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醤油にバリエーションがあるって知っていました?

2019.11.14
<b>醤油にバリエーションがあるって知っていました?</b>

醤油に、バリエーションがあるって知っていました?

日々の食卓に欠かせない醤油は種類ともに、地域による味わいも多彩。基礎知識とそれぞれの個性、そして常備したいおすすめの品を紹介します。

職人醤油 代表 高橋万太郎さん
大学卒業後、会社員を経て2007年に伝統デザイン工房を設立。全国の400以上の蔵元を訪ね、専門店「職人醤油」では90以上の醤油を100㎖入りの小瓶で販売する

醤油

 醤油のルーツは食材の塩漬けにあり。平安時代には、古代中国のが日本に伝わり、の名で定着したという。、、などがあり、醤油は穀醤から発生したものと考えられている。庶民に普及したのは江戸時代。当初は、京都でつくられたものが〝下り醤油〟と呼ばれて珍重されていたが、中期以降には関東でも醤油づくりが盛んになり、江戸っ子の好みに合った醤油がつくられるようになる。

「関東の醤油は、原料である小麦の使用比率を高めることで香りを強くしたことが大きな特徴といえます」と「職人醤油」代表の高橋万太郎さん。

 主原料の大豆と小麦の割合や醸造工程、熟成期間などの違いによって、J

AS規格では醤油を濃口、淡口、再仕込、溜、白の5種に分類している。

「『職人醤油』では、濃口のうち混合・混合醸造でつくる甘い醤油を甘口として、6種に分類しています。それぞれの特徴を引き出すのは発酵、つまり微生物の力。環境や目指す味わいなどに応じて、つくり手に合った微生物が活発に働きます。だからこそ、発酵食品の味にはつくり手の人柄が表れます」

 6種で風味が異なるのはもちろん、同じ種類でもつくり手によって個性はさまざま。その個性を生かして、ぜひ使い比べてみよう。料理はもちろん、寿司、納豆、豆腐など、醤油を替えるだけでまったく違う世界を楽しめる。

料理に合わせて6種を揃えたい

濃口は香りと味わいのバランスがよくオールマイティに使える。小麦は香りのもと、大豆は旨みのもとで、熟成期間が長いものは色が濃くなる。料理で使い分ければ、普段の料理がより豊かになる。

【白醤油
地域:中部地方
発酵期間:3カ月
主原料は小麦。熟成期間も比較的短いため、旨みは控えめ。醤油の中で最も色の淡い琥珀色で、食材の色を邪魔しない。炊き込みご飯や吸い物、茶わん蒸しなどにおすすめ

【淡口醤油】
地域:西日本
発酵期間:半年〜8カ月
原料は大豆:小麦=1:1(米を使うことも)。高濃度の塩水で仕込むことで発酵・熟成を抑え、色を淡く仕上げる。そのため塩分濃度は高め。食材の彩りを生かすのに役立つ

【甘口醤油】
地域:九州ほか各地
発酵期間:半年〜1年
濃口のうち、搾った醤油にアミノ酸液を加える混合タイプ、もろみにアミノ酸液を加える混合醸造タイプのもの。甘草やステビアなどの甘味料を加えることで甘みをつける

【濃口醤油】
地域:全国
発酵期間:1〜2年
原料は大豆:小麦=1:1。最も一般的な醤油で、国内消費量の8割を占め、特に東日本ではほとんどが濃口。香りと旨みのバランスがよく、調味からつけ醤油まで万能に活躍

【再仕込醤油】
地域:全国
発酵期間:2〜3年
塩水の代わりに、酵母が生きている状態の醤油で仕込む。濃口と比べて原料、発酵期間ともに2倍。旨みが増し、とろりとしている。搾れる量が少なく、生産量は1%ほど

【溜醤油】
地域:中部地方
発酵期間:3年
大豆を主原料に、仕込みの塩水を少なくし、攪拌をしないことで旨みを凝縮。熟成期間も長く、色も濃厚になる。つけ醤油はもちろん、照り焼きや焼き餅などにおすすめ

実は原料のすべてを麹にするのは、醤油だけ!

原料の一部を麹にする味噌や清酒に対し、醤油は、原料をできるだけ液化するために原料のすべてを麹にして分解の力を高める。

【タンパク質】
原料として使われる大豆には、丸大豆と脱脂加工大豆がある

【炭水化物】
製麹の前処理として、大豆は蒸すのに対し、小麦は炒って割砕する

【ナトリウム】
雑菌の繁殖を防ぐと同時に、風味や美味しさを引き出す

【製麹】
蒸した大豆と炒って割砕した小麦を合わせ、種麹(麹菌)を付けて麹をつくり、できた麹に塩水を加えてもろみをつくる。麹菌、乳酸菌、酵母の働きによって分解・発酵が進む

醤油は色・香り・味を楽しむ

醤油は甘み・酸味・塩味・苦み・旨みという五原味をもつといわれる。また、含まれる香り成分は300種以上。そのまま舐める、素材につける、熱を加える、それぞれの状態で感じてみよう

Discover Japan 11月号「すごいぜ!発酵」

文=成田美友 写真=鈴木規仁

 

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