ウイスキーはどう作られる?
|製造工程の流れと知っておきたい用語集
ウイスキーの製造過程を知るともっと楽しくなる!どの工程においても、造り手は目指す味のために工夫を凝らしている。また、一緒にウイスキー用語を把握すれば、さらに深く味わえるに違いない。
監修=住吉 祐一郎
ウイスキージャーナリスト。福岡県福岡市の「バー ライカード 」オーナーバーテンダー。翻訳書に『ウイスキー・テロワール』(スタジオタッククリエイティブ)など多数。
製造過程を知ろう!

〈製麦〉
主原料の大麦を発芽させて大麦麦芽(モルト)をつくる。大麦のでんぷんが糖に分解されるのに必要な酵素が生成される。
〈粉砕・糖化〉
原料を細かく砕き、湯と合わせてお粥状にする。酵素の働きででんぷんが糖に分解。糖化が終わったら、ろ過して麦汁を取る。
〈仕込み(発酵)〉
麦汁に酵母を加えて発酵させる。酵母、乳酸菌や微生物により、麦汁の糖が分解されてアルコールと炭酸ガスが生成。もろみに。
〈蒸留〉
主にモルトウイスキーは単式蒸留器、グレーンウイスキーは連続式蒸留器で、理想の酒質を狙ってもろみを蒸留。度数を高める。
〈貯蔵・熟成〉
蒸留液を木樽で長期間寝かせること。風味を決定づける重要な工程。無色透明から琥珀色に変化し、奥深い香りと味になる。
〈ヴァッティング〉
モルトウイスキー同士、あるいはグレーンウイスキー同士を混ぜ合わせる。複数の個性を掛け合わせて、香味の豊かさを生む。
〈ブレンディング〉
モルト原酒とグレーン原酒、といった原料と製法が異なるウイスキーを混ぜ合わせる作業。個性を引き出しながらバランスを取り、魅力的に仕上げる。
これだけは押さえたい!
ウイスキー用語集
モルト/麦芽(大麦)
大麦の種子を発芽させた、ウイスキーの原料。大麦のままではでんぷんを糖化できないが、発芽させると糖化酵素が生成されて糖化・発酵が可能になる。

単式蒸留器
ポットスチルともいう。原料の風味を残して、複雑な味わいをつくる。熱伝導率が高く、雑味の元の硫黄化合物を取り除く銅製
ストレート型、ランタン型、バルジ型といった型の違いやラインアームの角度によって、原酒の味わいも変わってくる。

連続式蒸留器
連続的にもろみを投入でき、蒸留し続けられる。原料の風味をあまり残さず、効率的に高アルコールの蒸留液が得られる。単式に比べ、近代的な蒸留方法。

写真=サントリー
カスク
熟成に使われる木樽のこと。主にオークが使われる。バーボン樽やシェリー樽など、別の酒を熟成させていた樽で寝かせることで、いっそう風味豊かに。

写真=サントリー
ピート
スコットランドに生育するヒースという野草や水生植物が、炭化した泥炭。ピートの煙で大麦麦芽を乾燥させると、特有のスモーキーな風味が生まれる。
エイジング
樽の中で、原酒を数年かけて熟成させること。まろやかさ、複雑味、樽材の成分が溶け出すことで生まれる琥珀色の色みなどを決定づける重要なプロセス。
酒齢
樽で熟成された期間。製品のラベルには、使われた原酒の最も若い熟成期間が表示される。熟成が長いほど風味を増すが、味わいのピークはそれぞれである。
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text: Yumiko Numa
2026年1月号「世界を魅了するローカルな酒」



































