、はつらつとした学生の姿。つまりこの両者に合わせた歯ごたえ、だし汁加減なのである。たとえばうどん。讃岐はいうに及ばず、浪速に比べても、その麺の軟らかさは独特のものがある。俗に「京の腰抜けうどん」と呼ばれるのも、むべなるかな。歯の弱ったお年寄りは、にこやかにこの、うどんをすする。一転してラーメン。こちらは血気盛んな学生の好みに合わせた。あらゆる地方から来た学生たちから多くの支持を集めるのは濃密な味わい。京都といえども、決して薄味ではない。

どの店も総じて、凝り過ぎないのが基本。奇をてらうことなく王道を歩む。老舗も、新たに開いた店であっても、〈こだわり〉をもちながら、それを声高に喧伝しないのが奥ゆかしい。たとえひと皿の麺であっても都流を貫く。

香り高いダシの旨みでさらり
ぎをん権兵衛の「きざみうどん」

880円

ふっくらした油揚げを短冊に切り、あっさりとだしで炊いた京うどんの定番がきざみ。九条葱と生姜も加わって、後口はさっぱり、身体はポカポカ。力強い旨みと香りのだしと、たおやかな柳腰の麺の相性も快い。

ぎをん権兵衛
住所|京都市東山区祇園町北側254
Tel|075-561-3350
営業時間|11:30〜20:00(L.O.)
定休日|木曜(祝日の場合は営業、前後に振り替え休)

土地の恵み溶け出す冬の滋味
大黒屋 本店の「鴨なんばんそば」

1580円

鴨が蓄えた脂と厚く肥えた白葱のぬめり、ふたつの甘みがとろけ出す、10月初旬〜4月上旬までの限定品。地元京都府の産地から直接仕入れる鴨肉は片面のみを焼きつけて、肉の旨みとだしに溶け出す旨みを両立。

大黒屋 本店
住所|京都市中京区蛸薬師通木屋町西入ル南車屋町281
Tel|075-221-2818
営業時間|11:30〜21:00(L.O.20:45)
定休日|火曜(祝日の場合は営業)
www.daikoku-ya.jp

ダシとスパイスの濃厚二重奏
めん房やまもとの「あげカレーうどん」

730円

スパイシーな香りの後から、濃く力強いダシの旨みが追いかけてくる。自慢のつゆの味を支えるのは、利尻昆布と自店で削りたてのウルメ・サバ・メジカ節。細切りの揚げと葱にもよくからみ、ボリュームも満点。

めん房やまもと
住所|京都市中京区新町通四条上ル東入ル観音堂町473
Tel|075-255-0856
営業時間|11:00〜20:00、土曜11:00〜14:00
定休日|第3土曜、日曜・祝日
http://menbo-yamamoto.biz

香りで味わう二重化けたぬき
上七軒ふた葉の「たぬきそば」

650円

京都でたぬきといえば、きつねのダシがとろりとあんかけに化けたもの。さらにここふた葉では、麺が茶蕎麦と二重の化けぶり。甘辛い揚げからジュワッと染み出す旨みとだしの風味に、お茶と生姜の香気が重なる。

上七軒ふた葉
住所|京都市上京区今出川通七本松西入ル真盛町719
Tel|075-461-4573
営業時間|11:00〜19:00(L.O.18:30)
定休日|水曜(25日の場合は営業、翌日休み)
www.futaba-kami7ken.com

ほろりとさせる家庭的な滋味
相生餅の「五目中華そば」

750円

あっさり和風の醤油スープの中に、キャベツやモヤシ、ニンジン、ネギなどたっぷりの野菜と、むきエビ、豚肉。野菜から出た淡い甘みがストレート麺を優しく包む、懐かしい味だ。卵を崩せばさらにまろやかに。

相生餅
住所|京都市北区小山北大野町68-14
Tel|075-492-4833
営業時間|11:00〜20:00
定休日|金曜

単純にして無比の味と温もり
おかるの「あんかけうどん」

680円

熱々の温度とダシをシンプルに味わう、底冷えの京の冬が生んだ逸品。つやつやと透き通り、べっ甲色に輝く餡かけダシの旨みの源は、利尻香深の一等昆布。赤ん坊のほっぺのような、柔らかな麺にとろりとからむ。

おかる
住所|京都市東山区八坂新地富永町132
Tel|075-541-1001
営業時間|11:00〜15:00、17:00〜翌2:30、金・土曜〜翌3:00
定休日|なし

ふと食べたくなる、日常の味
萬福の「中華そば」

650円

鶏ガラと魚介のサラッとしたスープに、昔懐かしい色と食感のストレート麺。チャーシュー、メンマ、青葱とシャキシャキ食感のモヤシが心地よいアクセントとなって、週に何度も訪れる常連客も飽きさせない。

萬福
住所|京都市下京区四条通室町西入ル鶏鉾町474
Tel|075-221-4712
営業時間|11:30〜15:00(L.O.)、18:30〜24:00(L.O.)、土曜〜22:00(L.O.)
定休日|日曜、祝日

つくり手の変わらぬ姿勢が、この一杯を神髄と呼ぶ
殿田の「たぬきうどん」

500円

刻んだ油揚げとネギが入ったあんかけうどんを、京都では「たぬきうどん」と呼ぶ。京都の街中のうどん屋ならば、どこでも食べられる「京都の定番」といえる麺だが、殿田のそれは至高ともいえる。

殿田
住所|京都市南区東九条上殿田町15
Tel|075-681-1032
営業時間|11:30頃〜18:00頃
定休日|なし

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text : Hisashi Kashiwai, Discover Japan photo : Akane Yamakita
text : Aya Sakamoto(Arika Inc.) photo : Masaki Hashimoto

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