Discover Japan_TRAVEL「山口 旅と暮らしの間へ」
なぜ山口県がおもしろいのか? その大きな理由のひとつが、山口県ならではのロケーション。日本海、瀬戸内海など3つの海に囲まれた山口県は多彩な食文化が育った土地。さらに山口県の東は本州に、西は九州に、南は四国に、そして北は中国大陸への距離が国内随一の近さという地理条件から、多方面との文化交流が生まれて独自の歴史を育んできました。こうしたロケーションならではの文化は、多様な価値観を受け入れながら、新しい時代を生み出す「人」の気概、幕末から明治にかけての歴史に名を残す、吉田松陰や高杉晋作などの偉人が育った史実と無関係ではないはずです。さらに、大陸からの文化が独自に進化したうつわ、萩焼は時を超えるアートとなっています。
そんな山口県の魅力を凝縮した本書。国内旅行の予習書としてだけではなく、今注目の街、長門市の取り組みを始め、街づくりのヒントにもなる一冊です。
“ならでは”の絶景、歴史、食の旅へ
「やまぐちを巡る旅」と題して「絶景」、「歴史」、「食」と3つの切り口で紹介。「絶景」では千畳敷、秋芳洞、秋吉台や周防大島の嵩山(だけさん)などを取り上げて、地質学の視点で、一歩踏み込んだ絶景の楽しみ方を提案。「歴史」では中世から幕末-明治維新にフォーカス。毛利氏の政治的な戦略があってこそ、高杉晋作や吉田松陰など、後の幕末-明治維新で活躍した人物たちが登場し、近代日本の礎となりました。……では、その政治戦略とは? 「食」では歴史にひもづく料理のほか、山口ならではの郷土料理や瓦そばなど、現代の名物料理なども。
巻頭対談 星野佳路×田村淳
なぜ、いま長門市がアツいのか
日本海側の長門市内にある長門湯本温泉は、一度はさびれてしまった温泉地。そこでは街の再生プロジェクトが進みつつあり、一度は人の足が絶えてしまった地にいま再び活気が戻り始めています。その街再生プロジェクトに深くかかわるのが、星野リゾート代表の星野佳路さん。一方で、山口県下関市が出身のタレント、田村淳さん(ロンドンブーツ1号2号)。ふたりの山口対談が実現しました。
なぜ長門市での街再生プロジェクトが成功に向けて進みつつあるのか? 星野佳路さんにその理由を教えていただきつつ、これからの観光について、田村淳さんならではの視点も交えつつ語り合っていただきました。田村淳さんが星野佳路さんの「影」となって長門市に行く、かもしれない……なんて話題も。
山口への旅なら、この宿は欠かせない
旅の宿は、周辺をめぐる拠点にするもよし、滞在そのものを目的にするもよしと好みによって使い分けられる、おすすめの宿を取り上げました。山間で静けさとくつろぎを楽しめる大谷山荘 別邸 音信(おとずれ)ほか、土地の魅力を引き出すコンテンツが凝縮した星野リゾート 界 長門など、いずれも一度は泊まってみたい宿ばかりです。また、街づくりの観点において長門湯本の温泉地が再生を続ける「長門湯本みらいプロジェクト」は、官民が熱い想いで街再生に取り組む方々のストーリーとしても楽しめるので、ぜひ一読していただきたいコンテンツです。
奥深いだけでなく多彩。幅広いだけでなく深い、食
山口県は3つの海に囲まれています。日本海、瀬戸内海に加えて関門海峡を挟んだ響灘(ひびきなだ)・周防灘(すおうなだ)。海が違えば、捕れる魚介も違い、魚食文化の幅広さにつながります。また日本海側と瀬戸内海側では、気候も異なるため採れる農産物にも変化があります。自然環境が異なるエリアが混在する山口県は、つまり幅広い食文化が花開いた地というわけです。ここでは、山口の食文化が結晶化したともいえる、料亭などのほか、魚介を中心とした飲食店や長門市の名物であるやきとりのお店を取り上げます。また酒どころとしても知られる山口から、阿武の鶴酒造、「貴」の銘柄で知られる永山本家酒造場も登場。
いま知りたい「萩焼」
400年あまりの歴史が、さらに進化する
萩焼は、約400年の歴史をもつ「伝統」工芸のひとつ……なだけではありません。いまも萩焼作家たちは、斬新な作品も数多く生み出し続けています。萩焼の大家、十三代 三輪休雪さんのロングインタビューでは、オリジナリティあふれる作品群や、ご本人の作陶への想いについて語っていただきました。また萩市の隣、長門市にも萩焼作家たちが居を構える、とある谷があり、5窯8人の萩焼作家さんにお話を伺っています。語っていただいたモノづくりへの想いは、モノづくりへのヒントにもつながりそう。
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長門湯本温泉公式ホームページ