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《泉屋博古館東京》
作品が浮かんで見える展示室に注目

2022.3.8
《泉屋博古館東京》<br><small>作品が浮かんで見える展示室に注目</small>

京都・鹿ヶ谷にある泉屋博古館の分館として、数々の近代絵画、工芸品、茶道具を展示してきた泉屋博古館分館が、名称を変えて2022年3月19日(土)にリニューアルオープンする。展示スペースは既存の第1、第3展示室を改装。内装は光を飽和しないグレーに統一し、照明は最新設備にすることで、ガラスの映り込みを気にせず作品を鑑賞できるようになった。さらに第1・第3展示室をつなぐ第2展示室を新設した。オープンと同時に大阪・京都・東京で活躍した日本画家たちの作品が並ぶ「泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル」を開催。生まれ変わった「泉屋博古館東京」とは・・・・・・。

泉屋博古館東京とは?

泉屋博古館東京(旧:泉屋博古館分館)は、泉屋博古館(京都・鹿ケ谷)の分館として、東京・六本木一丁目の住友家麻布別邸跡地に2002年10月に開館。以降18年にわたり、館蔵の近代絵画や工芸品、茶道具などを紹介する展示会や、京都本館所蔵の住友コレクションの名品を東京で展示する特別展を企画し、東西両館のシナジーを生かした活動を続けている。

泉屋博古館の所蔵品は中国古代青銅器をはじめ、中国・日本書画、西洋絵画、近代陶磁器、茶道具、文房具、さらには能面・能装束など幅広い分野にわたり、現在は京都・東京の2館で3500件(国宝2件、重文19件、重要美術品60件を含む)を所蔵している。

変わらない部分と新しさが調和する空間

エントランスホール

外観は大きなガラスを用いて、泉ガーデンの豊かな緑を近くに感じられる。エントランスの庇(ひさし)を短くすることで、ガラスから降り注ぐ光がゆったりとした印象のある空間へと演出してくれる。入り口と館内をつなぐ風除室を広く取り、展示空間の環境改善も図っている。

ホールは改修前の姿を残しながらも、壁面に時間や歴史の積み重ねをイメージさせる版築仕上げを施し、変わらない部分と新しさが調和する空間へと生まれ変わった。正面中心部のガラスケース内に作品を展示し、鑑賞空間への気分を高める。

小ホールにはロッカーを増設するなど館内でより心地良く快適に過ごせるように整備した。

改修された第1展示室
改修された第3展示室

展示室は全部で4つ。既存の展示室はすべて改修され、新たに2つの展示室が誕生。天井や壁紙は、光を飽和しないグレーに統一し、照明は最新設備にすることで、ガラスの映り込みを気にせず作品を鑑賞できるようになった。

照明はLEDで自然光に近い光を再現し、色温度がシームレスで調整可能になった。明度と彩度を抑えることで、作品の色彩が前景化するように設計されている。ケースについても映り込みが最小限に抑えられ、美術品の鑑賞性を高めてくれる。

新設された第2展示室
新設された第4展示室

新しくできた第2展示室は、第1展示室と第3展示室をつなぐような細長い展示室。小ホールを挟み、講堂側に新しく作られた第4展示室は、ほかの3室とは少し趣を異にしつらえ、邸宅の雰囲気を感じさせるデザインに。

ミュージアムショップ

美術館での楽しみとして欠かせないミュージアムショップもエントランス脇に新たに設置。絵はがきや各種図録を販売するほか、館蔵品をモチーフにしたオリジナルグッズや、展示会の内容や季節に合わせた商品なども販売予定。

HARIO CAFE 泉屋博古館東京店 外観

2021年の秋にいち早くオープンした「HARIO CAFE 泉屋博古館東京店」は、1921年の創業より多くのコーヒー器具をつくってきた「HARIO」直営のカフェ。

HARIOの器具で淹れたスペシャリティコーヒーや紅茶を楽しめるほか、それらのコーヒー器具やティー器具を実際に触れて、購入することができる。また、店内では、HARIO Lampwork Factoryのガラスアクセサリーや、限定アクセサリーも販売。

ホール
正面には北村四海の大理石作品《蔭》(1911)

展示スペースの拡大とともに、カフェやミュージアムショップ、講堂などを新設し、ゆとりある鑑賞空間でより満足の高い時間を過ごしていける美術館として再出発した「泉屋博古館東京」へ足を運んでみては。

泉屋博古館東京
リニューアルオープン時期|2022年3月19日(土)
住所|東京都港区六本木1-5-1
Tel|050-5541-8600
開館時間|11:00〜18:00、金曜~19:00(入館は各閉館30分前まで)
休館日|月曜(祝日の場合は翌日休)、展示替え期間、年末年始
料金|展覧会により異なる
https://sen-oku.or.jp/tokyo

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