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広島・御菓子所高木の「御羊羹(3棹入)」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》

2022.9.1
広島・御菓子所高木の「御羊羹(3棹入)」<br><small>《福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、大正8年創業の老舗和菓子店「御菓子所高木」の小倉と栗、珍しい柿の羊羹セットを紹介します。

福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

柿羊羹の美しい断面。ほのかに感じる果物由来の甘みが美味

柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)は、民藝運動とかかわりが深い画家です。芹沢銈介に型染め技法を学び、柳宗悦に見出されたという経歴をもち、今年100歳を迎えました。作風はいっそう若々しく自由闊達さが増し、精力的に活動中です。9月に神奈川、11月には京都で作品展が開催予定。来年1月には東京「日本民藝館」で生誕100年展も予定されていますので、お見逃しなく。

広島の「御菓子所 高木」は、大正8年創業の老舗和菓子店です。長年にわたり、お菓子の箱絵や包装資材に柚木沙弥郎のイラストレーションをすてきに使っていることで有名。この連載でもカステラ、クッキー、ふきよせ煎餅等をご紹介してきました。

今回ご紹介するのは定番の小倉に人気の栗、珍しい柿羊羹の3棹セットです。上品な味わいはお茶はもちろん、コーヒーのお供に最高。パッケージデザインですが、実は作者不詳だそう。とはいえ、民藝的なデザイン要素を感じる美しい意匠です。柚木作のおめでたい鶴のパターンを配した包装紙で包めば、最上等の贈り物になります。

御羊羹(3棹入)3618円。柚木沙弥郎デザインの型染め技法風の挿画。桃色のシデひもをかけるとさらに可憐な贈り姿に

御菓子所高木
住所|広島県広島市中区十日市町1-4-26
Tel|082-231-2121
営業時間|9:00〜18:00
定休日|元日
https://www.okashidokoro-takaki.com/

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
Discover Japan 2022年9月号「ワクワクさせるミュージアム!/完全保存版ミュージアムガイド55」

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