〈2026〉アドベンチャーツーリズム
5つの注目キーワード
|地域の暮らし・自然を体験する旅へ
アドベンチャーツーリズム(AT)の「量」から「質」への転換が本格化。また2026年秋には、中国地方(山陰~瀬戸内エリア)を舞台に「アドベンチャーウィーク」の開催が予定されるなど、広域連携によって地域の物語を「面」でひも解くスタイルが新たなトレンドとなっている。
日本アドベンチャーツーリズム協議会 事務局長
大澤幸博(おおさわ ゆきひろ)
観光関連団体や教育研究機関、観光業界企業とともに、日本におけるアドベンチャーツーリズムの認知向上と普及、人材育成などに努めている。
アドベンチャーツーリズムは
国の重要政策として推進されています!
2026年春、2030年までの観光の方向性を示すロードマップ「観光立国推進基本計画」の第5次計画が閣議決定された。計画の中でATは、インバウンドの戦略的な誘客と地方での消費額拡大を実現するための重要な施策のひとつとして位置づけられている。日本が目指す姿について、「観光庁」観光資源課の米田舜さんに話をうかがった。
「ATを重視する背景にあるのは、これまでの『数』を追いかける観光から、『質』を重視する観光への転換です。地域の真の魅力に触れ、高付加価値な体験を提供するATを通して、観光と住民生活とが両立する持続可能な観光を目指します」

第5次計画では、単に資源を活用するだけでなく、高付加価値な体験を支えるガイド人材の育成や、地域資源をコンテンツとして磨き上げるための支援などを明記。自然・文化などの地域資源活用や海外発信などについて、環境省、文化庁、日本政府観光局(JNTO)をはじめ、省庁の枠を越えた連携にも取り組む。
「地域固有の資源を再発見して磨き上げることは、旅行者にとっての魅力となるだけでなく、住民が地域への誇りをもつことにもつながります。さらに、住民と旅行者が地域の価値を共有することで、互いに地域への愛着も強くなり、地域を活性化する好循環も生まれます」と米田さん。
住民と旅行者が一緒に幸せになれるまち――。それが持続可能な観光が目指す地域の姿だ。

①生活文化体験
農山漁村で生産者とともに収穫や調理を行う食・農体験や、僧の指導の下で心身を整える精神文化体験などが人気。生活文化体験を通して旅行者が地域の日常に触れ、地域の物語を追体験すると同時に、住民が自身の地域の価値を再認識することにもつながる。
②広域型観光
訪日旅行者が広域に移動するという実態に合わせ、地域を「点」ではなく「面」でとらえることが重要視されている。地方への滞在を促すことは、地方の経済活性や主要観光地のオーバーツーリズム抑制のほか、日本の多層的な魅力を世界へ発信するきっかけにもなる。
③トレッキング&ウォーキング
従来の観光では、多くの観光地をめぐるための「効率」が重視されがちだったが、ATでは「五感」を使いながら楽しむため、自分の足で移動するスタイルが主流。ゆっくり移動することで、その土地の息遣い、時間・季節による細かな変化を感じることができる。
④サイクリング
自分の足で移動するスタイルのひとつであるサイクリングは、環境負荷を抑えつつ移動範囲を広げる手段として定着。広島の戦後復興をたどるツアーや、島根・津和野の歴史的景観をめぐる旅など、ストーリーや文化を掛け合わせた多様なプログラムが増えている。
⑤野生生物観光
多彩な気候帯に多種多様な生物が息づく日本は、世界に名だたる野生生物観光の宝庫。ATでは、旅行者が支払う対価を資源の保存や生息地の環境保護に役立てることがカギとなる。トレッキングやウォーキングと組み合わせるスタイルが人気を集めている。
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必要な6つのコト
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01|アドベンチャーツーリズムとは?
02|日本の「自然×文化」が生み出す大きな可能性
03|いま、観光庁がATを推進する理由
04|2026年5つの注目キーワード
05|“持続可能な観光地域づくり”に必要な6つのコト
text: Miyu Narita
2026年8月号「海へ 山へ」



































