東京国立近代美術館
「民藝の100年」の“飴”
《福田里香の民芸お菓子巡礼》
民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、現在開催中の柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」についてご紹介します。
福田里香(ふくだ・りか)
お菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中
昨年秋からはじまった「民藝の100年」。いよいよ会期は2月13日(日)までと迫っています。大規模な渾身の展示となっていますので、ぜひお見逃しなく。
会場の「東京国立近代美術館」ですが、開館(1952年)して間もない頃、晩年の柳宗悦から“近代美術館は、その名称が標榜してゐる如く、「近代」に主眼が置かれる。民藝館の方は、展示する品物に、別に「近代」を標榜しない。”という痛烈な批判文を投げかけられたという。
そんな因縁があったとは今回はじめて知りました。確かに近美に付く名称は東京⇔地方、官⇔民、近代⇔前近代、美術⇔工芸と民藝の理念と相対するものばかり。本展は約70年振りに近美が柳の批判へ返す回答でもあります。
展示を堪能した後はミュージアムショップへ。展覧会オリジナルの民芸お菓子があります。ポスターにもなった羽前山形の「羽広鉄瓶」をデザインした白と紺色の缶にはそれぞれユズと抹茶の飴が入っていて、お土産に最適。この連載をまとめた書籍『民芸お菓子』も取り扱い中です。
柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」
会期|~2月13日(日)
会場|東京国立近代美術館
住所|東京都千代田区北の丸公園3-1
時間|10:00~17:00、金・土曜〜20:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日|月曜
料金|一般1800円、大学生1200円、高校生700円、中学生以下無料
Tel|050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://mingei100.jp
福田里香の「お菓子は食べる民藝です」