≪THE NODOKA≫
現代のライフスタイルに寄り添う!自由に楽しむ一番茶
国内でもわずか3〜5%しか生産されていない無農薬の有機栽培茶を、味・香り・栄養そのままにミクロパウダーに仕立てたオーガニックパウダーティーブランド「THE NODOKA」。従来の日本茶とも粉末茶とも異なる新時代の日本茶誕生の背景を、代表の洪秀日(Suil Hong)さんに伺いました。
THE NODOKAの製品は渋谷パルコのDiscover Japan Lab.および公式オンラインショップにてお取り扱い中です。
THE NODOKA(ザ ノドカ)
日本企業の海外進出支援などに携わってきた洪秀日さんが、2017年にニューヨーク・ブルックリンで立ち上げたオーガニックパウダーティーブランド。JAS(日本)とUSDA(アメリカ)双方の有機認証を取得した静岡県の川根茶を使用する。
茶食からヒントを得た日本茶の新しいかたち
日本の文化や商品を海外で宣伝・販売する仕事に携わっていた代表の洪秀日さん。拠点をニューヨークに移した2013年には、現地で“MATCHA”がスーパーフードとして人気を集めていたという。だが「ブームは嬉しい反面MATCHAの単語が先走りしているなと。抹茶が何かはわからないけれども、人気だからメニューに取り入れてみたという店舗も多くありました」と、当時のもどかしい気持ちを振り返る。
海外産の日本茶がJAPANESE GREENTEAとして売られている中、洪さんは本物の日本茶の魅力を伝えるため、急須で淹れて振る舞うといったイベントをニューヨークで行ってみることに。しかし、「日本茶の“正しい普及”には、まだ時間がかかると感じました」と語るよう、イベントは一過性のパフォーマンスで終わってしまったという。
伝統的な手法で日本茶を伝えるよりも、海外向けに仕様を変えた方が、想いが伝わるのかもしれない。そこで洪さんは茶葉をパウダーに仕立てることを思いつくが、そのきっかけとなったのが、静岡県島田市の山深い土地でホームステイをしながら茶摘みの手伝いをしていたときの出来事。「農家の人が、摘んだ茶葉を何気なく食べた光景が衝撃的だったんです」と、静岡の食文化である“茶食”こそがプロダクトの原点だった。
自由に楽しむことで広がるお茶の可能性
THE NODOKAでは、特選抹茶・抹茶・煎茶・玄米茶・ほうじ茶・和紅茶の6種のプロダクトを販売しているが、そのすべてが同じ川根茶から生まれるところも日本茶のおもしろさ。「私たちは時間軸でのペアリングも提案しているのですが、例えばカフェインが含まれる抹茶は朝、新陳代謝を高める煎茶は昼、食物繊維が含まれる玄米茶は食後、飲むと身体が温まるほうじ茶は夜に最適です」
とはいえ、飲み方はあくまでも提案だという洪さん。「どうやって飲めばいいのかと聞かれるのですが、飲み方は手段であり本来の目的はお茶を楽しむことですから」と、パウダーに仕立てたからこそ使い方もシーンも無限大。ワークアウトにアウトドアと、各々のライフスタイルに合った使い方が考えられるのだ。
創業地にブルックリンを選んだ理由も、新しいものを柔軟に受け入れ、自由な発想で日本茶を楽しむ土壌があったからとのこと。「もしかしたらお茶のプロよりも、これまでまったくお茶を飲んだことのない人たちの方が新しい発見や日本茶の可能性を見出すのかも」と、THE NOKOKAでは炭酸飲料やジュースとのかけ合わせなど、従来のお茶とは一風異なるアレンジを提案。パウダー状だからこそ、ヴィーガンスイーツの材料としても期待されている。
日本茶農家と茶畑の風景を守ることも使命
THE NODOKAの立ち上げに際し、パートナーとなる日本茶農家を探して全国の茶畑をめぐっていた洪さん。数々の茶畑を見学する中で現在のパートナーである静岡県島田市の日本茶農家に決めた理由−−。それは、人柄に惚れたからだと洪さんは笑う。「30年も前から無農薬の自然栽培を行なっている、いわばアーティストのような方。この人のお茶を色々な人に飲んでもらいたいと単純に思ったんです」
だが、日本の原風景ともいえる茶畑も後継者不足に喘いでおり、この30年で90%も減少した。「急須で淹れる伝統か、ファーストフードのようなペットボトルか。このように、お茶の楽しみ方が二極化しているんです」と、低コスト・大量生産によるペットボトル飲料の台頭で、毎年茶葉の価格を下げざるを得ない状況が続いているのだ。
だからこそ、本格的な日本茶を楽しむ機会が増えることは、日本茶農家と茶畑の風景を守ることにもつながると洪さんは考えた。THE NODOKAでは、WATER BOTTLE、Travel Tumbler、茶筅(ちゃせん)マドラーなどのオリジナルグッズも販売しているが、これは手軽に自由に日本茶を楽しんでもらうため。トラディショナルでもなくインスタントでもない新しい日本茶は、これからの時代のライフスタイルに合致するのではないだろうか。
「食、うつわ、文化と、お茶を起点にして広がっていくところも日本茶の魅力的」と話すよう、今後のTHE NODOKAはライフスタイルブランドとしての展開も考えているとか。「日本茶農家の大変さや厳しさを目の当たりにしているからこそ、農園をやるといった軽はずみなことはできない。私にできるのは、伝えることやつなぐことかな」と、新時代の日本茶が日本と世界の架け橋になる。
読了ライン
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
https://shop.discoverjapan-web.com
※新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。