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壱岐島のローカル美食旅
ひと口すすって感動の内海うどん!

2020.8.17
壱岐島のローカル美食旅<br>ひと口すすって感動の内海うどん!
内海うどん
名物の「長寿牡蠣」のほか、鰹や昆布、にぼし、シイタケの旨みが凝縮した「長寿牡蠣だし」を使ったスープは、飲み干せるほどやさしく滋味深い。貝柱、あおさ入り。500円

日本各地で出合う美味しい食べ物。美食を求めて旅に出る人も多いのではないでしょうか。食通の方々にわざわざ食べに行きたい名店を紹介してもらう《ローカル美食旅》。今回は『RiCE』編集長の稲田浩さんに長崎県・壱岐島の美味しいお店を伺いました。

稲田 浩(いなだ・ひろし)
大阪府出身。フードカルチャー誌『RiCE』創刊編集長。ロッキング・オン社で『BRIDGE』や『H』の創刊に携わり、『CUT』、『rockin’on』の副編集長を務める。同社を退社後、『EYESCREAM』の創刊編集長を12年務め、2016年に独立

長崎県の離島、壱岐島は日本最古の歴史書『古事記』の「国生み神話」で5番目に誕生したと記されている歴史のある島。島内に1000を超える神社や祠が点在し〝神々の宿る島〟といわれています。

その神話にインスパイアされたさまざまなアーティストの作品を掲載する壱岐島限定流通のカルチャー雑誌『COZIKI』を2年前からつくっていて、10回以上現地に訪れていますが、この島はとにかく魅力がすごく多い。食だけでも玄界灘の魚介をはじめ、ブランド牛の壱岐牛のほか、麦焼酎発祥の地で、作付面積が長崎で2番目に大きい米処でもあります。

『COZIKI』
マンガや写真、イラスト、小説など、壱岐を舞台に現代の新たな神話を創作する漫画カルチャー雑誌。年2回発行

訪れるたびに発見がある壱岐の食の中で、とりわけ心に響いたのが「カキハウス内海湾」のうどん。内海湾岸沿いにあるセルフBBQスタイルの牡蠣小屋で、牡蠣をはじめとした魚介も美味しいのですが、なにげなく〆に頼んだ内海うどんをひと口すすったら「なんだこれ!」って。貝のエキスが凝縮した濃厚な出汁に衝撃を受けました。誰を連れていっても皆一様に感動いただけるので、ぜひ現地で食べてほしいですね。

壱岐島旅のおすすめコースは、芦辺港に着いたら、まず精肉店兼焼肉店の「うめしま」でヒレステーキを食べてほしいですね。そこから車で15分ほどのところにある「博物館」では、約8分の映像で弥生時代の壱岐島の様子が紹介されていて、島を一望できる展望室もあるのでおすすめです。そこから島をぐるりと回って勝本港から遊覧船で行く辰ノ島も外せません。エメラルドグリーンの海と白砂のビーチは日本と思えないほど美しい。

殻付き牡蠣
「日本のモン・サン・ミシェル」と呼ばれるパワースポット、小島神社のふもとで育てられた「長寿牡蠣」は、臭みがなく濃厚な味わい。11〜4月がベストシーズン。1㎏ 1000円

宿で推したいのは「平山旅館」。ここは女将さん自体がパワースポットといわれていて(笑)、1500年以上の歴史のある温泉も素晴らしいですが、夕食がすごい。島で捕れた新鮮な魚介や自家栽培の無農薬野菜、壱岐豆腐など地料理をこれでもかってくらい出してくれて、何を食べても美味しいです。外食するときは壱岐市役所近くの「まる辰」や「角丸」で飲んで、「髭」のラーメンで〆ることが多いですね。

ほかにも、イルカと触れ合える「壱岐イルカパーク」や、秋冬限定の銘菓「アルプス」、自家製ジャムが有名な「下條くだもの店」、景勝地では夕景が美しい「鬼の足跡」や「猿岩」など見どころもたくさんあります。

博多から毎時フェリーが出ていてアクセスも抜群にいいので、ここにしかない豊かな非日常体験を楽しんでみてください。

カキハウス内海湾
島で捕れたプリプリの長寿牡蠣からサザエ、アワビ、貝串、肉などをセルフサービスの炭火炉端焼で楽しめる。
住所|長崎県壱岐市芦辺町諸吉南触111-2
Tel|090-8417-5222
営業時間|11:00〜23:00(17:00以降は要予約)
定休日|水曜

味処 うめしま
1カ月で約40頭しか出荷されない壱岐牛がリーズナブルに味わえる牧場直営店。ヒレステーキセット3980円。
住所|長崎県壱岐市芦辺町箱崎中山触2604-86
Tel|0920-45-3729
営業時間|11:30〜14:30(L.O.)、17:30〜21:30(L.O.)
定休日|水曜

一支国博物館
島の歴史を楽しく学べる。島内の遺跡から出土した2000点の資料展示とともに、CG映像など斬新な演出が人気。
住所|長崎県壱岐市芦辺町深江鶴亀触515-1
Tel|0920-45-2731
営業時間|8:45〜17:30(入館は30分前まで)
料金|410円
定休日|月曜(祝日の場合は翌日休)

壱岐イルカパーク&リゾート
天然の入り江にある海浜公園。イルカと触れ合える体験プログラムのほか、手ぶらBBQ、SUPなども満喫できる。
住所|長崎県壱岐市勝本町東触2668-3
Tel|0920-42-0759
営業時間|9:30〜17:30
料金|500円
定休日|なし

味処 角丸
壱岐食材にこだわる和食店。壱岐牛、魚介、パスタなど豊富な料理と、壱岐の焼酎全7蔵飲み比べもぜひ。(1500円)
住所|長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦9
Tel|0920-47-3733
営業時間|17:30〜23:30(L.O.)
定休日|不定休

御食事処 まる辰
地元民が集う和食割烹。『ミシュランガイド』掲載のイカの活きづくりなどのほか、郷土鍋「ひきとおし」も絶品。
住所|長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦47
Tel|0920-47-6607
営業時間|17:00〜23:00
定休日|日曜

居酒屋 髭
郷ノ浦の居酒屋。「豚骨ベースで鶏ガラ出汁も利いたラーメンは〆に最適。小鉢のとろろでつけ麺にしても旨い」。
住所|長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦25
Tel|0920-47-0388
営業時間|20:00〜26:00
定休日|日曜

奥壱岐の千年湯 平山旅館
湯本温泉を代表する老舗旅館。100%源泉かけ流しの子宝の湯や壱岐の恵みがまるごと味わえる食事が名高い。
住所|長崎県壱岐市勝本町立石西触77
Tel|0920-43-0016
料金|1泊2食付1万6650円〜(税・入湯税込)
室数|8室

下條くだもの店
勝本浦にある果物店。旬の果実のジャムは年間約40種類。「ここでしか買えなくて、お土産で必ず喜ばれます」。
住所|長崎県壱岐市勝本町勝本浦192
Tel|0920-42-0231
営業時間|7:00〜20:00
定休日|なし

1泊2日のおすすめルートを紹介!

1日目
羽田空港
↓ 飛行機 110 min.
福岡空港
↓ 電車 20 min.
博多港(千代県庁口駅)
↓ 高速船 65 min.
芦辺港
↓ 徒歩 3 min.
味処 うめしま
↓ 車 15 min.
一支国博物館
↓ 車 30 min.
勝本港
↓ 船 10 min.
辰の島
↓ 船 15 min.
勝本港
↓ 車 10 min.
壱岐イルカパーク&リゾート
↓ 車 30 min.
味処 角丸
↓ 徒歩 2 min.
御食事処 まる辰
↓ 徒歩 2 min.
居酒屋 髭
↓ 車 15 min.
平山旅館

2日目
平山旅館
↓ 車 11 min.
下條くだもの店
↓ 車 22 min.
カキハウス内海湾
↓ 車 12 min.
芦辺港
↓ 高速船 65 min.
博多港

壱岐観光のことなら!
壱岐市役所
景勝地、アクティビティ、食などのほか、特集記事も充実しているので旅の前にウェブサイトをチェック。
住所|長崎県壱岐市郷ノ浦町本村触562
Tel|0920-48-1130
https://www.ikikankou.com/

text: Ryosuke Fujitani illustration: Honoka Yoshimoto
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」

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