世界も注目する
日本の地域発のウッドデザイン
|世界的なデザイン賞「iFデザインアワード」も受賞!
木に長年親しんできたからこそかなう、日本ならではの技術とデザインは海外からの評価も年々高まっている。そんな、海外からも注目されている、建築以外の身近なところで見つかる、ウッドデザイン賞を受賞したプロダクトをご紹介!
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日本各地に息づく
木工の高い技術
ウッドデザイン賞には建築やプロジェクトといった大きな事業だけでなく、家庭という身近な場所で活躍するプロダクトも数多い。
たとえば、食器やキッチン用品。見た目の優美さはもとより、ステンレスなどの金属に比べて熱伝導率が低い木の特性が強みに。手や口に触れたときの冷たさがなく、高齢者も安心して使える。
無機質になりがちな照明も、木を使うことで柔らかな表情に。樹種ごとに異なる風合いを楽しむことができるのも魅力で、明かりをつけていないときもオブジェのような佇まいで愛着がわく。
受賞作品の数々からは、日本各地に息づく木工の高い技術が感じ取れる。石川のワイングラスは、伝統工芸の山中塗を支える木地師の作品。樹脂を多く含む肥松を使った福岡発のランプシェードは、ドイツの権威あるデザインアワードも受賞している。日本の木の文化とデザイン力を、地域から海外に発信するプラットフォームとしても、ウッドデザイン賞への期待は高まるばかりだ。
〈福島県〉
漆の種に願いを託すお弁当箱
「めぶく」

お椀の高台の中に漆の種が埋め込まれた弁当箱。地元会津産の漆を100%を使用し、一点一点を木地師による手挽き仕上げでつくっている。
価格|3万7400円
問|漆とロック
https://meguru.stores.jp
〈新潟県〉
雪国のブナが優しく照らす
「TANZAKU Lamp」

魚沼・大白川産のブナ・スノービーチの無垢材を曲げた充電式ランプ。シーンに合わせ照度範囲を変えた3タイプを用意。使わないときにはオブジェに。
価格|3万800円
問|ストーリオ
https://storio.store
〈岐阜県〉
枡の冷凍ご飯容器 「COBITSU」

ご飯を入れて冷凍し、電子レンジで温めると、炊きたてのように美味しくご飯がよみがえる枡のおひつ。檜の香りが日々の食卓を贅沢に演出。
価格|4950円
問|大橋量器
www.masukoubou.jp
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〈滋賀県〉
木育で子どもの知性を育む
「木製ブロック ズレンガmini」

3歳以上を対象としたブロック玩具。自由度の高い接続方法により、想像力を掻き立てる。無塗装なので国産杉・檜の香りや木肌をじかに感じられる。
価格|1万5840円
問|浅尾
https://zurenga.com
〈福岡県〉
松独特の貴重な樹脂を生かした
「Fat Wood Lamp / 肥松の照明」

樹齢数百年を超え、ヤニ(樹脂)を多く含む松から採取した材を使用。特殊な技術で薄く加工されたランプシェードは、光を受けて赤く浮かび上がる。
価格|11万5000円~
問|藤致滋建築設計
https://munejitoh.com
〈石川県〉
木地師が手掛けるワイングラス
「IPPONGI」

一本の木から削り出した、木の質感が心地よいワイングラス。木地師の技と現代の食のシーンやエコロジカルなライフスタイルが融合した逸品。
価格|2万4000円
問|匠頭漆工
www.shozushikko.jp
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注目される理由とは?
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ウッドデザイン賞
問|日本ウッドデザイン協会
住所|東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi Oneタワー6F ワークスタイリング内
www.wooddesign.jp
01|2025年最優秀賞(環境大臣賞)受賞作品に迫る!
02|前編|地域のロールモデルとなった受賞作品
03|後編|“技術”を用いた木造建築の受賞作品
04|世界が注目!日本の地域発のウッドデザイン
05|杉のプロダクト最前線!
text: Aya Honjo photo: Sadaho Naito
2026年1月号「世界を魅了するローカルな酒」
































