ARTS & CRAFTS

ものづくりの街・高岡が面白い!【漆器くにもと】

2017.1.20
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来年4月には映画「デンサン」のテーマとして取り上げられるなど、大きな関心が寄せられている日本の伝統産業。海外で展示会などの取り組みも盛り上がりを見せています。

今回は富山県高岡市を中心に、ニッポンのものづくりを支えるひとりの方をご紹介します。

富山県呉西地区の中心都市である高岡市。高岡銅器や高岡漆器で栄え、豪華絢爛な技術を施した御車山(みくるまやま)を守り継いだ高岡御車山祭は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

その中でも、伝統工芸として螺鈿(らでん)、彫刻、錆絵などの多彩な技術をもってつややかな輝きを放つ高岡漆器。重厚で絢爛豪華な印象ですが、最近では精度が高く軽やかなものもあります。

必要とされる問屋さんに

1909年創業の漆器くにもとは製造・問屋業としてはじまりました。

「問屋業って正解がないんです。ものづくりの周りにあるものすべてにかかわって、職人さんが安定して仕事に取り組めるように存続できるかたちを示すために、さまざまな方とキャッチボールをしています(笑)」と4代目の國本耕太郎さん。

「問屋さんとして本当に必要とされるのは、ものづくりを盛り上げている人、職人さんのモチベーションを上げられる人なのではないでしょうか?」

ものづくりが、高岡にくる目的に

國本さんが企画した工房見学ツアー「高岡クラフツーリズモ」は、自分たちの仕事を過小評価していた職人たちを突き動かしました。また、実行委員を務める「高岡クラフト市場街」は5周年を迎え、昨年9月末の開催では延べ3000人が参加しました。

「いつ高岡に行けばいいのか分からない、という人たちはぜひこの期間に来てほしいですね」。

自らも、地域も新しい試みを

伝統工芸産地プロデューサーでもある國本さんは、一昨年にはクリエイティブディレクターの戸村亜紀さんと自身のブランド「with TARO」を立ち上げ、そこで生み出された真鍮を素材とした「アルコールランプHON-NYO / DEN-EN」は、クラフトコンペでファクトリークラフト優秀賞を獲得。新しいものづくりの試みにも、つぎつぎに取り組んでいます。

 

新しい取り組みをはじめているのは國本さんだけではありません。

高岡の伝統産業存続には、行政も大きく関与しています。市内の小中学校の授業では「ものづくりデザイン科」が設けられ、今年、授業を体験した世代がはじめて地元産業企業に就職しました。

「周りにいる大人のことを“かっこいい”と思える子どもが育ってくれたら」

 

ものをつくる人と売る人の間には、静かに熱く未来を考える人がいました。

 

( text:Kaeko Ueno photo:Shinsuke Sugino )