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市制20周年を迎えた
淡路市の「まちづくりと観光」
歴史と文化を未来へつなぐ【後編】

2025.9.10 PR
市制20周年を迎えた<br>淡路市の「まちづくりと観光」<br>歴史と文化を未来へつなぐ【後編】

関西圏から抜群のアクセスを誇る瀬戸内のリゾートアイランド、淡路島。その玄関都市であり、美しい自然と歴史に彩られた淡路市で市政発足時から進化を止めないまちづくりに迫った。

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震災の歴史を学び、理解を深める。

市制20周年を迎えた2025年は、阪神・淡路大震災から30年という節目の年でもある。記憶を風化させないためにも、関連施設をあらためて訪れておきたい。

「野島断層保存館」では、生垣のずれや地割れといった地形の変化を震災当時のまま保存。地面を掘り下げたトレンチ展示も。

震源となった旧北淡町ほくだんちょうは、現在の淡路市北西部に位置する。その地にたたずむ震災遺構が「野島断層保存館」。地震で出現した野島断層をありのままに保存した展示は、災害への備えを強く意識させてくれる。

その隣に2025年3月、自然体験型ミュージアム「AWAJI EARTH MUSEUM」がオープン。体験プログラムやワークショップを用意するほか、併設のカフェでは地層や粘土をイメージしたオリジナルメニューを展開。2カ所を合わせて訪れることで、震災の歴史を学ぶと同時に、表情豊かな島をかたちづくってきた自然への理解がより深まりそうだ。

「AWAJI EARTH MUSEUM」ランチメニューのパスタは、自家製パンや新鮮野菜のビュッ フェ付きで1800円。パスタは一番人気「ドロっとチーズソ ースの淡路島ナポリタン」など7種類から選べる

海や大地の恵みと人々の営みが、独自の文化を紡いできた淡路市。記念すべき “二十歳”を迎えた今年、戸田敦大市長が市政のバトンをしっかりと受け取り、次のフェーズに向けて走り出したばかり。訪れる人にも暮らす人にも豊かな循環をもたらす地域づくりは、未来へと確かにつながっている。

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〈震災の記憶をつなぎ交流を育む施設〉

淡路市の文化を五感で学ぶ、
自然体験型ミュージアム

「AWAJI EARTH MUSEUM」

「北淡震災記念公園」内の旧物産館と、隣接する更地をリデザインして誕生。土をイメージした明るいブラウンの外観が、瀬戸内らしい青空に映える

カフェやショップなどを擁する屋内施設と隣地の公園エリアが一体となった、自然体験型ミュージアム。建築資材には淡路島のさまざまな自然資源をアップサイクルするなど、循環型のリジェネラティブな社会モデルを提案する。

住所|兵庫県淡路市小倉173-3 北淡震災記念公園内
Tel|0799-64-7088
営業時間|ショップ9:00~17:00、カフェ9:00~ 16:30(L.O.16:00)※ランチは11:00~13:30
定休日|不定休
https://awaji-earth-museum.com

震災の生々しい爪痕を保存し、後世に伝える
「北淡震災記念公園 野島断層保存館」

神戸市長田区で倒壊と消失を免れた「神戸の壁」を移設展示

断層の一部を約140mにわたって保存し、地形の変化を伝える「断層保存ゾーン」、活断層の真横でもほとんど壊れなかった家「メモリアルハウス」、VR地震体験コーナーがある「震災体験館」など、さまざまな展示や設備で地震の脅威を体感できる。

住所|兵庫県淡路市小倉177
Tel|0799-82-3020
営業時間|9:00~17:00
料金|大人730円、高中生310円、小学生260円
定休日|12月に臨時休館あり
www.nojima-danso.co.jp

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市制20年を迎えた淡路市の未来予想図、
戸田市長はどのように描いていますか?

淡路市の強みのひとつは、何といっても都市部への近接性です。私自身、明石海峡大橋たもとの岩屋にある実家から、高校は明石、大学は神戸へ通学していました。淡路市に住むという価値をさらに高めるために、子育て支援を進め、ゆくゆくは明石海峡大橋の島民無料化も実現したいですね。

淡路市長 戸田敦大さん
1985年生まれ、淡路市(旧淡路町)出身。大学卒業後一般企業勤務を経て淡路市議を務め、2025年4月に淡路市長選挙に出馬。初当選を果たす。3児の父。趣味は合気道とランニング

島外から年間1000万人もの方に来ていただけるようになった昨今、観光と経済の観点から地域内経済循環が課題となります。観光で生まれた利益が地域の中で2回転、3回転とする仕組みをつくっていきたい。たとえば観光をひとつの要因として交通渋滞が発生した場合、インフラを整備することで渋滞の緩和につながり、経済も循環します。人口の減少も避けて通れない問題ですが、目指したいのは縮小でなく「縮充」。市民一人ひとりがより豊かに生活でき、経済も強くなるまちづくり。20年の振り返りと、主役である市民の皆さんとの対話を重ねながら、あらゆる施策をとっていきたいと思っています。

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《淡路市の主な出来事》

1995年 阪神・淡路大震災発生
2005年4月 淡路市誕生
2010年 市民憲章を制定
2014年 明石海峡大橋の料金大幅値下げ
2015年 市制10周年
2017年 市民歌「輝く淡路市」制定
2019年 夢舞台こども園完成。
トラック協会などとの災害協定を締結
2022年 野島断層が世界地質遺産に認定
2025年 市制20周年

淡路市の観光まちづくり
前編|文化を継承した新たな観光拠点
後編|震災の歴史を残し未来へ紡ぐ淡路市のこれから

text: Aya Honjo photo: Kousaku kitajima
2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。/九州」

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