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一度は訪れてみたい!
全国各地の林業遺産7選【前編】

2025.10.13
一度は訪れてみたい!<br>全国各地の林業遺産7選【前編】

林業の営みの痕跡は各地に残され、「林業遺産」として選定されている。この林業遺産をひも解けば、日本人と森林との関係性が見えてくるだろう。今回は、一度は訪れてみたい、全国各地の林業遺産を7つご紹介!

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01|〈北海道〉JR宗谷本線
日本最北の大規模鉄道林をめぐる

車窓をゆっくり眺められる普通列車がおすすめ

旭川と稚内を結ぶ路線。ドイツトウヒの鉄道林が続く景色を楽しめる。運行本数が極端に減少した宗谷本線自体も、北海道の鉄道林の黎明期を語り継ぐ遺産といえる。

樺太関係の国策を担う路線だったことから、12.7㎞に及ぶ大規模鉄道林がつくられたとされる。鉄道林は風や雪、土砂から線路を守るための林のこと。冬の厳しい寒さにより造林は難航した
©武田 泉

問|北海道旅客鉄道
www.jrhokkaido.co.jp

02|〈青森県〉奥津軽トレイル
日本初の森林鉄道の面影をたどるトレイルツアーへ

津軽森林鉄道は1909~1967年まで運行。橋や枕木が残る場所、軌道が用水路として利用されている場所など、さまざまなかたちで残る遺構に出合える。枕木も残る「小田川ガーター橋」

青森県は日本初の森林鉄道「津軽森林鉄道」が運行していた場所で、旧金木町に残る遺構を歩くツアーがある。津軽地域の暮らしに根づく林業遺産を発見する旅へぜひ。

「相ノ股隧道跡」。トンネルの入り口を確認できる

問|かなぎ元気村
住所|青森県五所川原市金木町蒔田桑元39-2
Tel|0173-52-2882
料金|半日(4時間以内)/8800円、終日(8時間以内)/1万6500円
https://kanagi-genkimura.org

03|〈長野県〉木曽の森林鉄道・資料館
木曽で近代林業の発展の歴史を感じる

森林浴発祥の地としても知られる「赤沢自然休養林」を通る「赤沢森林鉄道」は、かつての運行路線を復活させた観光列車。伊勢神宮の式年遷宮にも使われる檜林と渓流を眺められる

日本を代表する林業地・木曽には4つの林業遺産がある。いまも観光運行している森林鉄道や近代林業の発展をたどる資料館など、木曽の先進的な取り組みを多角的に楽しめる。

赤沢森林鉄道
問|上松町観光協会
Tel|0264-52-1133
https://kiso-hinoki.jp

王滝森林鉄道
問|木曽おんたけ観光局 王滝村観光案内所
Tel|0264-48-2257
www.ontake.jp

旧帝室林野局木曽支局庁舎
住所|長野県木曽郡木曽町福島5471-1
Tel|0264-23-2033
開館時間|9:00~17:00(12~3月は~16:00)
休館日|月曜
金|無料
www.town-kiso.com/facility/100023

木曾山林資料館
住所|長野県木曽郡木曽町福島新開4236
Tel|0264-22-2007
開館日|土曜
開館時間|10:00~15:00
料金|無料
http://kisosanrin1901.org

04|〈栃木県〉足尾に緑を育てる会
一度失われたみどりを復活させるボランティア活動も

足尾の環境を見て、体験して、学べる場所として、ボランティア活動には学生から一般の参加者まで広く集まる。いままでに31万本以上を植樹した

足尾地域は、足尾銅山の採掘量に合わせて、煙害と過度な伐採によって周辺の草木が失われ、土砂崩れも相次いだ。現在は、みどりを取り戻すために継続的に植樹活動が行われている。

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問|足尾に緑を育てる会
住所|栃木県日光市足尾町松原2-9
Tel|0288-93-2180
www.ashiomidori.com

 


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text: Discover Japan
2025年9月号「木と生きる2025」

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