職人にとってのすべてが揃う町、和歌山県中辺路町
チャレンジ精神が止まらない一人の職人
あたりを山々に囲まれた場所にある中辺路町西谷という地区の、標高200mほどの丘の上に住居兼工房を構えているのが、2012年に京都から移住してきたサンドブラスト職人の石田貴志さんです。
以前は京都の造形会社に勤務していた石田さん。企画から制作までを一人でやってみたいという意欲から移住を決め、自らのブランド「BAS Fronti」を設立しました。「独立するなら都会よりも田舎暮らしがよかった。あとは工房がつくれるところを探して、ここにたどり着きました」と石田さん。当初はネット販売を考えていたそうですが、住みはじめて間もなく、近所のお寺の和尚さんや熊野古道にある宿の主人など、地元のさまざまな人との交流が増え、地域の仕事も広がっていきました。
「地元との交流はもちろん、自分から外へどんどん仕掛けて、新しいことにチャレンジしていきたいですね」。生活環境のよい場所で、家族と子どもの成長を見守りながら生活する石田さん。移住して隠居するのではなく、あくまでも前進の姿勢をくずさずに日々を過ごしています。