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365日外食の京都人が選ぶ背徳な朝食
|京都人のイマオシ!①

2024.12.12
365日外食の京都人が選ぶ背徳な朝食<br>|京都人のイマオシ!①

「京都人のイマオシ!」。由緒正しい老舗から新進気鋭まで美味しいものが集まる京都。京都の街を知り尽くした京都人のお三方に、いま“推し”の店を案内してもらう。

今回案内してもらうのは、「うまいもん」を網羅した名門スーパーを手掛ける藤田 俊さん。自他ともに認める食いしん坊に教えてもらうパワフルな朝食とは?

藤田 俊(ふじた しゅん)
2018年、家業である「フレンドフーズ」3代目社長に就任し、SNSなども活用して商品の魅力を発信。「飲んでも中で寝られるように(笑)」と、カスタムしたキャンピングカーで、パワフルに食べ・飲み歩く

好きなものは朝イチから
しっかり食べたい派です

カリスマ的人気を誇るスーパーマーケット「フレンドフーズ」社長の藤田俊さん。料理人との交流が多く、ほぼ毎日5食外食!?という藤田さんにとって、朝食も例外ではない。

ただし、いわゆるモーニング的なメニューとはちょっと違う様子。なんと朝からカレー、それにラーメン?! 「無類のカレー好き、ラーメン好きなので、京都でも朝営業のお店が増えてきてうれしい限り。情報を聞いたら、〝呼ばれている、行かねば!〟と身体が反応します」。

辛さと香りでシャキッと覚醒!

ビジネスパーソンやツーリストで朝から賑わう「SPICE HOLIC」。昆布出汁などでじっくり煮込むカレーは旨みが凝縮し、複雑なスパイス香がありながら後味は軽い。写真はチキンカレーとキーマカレーのあいがけ1400円に、スパホリ特製チキン300円と京都産パクチー200円、うまだし煮卵150円をトッピング

朝カレーの最近のお気に入りは、2024年春にオープンした四条烏丸「SPICE HOLIC」。「朝からバッチバチのスパイスで目覚める、というか、たたき起こしてくれます(笑)。真正面からピリッとスパイスを感じられるチキンカレーと、軟骨やレンコンの食感が楽しくコク深いキーマカレーがあって、僕はあいがけ一択ですね」。

トッピングが充実しているのもポイントだそう。藤田さんの定番は特製チキン。「目の前でこんがり焼いて仕上げてくれて、いい匂いが漂ってくるのがたまりません」。

スパイス使いが
冴える朝定食は必食

「SPICE GATE」の「京風スパイス朝定食」1280円。鶏キーマカレーを中心に、大根とカシミールチリの千枚漬けといった多彩な副菜が脇を固める。別添えのカレーは写真の魚介出汁のカレーなど2種からチョイス。「祇園 北川半兵衞」の煎茶を炊き込んだバスマティライスとともに味わえば、お茶漬けのような風味に

朝スパイスカレーの草分けともいえる、四条寺町「SPICE GATE」も外せない。「スパイス使いが変態的なまでにうまい」と惚れ込むビリヤニ専門店「INDIA GATE」の姉妹店であり、本店譲りのスパイス・マジックが堪能できる。

こちらの京風スパイス朝定食は、サラサラとした中にスパイスの溶け込んだ出汁カレーと、たっぷりの副菜が朝の胃に優しい。「二日酔いの朝に食べたいカレーですね」。

胃と心にじんわり
旨みが染み入る鶏塩ラーメン

「塩ラーメンで日本一になる」と2020年にオープンした「鶏そば223」。「ミラノの朝陽」(旨塩スープ)1100円は、丹波黒どりや京赤地どりなどを使って仕込む旨み豊かなスープが、「麺屋棣鄂」のちぢれ麺にしっかりとからむ。低温調理の鶏ハムもまろやかな塩味で、どこまでも澄んだ味わい

ラーメンなら、北大路の「鶏そば223(つつみ)」が一推し。〝朝ラー〟にハマりはじめた頃、フレンドフーズの近くにオープンしたのを知り、足繁く通うようになったそう。「あっさり旨塩スープとこってりコク旨スープがあって、ずっとあっさり派だったけれど、最近は白湯っぽいコクのあるこってりが好みです。カウンターに置いてあるオリジナルのオリーブソースで味変するのも楽しい。そうそう、サイドメニューの鶏ハム丼もぜひ注文してみてください」。

そして、朝カレーと朝ラーメンが一軒で楽しめる心憎い店も教えてくれた。二条「くっきんぐ えくすぺりめんと 番」だ。「ご主人は精進料理や中華料理で経験を積まれていて、まずラーメンの出汁が美味しい。カレーはコクがある甘口の無水カレー。オムライスのように添えられた卵が優しくて、辛いのが駄目な小学生の娘も安心して連れていけます」。

ガチの香港料理を
朝からセットで満喫

香港や上海でエグゼクティブシェフとして活躍した佐野央典さんが手掛ける「CHINA TONGUE」。干し貝柱の香港粥、黒豚とエビのワンタン麺、日替わり小菜3種、点心3種盛りが味わえる「香港の朝食セット」1800円。このほか、フレンチトーストと香港式ミルクティーのセット1000円もあり。前日までにメニューと時間を要予約

カレーとラーメン以外にも、藤田さんの朝活テリトリーは広い。

骨太な香港料理が味わえる烏丸丸太町「CHINA TONGUE」もリピート中。以前は麺や粥を単品で提供していたが、この夏から人気の品を盛り込んだゴージャスなセットにリニューアルした。「麺は塩味しっかり、お粥は淡い味わいという対比がいいですね。小さなおかずや点心も付いて、食いしん坊にも大満足のボリュームです」。

京都中央市場の食堂「伊勢屋」は、驚きの朝5時半オープン。会食などで遅くまで飲んで朝帰りになった際、決まって足を運ぶという。「朝からマグロ丼が食べられるし、そこに付いている卵の味噌汁が大好きです。ここに来るときはだいたい寝ぼけているか半分酔っているのですが(笑)、そんなときに染みる美味しさですね」。

さらに、朝9時からワインとイタリアンベースの料理がスタンバイする「POLI」も注目。「ここもウチの店の近所で、7月にオープンしたばかり。野菜たっぷりの朝プレートで飲ませてくれます」。

それにしても朝からパワフルに食欲全開な藤田さん。「〝朝焼肉〟も全然いけますよ!」と笑う。多忙な毎日のスタミナは朝時間にみっちりチャージされているのだ。

フレンドフーズにも京都の美味しい土産あります

「フレンドフーズ」では「美味しくて、少なくとも身体に悪くない、ほんまもんの品」として全国からセレクトされた品々や「鶏と豚の基本スープ」、「完熟赤山椒」などのPB商品も揃える。藤田さんと親交のある地元飲食店のオリジナルアイテムも多く、ひと味違うお土産が見つかるはず。ぜひ時間に余裕をもって訪れたい。

フレンドフーズ
住所|京都市左京区下鴨北園町10-6
Tel|075-722-0451
営業時間|10:00〜21:00
休日|なし
Instagram|@friendfood.kyoto

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今回ご紹介したお店

SPICE HOLIC
住所|京都市下京区骨屋町323 高辻三原ビル101
Tel|075-744-6062
営業時間|8:00〜10:00、11:30〜15:00
休日|不定休

SPICE GATE
住所|京都市下京区寺町通仏光寺下ル恵美須之町546-1 しきさい寺町ビル2F
Tel|075-741-7554
営業時間|7:30〜11:00、11:30〜14:00、14:00〜16:00(水・金曜のみ14:00〜21:00)
休日|火曜

鶏そば223
住所|京都市左京区下鴨西半木町70-2
Tel|なし
営業時間|9:00〜15:00
休日|月曜

くっきんぐ えくすぺりめんと 番
住所|京都市中京区西ノ京内畑町26-5 1F
Tel|075-204-8624
営業時間|7:00〜11:00(L.O.10:30)※火・木・土曜のみ、11:30〜15:00(L.O.14:30)、17:00〜20:00(L.O.19:30)
休日|日曜、祝日

CHINA TONGUE
住所|京都市中京区鏡屋町51-1
Tel|070-1775-2909
営業時間|7:30〜10:30(L.O.)、12:00〜14:30(L.O.)、17:30〜20:30(L.O.)
休日|不定休

伊勢屋
住所|京都市下京区朱雀宝蔵町52
Tel|075-311-0834
営業時間|5:30〜13:00
休日|水・日曜

POLI
住所|京都市左京区下鴨西本町28-3
Tel|なし
営業時間|9:00〜17:00(L.O. 16:00)
休日|木曜、ほか不定休あり

 

 

京都人のイマオシ!②
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text: Aya Honjo photo: Mariko Taya
Discover Japan 2024年11月号「京都」

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