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「麦酒倶楽部 ポパイ」両国で100以上のタップビールを楽しむ

2019.8.8
「麦酒倶楽部 ポパイ」両国で100以上のタップビールを楽しむ

アイルランドのビアパブをほうふつさせる「麦酒倶楽部 ポパイ」。日本初のクラフトビール専門店であり、日本のビール界を牽引してきた伝説の店だ。初心者こそ訪れてほしいこのお店の楽しみ方を2回にわたって紹介する《〝伝説〟と呼ばれるビアパプ「麦酒倶楽部 ポパイ」》の前編。

何ごとも〝第一印象〞は大事。クラフトビールだってそう。ベストな方法で注がれた最高の一杯がはじめてのクラフトビール体験なら、きっと虜になってしまうはず。じゃあ、そんな店はどこに? と問われれば、両国の「麦酒倶楽部 ポパイ」をおすすめしたい。ずらりと並ぶ100以上のタップの壮観さ、扱うビールの数は都内屈指。日本のクラフトビール界における〝伝説〟と呼ばれるビアパプだ。

創業者 青木辰夫さん

この店の歴史は1985年にはじまる。創業者の青木辰夫さんが洋風居酒屋としてスタート。数社のビールをひとつの店で扱うことがタブーとされた理不尽な時代に、青木さんは多様なビールが飲めるビアパブを目指していた。1994年、ビール業界に大きな転機が到来。酒税法の改正により最低製造数量基準がそれまでの3分の1に引き下げられ、ビール製造に乗り出す会社が急増。

1995年には新潟県のエチゴビールが日本ではじめてビール醸造免許を取得し「地ビール」第1号を売り出す。縁あってポパイは、樽生でエチゴビールを提供した第1号店となり、同時に長年の夢であった数社のビールの取り扱いを、日本で初めて実現させたのだった。

店内の黒板には1日では網羅しきれないほどのビールの銘柄が。リピーター客がいるのも納得

しかし、質の悪い地ビールが多く出回った2000年頃、多くの醸造所が閉鎖。ポパイにも影響が及んだが、なんとか地ビールをつないでいきたい青木さんは、タンク丸ごとビールを買い取るという契約をいくつかの醸造所と結び、ビールの提供を継続。当時の不況を乗り越えた。

その後も「地ビール」から「クラフトビール」へと呼称の変更を呼びかけ、2004年には仲間と一緒に墨田でビアフェスを開催。クラフトビールファンを一気に増やした。今日の日本におけるクラフトビール文化は、ポパイの存在がなかったら、ここまで花開いていなかったはずだ。

文=林 貴代子 写真=岩堀和彦
2019年7月号 特集「うまいビールはどこにある?」

麦酒倶楽部 ポパイ
住所:東京都墨田区両国2-18-7
Tel:03-3633-2120
営業時間:ランチ11:30 ~ 17:00 金・土曜は~ 14:00(定食のみ)
PUB17:00 ~ 23:30(L.O.23:00)金曜15:30 ~、土曜、祝日15:00 ~
定休日:日曜
《〝伝説〟と呼ばれるビアパプ「麦酒倶楽部 ポパイ」》
1|100以上のタップ、扱うビールの数は都内屈指、クラフトビールの先駆者
2|ビアバーがビールまでつくってしまいました

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