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奈良《油長酒造》
里山の風景を100年先へつなぐ酒造り
中編|持続可能な酒造りを目指すコミュニティ

2026.4.16
奈良《油長酒造》<br>里山の風景を100年先へつなぐ酒造り<br><small>中編|持続可能な酒造りを目指すコミュニティ</small>

ただ酒を造るだけではない。背景にある里山を想い、100年先までその風景をつなげるために。油長ゆちょう酒造は棚田の中に酒蔵を新設し、農家や酒販店、消費者も巻き込んで、持続可能な取り組みに着手した。

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農家の収入も上げる
新しいサイクルを確立

持続可能な酒造りを目指す、“風の森里山コミュニティ”
農家の収入を高め、里山を100年先までつなぐために創設された仕組みが“風の森里山コミュニティ”。農家、酒蔵、酒販店、消費者がお互いの理解を深め、共生していくことで、里山を支える人を増やしていくことを目指す

里山の風景を残すことは、棚田や農業を守ること。つまり、農家が米づくりに励める環境を整えることが前提となる。そのために、山本さんは農家の収入を高める「風の森里山コミュニティ」という独自の仕組みを導入した。

米のオーナーである酒販店は、酒の味わいだけでなく、その背景にある農家の想いや里山の魅力も余すことなく伝えることができる

「酒販店は酒蔵からお酒を仕入れるのが一般的ですが、直接農家から米を購入してもらい、それを私たちがお酒にし、再度酒販店に買ってもらいます。お米の価格を市場より高めに設定することで、その分農家の手取りも増える。酒販店が米のオーナーになることで当事者意識が芽生え、自分の言葉で『S風の森』、ひいては里山の魅力を消費者に伝えることができるのではと思っています」

酒販店と契約を交わし、農家が米を生産。現在、杉浦さんを筆頭に50代から80代の契約農家が秋津穂づくりに取り組んでいる

さらに1本売れるごとに50円がNPO法人に寄付されるため、消費者も、飲みながら葛城山麓地区を応援することができる。
「日本酒を楽しむことは、日本の原風景を守ることにつながります」。

100年先まで美しい里山を残すため――。果敢に取り組む山本さんの取り組みは、地域と酒蔵の新たな関係性、広がりを感じさせる。

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農家から預かった米を、山麓蔵にて「S風の森」に醸造。出来上がった酒は、米を購入した酒販店の元に納品される

 

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《油長酒造》
里山の風景をつなぐ酒造り

01|“酒蔵”が地域創生に取り組む理由とは?
02|持続可能な酒造りを目指すコミュニティ
03|御所を盛り上げている名店

text: Misa Hasebe
2026年2月号「地域を変える企業」

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