ART

クリエイティブディレクター南雲浩二郎が 過去、現代、未来をつなぐ。
「骨董×コンテンポラリーアート」

2021.6.2
クリエイティブディレクター南雲浩二郎が 過去、現代、未来をつなぐ。<br>「骨董×コンテンポラリーアート」

クリエイティブディレクター南雲浩二郎。彼の審美眼をもってして選ばれたモノが一堂に会する展示・販売会が東京・神宮前のアートギャラリー、マホクボタギャラリーで開催される。時代や国境、ジャンルを越えた骨董と、コンテンポラリーアートを掛け合わせることで、私たちに何を語りかけるのか?

 

何世代にも受け継がれ、ひとりの人間が人生で過ごすであろう時間をはるかに超えていまを生き続ける「骨董」。持ち主によりその存在意義や価値までもしなやかに変え、人の生活に寄りそってくれている。

一方でコンテンポラリーアートは現代に生まれ、メッセージを秘める。そして、時に私たちに能動的な思考を与えてくれたりもする。

「この企画は、単にギャラリーで骨董市を……ではなく、過去の長い時間を包含する骨董と、現在起こっている事象を受け止めて、未来へのメッセージを語るコンテンポラリーアートを、ある意味等価ととらえて、過去と未来が同居する空間で、いまそこにいる我々が時間と価値を繋いでゆく役割を担う感覚です」

と語るのはイベント企画、会場のスタイリングを担当したクリエイティブディレクターの南雲浩二郎氏。同企画の骨董のセレクトも手掛けた。

日本だけではなく、北欧、中国、インドなど、バラエティ豊かな骨董と、会場であるマホクボタギャラリーのオーナー久保田真帆氏がセレクトした現代アート。どんな化学反応が起こるのだろうか。

コンセプトは「resilience」。回復力や弾力を意味するこの言葉に「困難な状況でもしなやかに適応しながら生きてゆく力」という意味をも見出した南雲氏。

「その時代の事象や環境の変化に呼応しながら、人知れず失われてしまうかもしれない大切な何かを、しなやかな感性で探し求め、差異や隔たりを恐れることなく、コントラストに刺激を感じ、時には融合することで、その物のアイデンティティを問い続けていきたい……」

骨董×コンテンポラリーアート、これらが共存する空間は、私たちが未来をどう生きていくべきか、そんな問いに答えてくれるかもしれない。
(骨董、コンテンポラリーアートは販売予定)

公式サイト
https://www.mahokubota.com/ja/exhibitions/3208/


江戸~明治の襤褸(パッチワーク)や刺し子の風呂敷など

作家名|小川信治(おがわ・しんじ)
作品名|エステ家の公女と一角獣
制作年|2018年
サイズ|55 x 50 cm
素材|キャンバスに油彩


ルーマニアのヴィンテージ陶器

作家名|多田圭佑(ただ・けいすけ)
作品名|trace / wood #80
制作年|2020年
サイズ|80.5 x 80.5 x 5 cm
素材|アクリル絵具、油絵の具、綿布、木製パネル


キャンドルスタンドは、NYのデザイナー、テッド・ミューリングのデザイン。漆塗りの籠はビンテージのスマトラのもの

作家名|ジュリアン・オピー
作品名|Aniela bathing 2.
制作年|2013年
サイズ|220 x 91.7 x 3.5 cm
素材|木製ストレッチャーにビニール

南雲浩二郎(なぐも・こうじろう)
‘90年代より、セレクトショップのVMD及び店舗内装のディレクションに携わり、国内各地から欧米、アジアまで、さまざまな国や地域の工芸や文化に触れる。2018年のゴードン・マッタ=クラーク展に際しては、’70年代におけるNYの”アート”と現代の”食”の親和性を模索するイベントを企画運営するなど、さまざまな文化の橋渡しを試みる。2021年4月より、幅広い切り口で骨董の価値を提案する企画展”resilience”を立ち上げ。

resilience – Art, antique and objects curated by Kojiro Nagumo
会期|6月5日(土)~6月19日(土)
会場|マホクボタギャラリー
住所|東京都渋谷区神宮前2-4-7
開館時間|12:00~19:00
休館日|日・月曜、祝日
※会期中6月7日(月)、13日(日)、14(月)は休館。6月6日(日)はオープン
Tel|03-6434-7716


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