建築家・堀部安嗣がおすすめする
見ておきたい木造建築

「木を知りたいのなら、空間で体感するのが一番。特に宿泊してみると、きっとよくわかるはず」
そう語る堀部さんがすすめるみておきたい木の空間をご紹介！

堀部安嗣（ほりべ やすし）
建築家。1967年、神奈川県横浜市生まれ。1994年、堀部安嗣建築設計事務所を設立。2016年、「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞（作品）を受賞。著作に『堀部安嗣作品集Ⅱ 2012〜2019 全建築と設計図集』（平凡社）ほかがある。

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静岡・下田《清流荘》

「木特有の香りや肌触り、調湿作用を味わえる空間としては、サウナが浮かびます」と堀部さん。本場フィンランドでも体験しているが、国内であれば、下田「清流荘」の薪焚きサウナが一番だという。

清流荘にあるフィンランド式本格薪焚きサウナは、ラップランド地方の湖沼で立ち枯れた、「木の宝石」と呼ばれる最高級サウナ材ケロを使い、本場の職人がつくり上げた。

清流荘
住所｜静岡県下田市河内2-2
Tel｜0558-22-1361
https://www.seiryuso.co.jp/

沖縄《中村家住宅》

沖縄の伝統的な民家「中村家住宅」については、「軒が低く、頭を垂れているような佇まいに惹かれます。自然を征服するのではなく、自然に屈するといった琉球的な生きざまの表れが、あの気品に結び付いていると思います」

沖縄県北中城村にある中村家住宅は、18世紀中頃の築。門と母屋の間には、防風や目隠しなどの役割をもつ壁「ヒンプン」がある。強風を受け流せるよう、屋根は寄棟になっている。

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中村家住宅
住所｜沖縄県中頭郡北中城村字大城106
https://www.nakamurahouse.jp/house/

text: Shiori Kitagawa
2025年9月号「木と生きる2025」