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京都人が本当におすすめする店6選
今日からあなたも京都ツウ!?

2019.10.11
京都人が本当におすすめする店6選<br>今日からあなたも京都ツウ!?

京都で生まれ育った生粋の京男・京女たち。本当に”いいもの”、”美味しいもの”を知る彼・彼女たちが太鼓判を押す店を紹介。京都をとことん味わうなら、各界で活躍するみなさんのおすすめを参考にしてみてはいかがだろう。

〜教えてくれた人〜

内藤恭子さん
京都出身の編集者・ライター。共著『京都を買って帰りましょう。』(枻出版社)をはじめ、ジャンルを問わずつくり手の取材を数多く手掛ける。作家作品などを紹介するショップ「好事家白月」も主宰する。

葵太夫さん
2歳半で太夫の世話をする禿(かむろ)、12歳で太夫の見習いの振袖太夫に。タレントや地下アイドルの活動のかたわら修業を続け、2014年母の司太夫が嶋原に開いた置屋「末廣屋」からデビュー。

稲岡亜里子さん
創業550年超の蕎麦老舗「本家尾張屋」16代目当主。1999年にNYの美術大学を卒業後、写真家に。2011年に帰国し家業も継ぐ。

原田 雅史さん
1934年創業、ウインナーコーヒーが名物の純喫茶「築地」の3代目店主。初代の祖父がデザインした調度品に囲まれた、クラシカルな店を2001年から担う。

内藤恭子さんおすすめ
「松屋藤兵衛」の珠玉織姫

大徳寺のすぐそばに店を構える「松屋藤兵衛」といえば、紫野松風が有名だ。松風は味噌の力で生地を膨らませたカステラのような菓子で、お茶会でもおなじみの名品。これもぜひ、食べていただきたい銘菓だが、私がお土産にも買い求めるのが珠玉織姫だ。

砂糖をすり蜜状にし、米粉を混ぜてつくる干菓子なのだが、意外と甘さも控えめ。中がほどよく軟らかい食感が独特の歯触りで、食べだすと手が止まらなくなる。乾燥の調節だけで、このしっとり加減を生み出すため、天候に左右されるデリケートな珠玉織姫さま。姫さまだけに、お姿も小さくて愛らしい。店が位置するのは、西陣織で有名なエリアに近いこともあり、白、赤、黄、青、茶と糸玉をイメージしているそう。

松屋藤兵衛
住所:京都市北区紫野雲林院町28
Tel:075-492-2850
営業時間:9:00~18:00
定休日:木曜(祝日営業、水曜不定休あり)

内藤恭子さんおすすめ
「ちんぎれや」のがま口

ここは古裂の専門店。古裂はいわば布の骨董品で、美術館に並ぶような江戸時代以前の貴重なものから、明治や大正時代のものまで扱っている。かつての特権階級が愛用した小袖や、南蛮船で運ばれてきたものなど柄や種類も豊富。しかも、現在の織機や材料では再現できない生地がほとんどだそう。

ちんぎれや
住所:京都市東山区縄手通三条南入ル元町372-1
Tel:075-561-4726
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし

葵太夫さんおすすめ
乙文の「お昼ごはん」

「お昼ごはん」。お造りに炊き合わせ、出汁巻き・焼魚などの取り肴、赤だし、香の物、ご飯にフルーツも付いて1728円。 初代から受け継ぐという出汁巻きをはじめ一品一品しっかり出汁の味が染み、それでいて上品な後口。

公家や大名がかつては足繁く通ったという花街・嶋原。ここで幼い頃からお座敷を務める葵太夫に案内してもらったのは、嶋原大門近くに佇む「乙文」。嶋原のお茶屋への仕出しを一手に担う会席料理店だ。
「子どもの頃から家族ぐるみで仲ようしてもうてて。娘さんは一緒に禿もしてたんです」

そんな葵太夫の一番のお気に入りは「お昼ごはん」。会席の品々が少しずつ集うような、目にも美しい膳には、折々の旬の魚や野菜が丁寧な仕事を施され、盛り込まれている。創業は1946年頃。寿司の名店「乙羽」より独立した初代から引き継ぐ昔ながらの手づくりで、添加物は一切使わず素材の滋味を引き出す。

乙文(おとぶん)
住所:京都市下京区花屋町通壬生西入ル薬園町158
Tel:075-351-2792(要予約)
営業時間:11:00〜19:00(L.O.)
定休日:水曜・第3木曜

畑 元章さんおすすめ
Bistro l'est「自家製ソーセージ 盛り合わせ」

「自家製ソーセージ 盛り合わせ」。右から若鹿肉、豚肉、生クリーム入りのブーダンブラン。 豚より皮の薄い羊の腸に詰めているため軽やかな口当たりで旨みがじわり。 付け合わせは酢の利いたさっぱりしたレンズ豆のサラダ。1400円。

ああ、また食べたいなと思う一番の店、と畑さんが語るのは、岡崎近くのビストロ レスト。オーナーシェフ・萬木卓也さんの味に出合ったのは約5年前。

アラカルトの中から、畑さんがほぼ毎回メインに選ぶのが「自家製ソーセージ」だ。
「数種から3つ選ぶのですが鹿肉があれば必ず。クリスマスの時のトリュフ入りも美味しかった」

ビストロ レスト
住所:京都市左京区東門前町503-4
Tel:075-771-8894
営業時間:15:00〜22:00(L.O.21:00)
定休日:月曜(祝日の場合は火曜)

稲岡亜里子さんおすすめ
Farmoon 「野菜料理」

「野菜の一品」。賀茂ナスと園部トマトのグリルに、刻んだ葉唐辛子や一休寺納豆、酸辣油などのスパイシーなソースがかかる。 うつわは、オスマン帝国時代につくられたというトルコのアンティーク錫製。

蕎麦老舗を率いつつ、世界を舞台に写真家としても活躍する稲岡さんが教えてくれたのは、銀閣寺近くの住宅街に佇む「ファームーン」。友人でもある料理家・船越雅代さんのオープンスタジオで、昼はカフェ、夜は紹介制のプライベートレストランとなる。夜のメニューは、ゲストの好みに応じて組み立てていくという。この日は、野菜好きの稲岡さんのために、賀茂ナスや園部トマトなど、京都近郊で栽培された自然農法の野菜を使ったひと皿が供された。

Farmoon(ファームーン
住所:京都市左京区北白川東久保田町9
Tel:非公開
営業時間:12:00〜17:00(L.O.16:30)夜は紹介制
定休日:月〜水曜
www.instagram.com/farmoon_kyoto

原田 雅史さんおすすめ
H du Pont「イカ墨のパエリア」

「イカ墨のパエリア」。みじん切りのイカ、エビ、鬼アサリを米と炊きイカ墨を投入、ニンニク、パセリに5種のスパイスで風味豊かに仕上げる。2人前2400円。ジノリの皿に銀製カトラリーで。奥はテキーラサンライズ。

喫茶店主・原田さんの20年来のなじみの店は地中海料理の「アッシュ デュ ポント」。ドアを開ければ、酒瓶がずらりと並ぶバー風のカウンターが迎えてくれる。店主の明石泰典さんはかつて雑貨買い付けの仕事でたびたび渡航。フランス、スペイン、イタリア、ポルトガルなど地中海沿岸を食べ歩いて1995年に創業した。「酒好きで、この素晴らしいワインに合う料理は? と考えはじめたのが原点です」と明石さん。

H du Pont(アッシュ デュ ポント)
住所:京都市中京区先斗町通三条下ルA橋下町133-1 エメラルド会館1F
Tel:075-255-4577
営業時間:18:00〜翌2:00
定休日:火曜、月1回水曜休

京都出身の目利き人たちが選ぶお土産やレストランは、どれもこだわりがあって素敵な店ばかり。いい出会いは、京都の旅をもっと楽しくしてくれるはずだ。

Discover Japan vol.83『みんなの京都、ナイショの京都』
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