渋谷パルコ《釜定展》
伝統の技とモダンな意匠を兼ね備える
現代の食卓に馴染む“南部鉄器”
100年以上の歴史をもつ南部鉄器の老舗「釜定」。伝統的な技と現代的な感性が融合した鉄製品は、使うほどに味わいが増す。東京渋谷パルコにて2026年2月7日(土)~2月11日(水)にかけて開催される「釜定展」。時代を超えて愛され続ける名品を食卓に。
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を2026年2月10日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
釜定3代目 宮 伸穂(みや・のぶほ)
1952年、岩手県生まれ。東京藝術大学大学院修了。フィンランドでの経験を生かした、シンプルでモダンな作品が特徴。
一生ものとして手に入れたい釜定の鉄製品

重厚で保温性に優れた南部鉄器は、いまや海外でも人気。数ある鉄器の中でも「釜定」のそれは、現代のライフスタイルに寄り添う洗練されたデザイン性が高く評価されている。1908年創業。初代・宮定吉が、前身となる鉄器工房「宮鉄瓶店」を岩手県盛岡市に開いたのがはじまりだ。
「当初は伝統的な鉄瓶を制作していました。その後、1930年に私の父である宮昌太朗が2代目として家督を継ぎ、デザイン性と量産性を両立させたクラフト鉄器を提案。いまの釜定のベースとなるスタイルを確立させました」と語るのは、3代目の宮伸穂さん。

多岐にわたる調理が可能なワンハンドパン。シャープな印象のシャロウパンは、鉄の鋳肌の特徴を生かした温もりのある風合い
伸穂さんが工房を継いだのは1977年のこと。美術大学を卒業・修了後、デザイン視察のためにフィンランドを訪れた経験が、現在の鉄器づくりに影響を与えている。
「1カ月ほどの滞在中に、北欧デザインの精神を学びました。デザインは単なるスタイルではなく、その背景にある自分の国や地域のことを熟知した上で、オリジナリティを出すことが大切だと」
帰国後、日本の伝統や文化を学び直した伸穂さんは、釜定らしさを残しつつ、北欧のエッセンスを加味した鉄鍋を生み出した。それが洋鍋だった。

「50年前のことです。当時は高度経済成長期で、大量生産・大量消費が当たり前でした。そのため、きちんと手入れをすればずっと使い続けられる“一生もの”の鉄鍋は、その頃の消費者の心にはあまり響かなかったようです」
その後、時代とともに本質的な価値観が見直されるようになったことなどを機に、洋鍋の人気は上昇。釜定の顔として定着した。

持ち手は鍋の穴に差し込むだけのシンプル設計で、調理や持ち運び時もスムーズに着脱できる。料理に合わせて使い分けできる3サイズ展開。洋鍋(中)は1万5950円
無駄を省いたシンプルな鍋は、木製の持ち手がアクセント。黒と茶のコントラストがモダンな印象だ。熱伝導率が高く保温性にも優れているため、煮込み料理に最適。ステーキや野菜ソテーもジューシーに仕上がる。持ち手をスッと外せばうつわとしても機能。調理後、そのままテーブルに置いても絵になる。同時期に誕生したワンハンドパンやシャロウパンは、縁の高さや持ち手の長さが絶妙で、細部までこだわり抜いている。
「形状や使用感など、あらゆることを考慮し、理解した上でかたちにしています。急速に変化する時代の中でも、生活に潤いを与える鉄器を提供できたら、うれしいですね。ぜひ実際に手に取り、鋳肌の温もりを感じてみてください」
商品ラインアップ

洋鍋(大)
2人以上、もしくは大人数のもてなし料理にも重宝する。煮る、焼く、炒める、持ち手を外してオーブン料理にも。

洋鍋(小)
1~2人分にちょうどいいサイズ感。おつまみのようなちょっとした前菜をつくったり、深めのうつわとしての利用も◎。

ワンハンド(S)
さまざまな調理シーンで使える小サイズのフライパン。アヒージョなど、パパッとつくってそのまま食卓に並べてもすてき。

ワンハンド(L)
高い熱伝導率と蓄熱性により、炒め物はシャキシャキに、ステーキはジューシーに仕上がる。高さがあるので煮込みにもOK。

シャロウパン
直線的な持ち手と本体の円のバランスが絶妙。シャロウ=浅いフライパンは、パンケーキやお好み焼きなど、汁気のない料理に。
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公式オンラインショップ
釜定展
会期|2026年2月7日(土)~2月11日(水)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Misa Hasebe photo: Yuko Okoso
2026年2月号「訪ねる建築暮らす建築」


































