伊豆諸島「八丈島」で見つけた
“黄金色”とは。
東京宝島は、なぜ美味しい?
空路、または海路でしか渡れない「島」がもつ魅力とは……。先住者のみならず、移住者も少なくない昨今、そこには人が居つく理由があるはずだ。そこで今回は旅の最大の魅力のひとつ、食を入り口に、「八丈島」に行きたくなる理由を探っていく。
皮まで美味しい
八丈フルーツレモン
羽田空港から飛行機で約55分。南国ムードあふれる植物が出迎えてくれる。そんな身近な南国、八丈島めぐりを楽しむ際に頭に置いておきたいキーワードが“黄金色”だ。
まずは通常の約3倍の大きさをもつ「八丈フルーツレモン」。樹上で完熟させることで苦み成分が和らぎ、皮まで美味しい。「尻まで黄色に熟したら食ベ頃。焼酎に入れても美味しいですよ」と生産者は笑う。
続いて黄・樺(かば)・黒の3色の絹糸で織り上げた「黄八丈(きはちじょう)」。島の伝統工芸品で、糸染めの材料は島の自然の恵み。染めも織りも手作業で行われ、とりわけ黄染めは黄八丈の真骨頂といわれる。
小腹が空いたら、島でのびのびと育ったジャージー牛の「八丈島ジャージープリン」もおすすめだ。黄金色のプリンを口に運ぶと、濃厚な風味とトロリとした食感がたまらない。お土産は、“浜のかあさんたち”がつくるムロアジの「ムロメンチ」を。帰宅してからも黄金色のカツで島の味が楽しめる。ぜひ八丈島の「黄金色の魅力」を体感してほしい。
黄八丈めゆ工房
古法を守った染色の技術を伝承し、江戸時代から続く伝統工芸品の黄八丈をつくり続ける織元。工房では織りの見学ができるほか、小物なども販売している。
住所|東京都八丈島八丈町中之郷2542
Tel|04996-7-0411
時間|9:00~12:00、13:00~17:00
定休日|なし
www.hachijo.gr.jp/goods/meyukobo
八丈フルーツレモン
戦前に菊池雄二さんにより八丈島に伝わった「菊池レモン」を、樹上で完熟させてブランド化。果皮まで美味しいため、料理や加工用のレモンとして人気だ。
価格|約2kg(6玉)5000円(贈答箱入り)ほか
Tel|04996-2-1223(東京島しょ農業協同組合 本店)
www.8jolemon.tokyo
ムロメンチ
「海に囲まれた東京の魚を子どもたちに食べてほしい」と、八丈島で捕れるムロアジやトビウオを加工して、学校給食や島内外に出荷する。
Tel|04996-2-2077(八丈島漁業協同組合 女性部)
時間|8:00~17:00
定休日|土・日曜、祝日、お盆、年末年始
8jojoseibu.theshop.jp
八丈島ジャージーカフェ
乳脂肪分が高く、豊かな甘みの牛乳が特徴のジャージー牛を飼育する八丈島乳業の直営店。可能な限り地元産の食材にこだわったスイーツやドリンクを提供する。
住所|東京都八丈島八丈町大賀郷2370-1
Tel|04996-2-5922
時間|10:00~17:00
定休日|なし
www.hachijo-milk.co.jp/jerseycafe
アクセス
飛行機|羽田空港からANAで約55分
船|東京竹芝桟橋から大型客船(夜行)で最短10時間25分
Tel|04996-2-1377(八丈島観光協会)
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text:Hazuki Nakamori,Tomoko Honma (Let It Be),Nao Ohmori,Akiko Tanazawa photo:Hiroyuki Kudo,Yuri Yamasaki,Yuichi Yokota,Hiroyuki Yoda illustration:Romi Watanabe map:Alto Dcraft
2022年2月号「美味しい魚の基本」