日比野克彦さんが勧める瀬戸内「粟島」トラベルガイド
瀬戸内海を舞台に3年に一度開催される日本最大規模のアートイベント「瀬戸内国際芸術祭」。この夏、瀬戸芸を楽しむために、あるいは瀬戸芸とは関係なく、瀬戸内の旅を計画している人も多いはず。Discover Japanでは数ある瀬戸内の島の中から、3つの島に注目。今回紹介するのは、スクリューのようなかたちが特徴的な「粟島」。島に10年近く通っているという、美術家・日比野克彦さんにおすすめ立ち寄りスポットを教えてもらいました。
周囲:16㎞
面積:3.68㎢
人口:216人(平成27年)
作品数:12(芸術祭の出品作品)
船便スケジュール:6:20(須田)→6:35(粟島)、19:30(粟島)→19:45(須田)
瀬戸内国際芸術祭って?
「海の復権」をテーマに掲げて2010年よりスタートした、今年で4回目を迎える日本最大規模の芸術祭。瀬戸内の島めぐりを通し、この先地球上に人が生きること、展望を持つことを考えていくプロジェクト。春、夏、秋の3回期に分けて行われる。
期間:夏/7月19日(金)~8月25日(日)、秋/9月28日(土)~11月4日(月) ※春会期はすでに終了
開催場所:瀬戸内海の12の島(直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春のみ)、本島(秋のみ)、高見島(秋のみ)、粟島(秋のみ)、伊吹島(秋のみ))+高松港周辺、宇野港周辺ベネッセアートサイト直島が直島、豊島、犬島に展開する作品は芸術祭の期間外も鑑賞可能。詳しくはこちら
料金:3シーズンパスポート4800円や、会期限定パスポート4000円のほか個別鑑賞券あり ※パスポート提示で一部作品は鑑賞無料
問:瀬戸内国際芸術祭総合案内所
Tel:087-813-2244
https://setouchi-artfest.jp
「あわろは食堂」
日比野さんおすすめの店「あわろは食堂」には、島の人々やアーティストたちが集まる。お腹をすかせた若手アーティストたちをもてなしていた朝倉たけこさん・裕貴さん夫婦が昨年オープンしたというこのお店。漁師である裕貴さんが捕ってきたタコのお造りは絶品だ。
住所:香川県三豊市詫間町粟島1619
営業時間:11:00~17:00(~21:00は要予約)※5月~10月頃のみ
定休日:月~木曜
Tel:090-3181-8360
www.facebook.com/awalohashokudou
「漂流郵便局」
届け先不明の手紙を受け付け、またそれを読むことができるアートプロジェクト。局長は元粟島郵便局局長の中田勝久さん。
住所:香川県三豊市詫間町粟島1317-2
時間:毎月第2・第4土曜日に開局
「粟島海洋記念館」
1897(明治30)年創立の旧海員養成学校を利用した粟島海洋記念館。廃校になった後も大切に保存されている。1920(大正9)年に建築された木造2階建ての校舎跡には、昔の船舶機器や模型など多くの資料を展示。
住所:香川県三豊市詫間町粟島1541
時間:9:00~16:00(入館は無料)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始
TEL:0875-84-7884
http://www.mitoyo-kanko.com/?p=1448
「梵音寺」
平安初期の建立と伝えられる粟島唯一の寺院・梵音寺のタブノキ。独特のかたちで神々しい。
住所:香川県三豊市詫間町粟島1604-1
片道1時間弱で気軽に登山を楽しめる城ノ山。頂上には展望台があり、360度見渡すことができる。
「西浜ロングビーチ」
夕日が美しい西浜のロングビーチ。夏季は夜に海ほたるを鑑賞することができるかも。
「海上タクシー いせや」
定期船を逃した人は、海上タクシーを活用してみてはいかがだろうか。
料金:須田港~粟島港2000円(3人以上は1人+500円)~
Tel:090-1578-8487
お土産は日比野さんデザインのエコバック!
かつては北前船の寄港地として栄え、日本初の海員養成学校があった粟島。美しい自然の中で、島人とアーティストが互いに高め合う場は、訪れる人にとっても刺激になるかもしれない。
文=小林沙友里、編集部 写真=西岡 潔
2019年8月号 特集「120%夏旅。」