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ユネスコ食文化創造都市
「大分・臼杵市」の食文化を愉しむ
|持続可能な観光まちづくり

2026.5.26
ユネスコ食文化創造都市<br>「大分・臼杵市」の食文化を愉しむ<br>|持続可能な観光まちづくり

自然や工芸、食、復興など、テーマ別に持続可能なまちづくりにつながるローカルツーリズムをご紹介!今回は、風土と時代を映し出す食文化を愉しめる「大分・臼杵市」をご紹介。

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風土と時代を映し出す
食文化を愉しむ

郷土料理
江戸時代に藩が独自に発令した「天保の改革」。“質素倹約”の精神が広まる中、人々は知恵を絞り、さまざまな郷土料理を生み出した。かつては祝い事のときや年末によくつくられていた、くちなしの実を用いて黄色に染めた水で炊いたご飯「黄飯(おうはん)」は、「かやく」と呼ばれる白身魚や野菜、豆腐などを煮込んだけんちん汁のようなものと一対で食べられている。また、残り物の刺身や魚をおろした後の中落ちに、豆腐の製造過程で出るおからをまぶしてかさ増しをした倹約料理「きらすまめし」も誕生した

大分県東南部に位置する臼杵市は、豊後水道に面した臼杵湾や肥沃な大地、緑豊かな山々などの大自然と、そこから生まれる清らかな水源が独自の食文化を生み出してきた。その中の「発酵・醸造文化」、「環境保全型農業」、「伝統料理」が評価され、臼杵市は、2021年に「ユネスコ創造都市ネットワーク(食文化分野)」への加盟が認められた。

s発酵・醸造文化
1600年に御用商人として訪れた可兒孫右衛門(かにまごえもん)がはじめた味噌醸造が臼杵の発酵文化の起源と伝わる。また、市内には4つの酒蔵があり、きめ細やかで清らかな水と伝統的な手造りにこだわった地酒は世界でも評価が高い。いまや発酵・醸造業は臼杵の主要産業になっている

全国屈指の生産量を誇る味噌や醤油、地元産の原材料を使用した清酒や焼酎など、目に見えない微生物と共生しながら400年以上続く伝統製法で生み出される醸造品は、臼杵の食を支える屋台骨だ。

ほんまもん農産物
市長が認証した化学肥料と化学合成農薬の使用を避けた圃場で栽培された農産物。金色の「ほ」のシールを貼り、市内外の多くのスーパーマーケットなどで販売

また、土づくりを基本とした環境保全型農業を強く推進していくため、腐葉土に近い完熟堆肥「うすき夢堆肥」を製造する「臼杵市土づくりセンター」を設置。臼杵市長が認証する、有機栽培された圃場で生産される「ほんまもん農産物」により、地産地消を推進している。

本膳料理
日本料理の原型と伝わる室町時代成立の本膳料理。現在、国内で味わえるのは3カ所のみ。臼杵市では、1878年創業の「ふぐ・日本料理 喜楽庵」で体験可能

さらに、魚の切れ端におからをまぶした「きらすまめし」など、質素倹約の精神を宿すほかにはない郷土料理は現代にも受け継がれ、日本に数カ所しか現存しないとされる「本膳料理」も残っている。

歴史と風土が溶け合う街で、歴史と持続可能な取り組みによって生み出される食文化を楽しむ時間は、人生をより豊かにしてくれる。

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精進料理
1時間すり続けたゴマを使用する「ごまどうふ」や強力粉を練り上げてつくる「生麩」など臼杵の精進料理には、住職が修行で体得した禅の妙味が宿っている

問|臼杵市産業観光課 食文化創造都市推進室
Tel|0972-72-1092
https://gastronomy-usuki.com

持続可能な観光まちづくり
01|阿蘇カルデラツーリズム
02|みなかみユネスコエコパーク
03|佐賀エナジーツーリズム
04|縄文Well-Beingエクスペリエンス
05|雪国に息づくクラフトツーリズム
06|ユネスコ食文化創造都市「大分・臼杵市」

text: Ryosuke Fujitani
2026年4月号「地域の“旬”感へ」

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