広島県広島市 御菓子所 高木の「安芸のころも」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》
民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は広島県広島市で100年以上続く御菓子所 高木の「安芸のころも」を紹介します。工芸家・柚木沙弥郎さんが描く広島の名所や風物に注目です。
福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。13年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中
「御年100歳の柚木沙弥郎さんは、柳宗悦をはじめとする民藝運動の創始者とともに仕事をした工芸家です。芹沢銈介に型染め技法を学んだ染色家である柚木さんは、卓越した画家でもあります。紀寿を迎えた現在も新作を発表し、展覧会は全国各地で開催されて大盛況です。
広島市の「御菓子所 高木」は、大正8年創業の老舗菓子舗。この連載に何度も登場していただいているのですが、その理由は数多くの商品パッケージを柚木さんが手掛けているからです。
銘菓揃いの御菓子所 高木の商品の中でも「安芸のころも」は包装紙と箱、個包装袋のすべてに、柚木さんが描いた安芸の宮島・嚴島神社や西國寺三重塔、鹿の親子、紅葉といった広島の名所や風物がちりばめられていて、広島旅行のお土産にぴったり。いただいた方の笑顔が目に浮かぶ贈り物です。
安芸のころもは薄い絹のような求肥に小倉、柚子、柿のあん種を挟んだ美しい上品な味わいのお菓子。原料の柚子や柿がすべて瀬戸内産なのもお土産に推せるポイントです。
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御菓子所 高木
住所|広島県広島市中区十日市町1-4-26
Tel|082-231-2121
営業時間|9:00〜18:00
定休日|元日
www.okashidokoro-takaki.com
text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
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