FOOD

《SAKE Journal 2022》
いま押さえたい
酒のキーワード10【後編】

2022.1.29
<small>《SAKE Journal 2022》</small><br>いま押さえたい<br>酒のキーワード10【後編】

日本酒、焼酎、日本ワイン……。日本の酒は日々、進化を続けている。その最新情報や注目商品など、日本の酒にまつわるトピックを集めました。

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<06 ウイスキー>
〝クラフト〟ウイスキー増加中
鹿児島県は芋焼酎だけじゃない!

本坊酒造のマルス津貫蒸溜所(南さつま市)、小正醸造の嘉之助蒸溜所(日置市)、西酒造の御岳蒸留所(鹿児島市)など、この数年、鹿児島県の実力派焼酎蔵によるウイスキー蒸留所の開設が相次いでいる。それぞれに、長年の焼酎造りで培った蒸留技術などを生かしつつ、鹿児島ならではのジャパニーズウイスキーを追求している。2016(平成28)年に誕生したマルス津貫蒸溜所は、本土最南端のウイスキー蒸留所。薩摩半島南西の山間に位置し、モルト原酒には蔵多山山系の湧水を使い、温暖な気候ながらも冬の寒さは厳しい寒暖差のある環境で、熟成を重ねている。’20年には「シングルモルト津貫 THE FIRST」を初リリースした。

シングルモルト津貫 THE FIRST
樽由来のバニラやメープルシロップのような上品で甘い香り、原酒由来のフルーティーさを感じる重厚で奥深い味わい。ふくよかな余韻が続く。

価格|1万1000円(700㎖)
原材料|モルト
アルコール度数|59度

問い合わせ|本坊酒造
Tel|099-822-7003
www.hombo.co.jp

<07 ビール>
マイクロブルワリーで地域活性
団地の一室からクラフトビール

小規模でビールを生産するマイクロブルワリーが年々増加している。個性的な醸造所も多く、2021年開業のひのさとブリュワリー(福岡県宗像市)はなんと、団地の一室でビールを造る。日の里再生プロジェクト「さとづくり48」の一環として、団地の1棟(旧48号棟)をリニューアルした生活利便施設「ひのさと48」内にあり、ほかのテナントともども地域の交流スポットとしての役割も担っている。

銘柄名は「さとのBEER」。大麦をはじめ、地元産の素材を使いつつ、1カ月ごとにレシピを変え、さまざまな味・スタイルのビールを造る

ひのさとブリュワリー
住所|福岡県宗像市日の里5-3-98
営業時間|10:00〜17:00
定休日|月・日曜
https://stzkr.com

<08 ワイン>
缶入りワインが日本到来
ワインを気軽に一人飲み!?

今年10月、サントリーが発売した「ONE WINE」は、もっと気軽に本格ワインを楽しんでほしいという想いから生まれた缶入りワイン。ラインアップは、フランスの名門ワイナリーの単一品種ワイン4種類。飲み切りサイズなので、最後までフレッシュな味わいを楽しめるのはもちろん、品種の飲み比べや、料理ごとに1杯ずつマリアージュを楽しめるのも魅力。「各種お試し4本セット」のほか、自分で組み合わせを自由に選べるセットもある。

ONE WINE 各種お試し4本セット
左から、柑橘とトロピカルな風味が爽やかなソーヴィニヨン・ブラン(白)、果実味豊かで酸味がまろやかなシャルドネ(白)、軽やかで愛らしい風味のピノ・ノワール(赤)、熟した果実味と心地よい渋みがまろやかに調和するメルロ(赤)。

価格|2200円(250㎖×4)
原材料|ブドウ
アルコール度数|ソーヴィニヨン・ブラン12.5度、
シャルドネ14度、ピノ・ノワール14.5度、
メルロ14.5度
問い合わせ|サントリーお客様センター
Tel|0120-139-380
http://suntory.jp/one

<09 スピリッツ>
蒸留酒の新ジャンル誕生
幻の芋酒が100年ぶりに

沖縄の酒といえば泡盛。だが実は、100年ほど前までは、芋で造る蒸留酒・イムゲーが泡盛同様、盛んに造られていたという。当時、薩摩藩へ上納されるなど高級品だった泡盛に対し、イムゲーは庶民の酒。各家庭で自家用として造られていたが、明治時代に自家醸造が禁止されると、次第に姿を消してしまった。請福酒造(石垣島)、多良川(宮古島)、久米島の久米仙という泡盛の蔵元3社と沖縄県工業技術センターは、その幻の酒の復活を目指し、2016(平成28)年から共同研究に着手。’20年から本格販売を開始した。

IMUGE.25度
二次仕込み後に黒糖を加えて発酵させて造るイムゲー。請福酒造の「IMUGE.25度」は、爽やかな飲み口で炭酸割がおすすめ。

価格|1898円(720㎖)
原材料|甘藷、米麹、粉黒糖
アルコール度数|25度

IMUGE.37度
軽やかな「IMUGE.25度」に対し、「IMUGE.37度」は芋と黒糖の濃厚な香りと風味をゆっくり楽しむため、ロックで味わいたい。

価格|2310円(720㎖)
原材料|甘藷、米麹、粉黒糖
アルコール度数|37度

問い合わせ|請福酒造
Tel|0980-84-4118
www.seifuku.co.jp

<10 スピリッツ>
ノンアルスピリッツが新登場
飲めない人にもクラフトジンを

今年誕生した「のん -THE NON-AL SPIRITS-」は、ノンアルコール専門のブランド。2018(平成30)年に生まれたクラフトコーラブランド「ともコーラ」の姉妹ブランドで、天然素材と抽出、発酵、蒸留などの酒造工程を組み合わせたノンアルコールスピリッツを提案する。第一弾は、世界中の植物を使った「青い楽園」と、日本の原始的な植物を使った「緑の秘境」の2種。

のん−THE NON-AL SPIRITS−
「洋:青い楽園」

ジュニパーベリー、ラベンダーなど世界中の植物を蒸留。華やかな味わいで、アルコールさながらの複雑味と飲み応えがある。

価格|1600円(200㎖)
原材料|ジュニパーベリー、ラベンダー、カルダモン、ジャスミンほか

問い合わせ|ともコーラ
メール|info@tomocola.com
www.non-al.tokyo

text: Miyu Narita
Discover Japan 2022年1月号「酒旅と冬旅へ。」

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