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静岡県・熱海市《ATAMI 海峯楼》
水とガラス、光が織りなす
絶景の贅沢なリゾート

2023.3.17 PR
静岡県・熱海市《ATAMI 海峯楼》<br><small>水とガラス、光が織りなす<br>絶景の贅沢なリゾート</small>
隈 研吾氏の代表作『水/ガラス』を堪能
ウォーターバルコニー全面が透明ガラスのため、周囲のインフィニティの水盤に浮かぶような開放感がある。水平線から朝日が昇り、光に包まれる瞬間は感動的

大海原を独り占めするかのような海のリゾート。海との一体感に包まれ、心穏やかな寛ぎの休暇がはじまる。

せきねきょうこ
ホテルジャーナリスト。1994年から現職。仏アンジェ・カトリック大学留学後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。環境・もてなし・癒しを軸に現場取材主義を貫く。www.kyokosekine.com

時を忘れる浮遊感と
オーシャンビューの醍醐味

客室「誠波」(90㎡)の内観。まさに“ガラスと水と海”のテーマ通りの部屋づくりで、白とブルーに統一された色調と上質な家具調度品のしつらえが爽やか。ベッドの奥はバスルームに続く温泉露天風呂

日本有数の温泉地である熱海の高台に、緑に包まれるようにガラスの建物が佇んでいる。企業の迎賓館として建築家の隈研吾氏が設計を手掛け、1995年に竣工。2010年には宿泊施設「ATAMI 海峯楼」としてスタートした。

当時からスモールラグジュアリーリゾートとして知られ、全4室の施設にはいまもプライベート感が漂う。建物のデザインテーマは“水とガラス”。最上階のウォーターバルコニーは周囲の水盤に浮かび、海に続くサロンのようだ。

この特筆すべき建物が、2022年夏からリニューアル工事がなされ、新たな魅力を放っている。4室の客室のうちウォーターバルコニーに寄り添うラグジュアリースイート2室が、2022年12月にリニューアルオープンを迎えた。 全面改装されたのは、相模湾の大海原を前面に見渡す「誠波」、海とともに街並みも望める「風科」。周囲の水盤とガラスが織りなす、水に浮かぶ浮遊感があり、自然との一体感もたまらない。客室内のインテリアは、両室ともにホワイトとブルーに統一され、特に「誠波」の床には波柄の大判タイルが使われる。一方「風科」はR形を描く7mもの高さがある天井など、いずれも高級感のある個性的な部屋づくりが印象的である。

ラグジュアリースイート「誠波」の温泉露天風呂。相模湾の絶景を見ながらのんびりとプライベートタイムを過ごせる。右に見えるのは温泉から出てひと休みできるデイベッド。周りを囲むインフィニティの水盤が海に続くような印象
全面ガラス張りの「誠波」のバスルーム。奥に見えるのが露天風呂。夕暮れ時には美しく焼ける空を見ながら海風に包まれる露天風呂がロマンチック。世界的建築家ブルーノ・タウト設計の「旧日向家熱海別邸」が眼下にあるのが見える
ラグジュアリースイート「風科」の室内。ブルーと白の色遣いは「誠波」同様だが、家具調度品、天井のつくりなどインテリアデザインは異なり、とりわけ窓からの景色は趣が違う。山肌に建つ街や漁港も見渡せ、熱海の花火が間近に迫る
予約制で貸し切り温泉の利用も可能
館内にはドライサウナ付きの貸し切り温泉大浴場があり、1組ごとの予約制。温泉はカルシウム・ナトリウム・強塩化物温泉で美肌効果が期待される

伊豆の恵みを日本料理で

熱海に滞在する人が楽しみとするのが、やはり食事であろう。ATAMI 海峯楼では、地元や近郊で採れる旬の食材を使い、漁港が近いことから、水揚げされたばかりの新鮮な海の幸をあしらう料理を提供している。

焼物
初卯月の料理を際立たせるような華やいだうつわに盛られた、寒鰆の山椒たれ焼き。春菊と辛み大根をトッピングした香ばしい逸品。鰆の旬は春とされているが、12~2月の産卵期前の冬の寒鰆も、脂がのって美味しい
前菜
目にも楽しい小鉢の数々。べっ甲あんがポイントの雲子玉地蒸し、帆立貝炙りに白菜蒸し、合鴨ロース菜の花巻き、カリっとした食感が美味しい磐田海老芋おかき揚げ、炙り〆鯖、小袖寿司、優しい甘さの黒豆カステラ
椀物
梅麺、京かぶら、甘みの強い京人参、レンコン、水菜、松葉ユズで飾った蟹真丈の薄葛仕立て。香りを起こし旨みを引き立てるため、出汁をとる温度をきっちりと計っている。昆布は60~65℃、鰹は80℃が最適だそう
造り
地元の新鮮地魚の盛り合わせ。季節や仕入れによって内容は替わるが、この日は本マグロ、平目、アオリイカに、こごみ、紅芯大根などをあしらい、寄せ醤油を添えた。好みで選べるように造り醤油と白ポン酢も用意
強肴
強肴は「強いてもう一品すすめる肴」を意味するメイン料理。黒毛和牛、揚げ南京、平インゲン、甘みの強い京人参を使った小鍋仕立て。スープは鰹出汁、鶏出汁、牛乳、醤油などを使った食べ応えのある逸品
食事
香りも味も最高の状態に炊き上げた、肉厚の金目鯛を使った釜炊き御飯。甘みがあり軟らかい下仁田ネギ、針ショウガ、ゴマをトッピング。米は御殿場産のコシヒカリで、炊き上がりにつやがある。赤出汁、香の物といただく
水菓子
コースの最後を飾るのは、静岡産のブランドイチゴ「紅ほっぺ」、独特の甘さが人気のみずみずしいデコポン、わらび餅、白あんソース、抹茶でつくられた氷“静岡茶のシャリシャリ”を添えた食材豊富な土地柄らしい「メイド・イン・静岡」の水菓子

ウォーターバルコニーで味わえる朝食

ウォーターバルコニーは「誠波」、「風科」滞在ゲストの食事処としても利用される。水平線から昇る朝日が眩しい。和朝食は彩り豊かな品々がずらり。酒で風味をつけた肉厚の鯵の干物、出汁巻き玉子、自家製温豆腐など。ご飯は釜炊き御殿場産コシヒカリなど近郊の食材が主役

ラグジュアリースイートに滞在のゲストはウォーターバルコニーか、または客室内での食事を選択。別の階にある2部屋「爽和」、「尚山」滞在のゲストは、落ち着いた雰囲気のメインダイニングにて食事が用意される。いずれも海に包まれる景色と絶品の料理が滞在の満足度を上げている。うつわや彩りに配慮し、出汁やひと皿ごとの際立つ香りにこだわる料理長・神山亮氏の技を食す幸せな瞬間だ。

食事はバトラーサービスで
ラグジュアリースイート「誠波」、「風科」に泊まると、食事はウォーターバルコニーまたは部屋にていただける。プライベート感のある贅沢な気分で食事が楽しめる

外来利用も可能な「日本料理 楽精庵」

2023年1月、館内の大広間が和の食事処「日本料理 楽精庵」としてオープン。外来客も受け入れている。二間ある個室は「松の間」と「海の間」。つなげて使うことも可能。金の襖絵の作家は徳力富吉郎。明治末期から平成まで活躍した人間国宝の版画家・画家だ

そして、新たに2023年1月、宿泊者以外の利用も可能な和室の食事処「日本料理 楽精庵」がオープンした。室内は煌びやかな金の襖に囲まれている。版画家・徳力富吉郎が描いた松と波が大胆に表現された金の襖絵が、最上階の“水とガラス”のウォーターバルコニーとはまったく別の独特な世界を演出。現在、1日2組の限定とされ、滞在者同様に、豊かな食材でつくられるATAMI 海峯楼のオリジナル料理が振る舞われる。

2月初旬の取材時は、献立「初卯月」から神山流の繊細な料理に舌鼓を打った。料理のみならず、大切に選ぶといううつわからもメッセージが感じられる。

読了ライン

オリジナルのギフトを記念に
波を表した和紙丸皿(3600円)。深い海を想わせる色遣いが美しく、飾るのもいいし実際に料理を盛りつけても上品

ATAMI 海峯楼
住所|静岡県熱海市春日町8-33
Tel|0570-0117-22
料金|1泊2食付3万5950円〜、スイート7万4500円〜(2名1室利用の1名分、税・サ込)
客室数|4室(うちスイートは2室)
カード|AMEX、Master、VISAなど
IN|15:00
OUT|11:00
夕食|日本料理
朝食|和洋食
アクセス|車/東名高速道路厚木ICから約40分、電車/JR熱海駅から送迎車で約3分(要予約)
施設|レストラン、大浴場など
 

≫公式サイトはこちら
 

Discover Japan 2023年4月号「すごいローカル見つけた!」
text: Kyoko Sekine photo: Atsushi Yamahira

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