コロナ禍を経てトレンドも変化!
データで見る「移住」の最新事情
移住希望地ランキングトップ3はどこ?
テレワークやワーケーションという言葉が広まったいま、働く場所やライフスタイルは大きく変わりつつある。移住にまつわる最新事情を、データとともにご紹介!
移住に興味をもつ人が過去最多に!
総務省の調査によると、2021年度に各都道府県や市町村の移住相談窓口及びイベントで受けた相談件数は32万件を超え、過去最多の件数となった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、イベントでの相談件数は’20年度に減少したが、現在は回復の兆しを見せている。相談件数が一番多かったのは長野県で、続いて兵庫県、福島県が上位に並んだ。
参考:総務省「令和3年度における移住相談に関する調査結果」
人気の移住先はトカイナカ
ふるさと回帰支援センターの発表する移住希望地ランキングでは、静岡県、福岡県、山梨県がトップ3という結果に。都会へのアクセスがよく、豊かな自然が楽しめる地域が人気だといえるだろう。
参考:ふるさと回帰支援センター「2021年移住希望地ランキング」
<移住希望地ランキング>
1位 静岡県
2位 福岡県
3位 山梨県
4位 長野県
5位 群馬県
6位 広島県
7位 宮城県
8位 岐阜県
9位 栃木県
10位 神奈川県
年齢や性別問わず移住が広がっている
移住に関心をもつ人の割合は、30代以上の世代や男性が多かった2013年に比べて大きく変化。近年では、年齢や性別に関係なく、幅広い人が移住に興味をもっていることがわかる。
参考:ふるさと回帰支援センター「2021年の移住相談の傾向」
東京の人口がコロナ禍で減少傾向
2020年5月、東京都の転入超過数はマイナスになった。同年4月はコロナの影響により、緊急事態宣言がはじめて発令された月。テレワークにより通勤の必要がなくなった人、人口の多い都心から別の地域に移動したいと考える人が増えたのだと推測される。
参考:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
政府も移住や地元づくりを応援
移住者が増えている背景には、総務省が行っている取り組みによる効果も大きいといえるだろう。2023年度の総務省所管予算案から、これから政府が移住にまつわるどんなことに注力していくのかチェックしてみよう。
参考:総務省「令和5年度 総務省所管予算(案)の概要」
<2023年度の総務省所管予算案>
地域おこし協力隊の強化など
地方への移住・交流の推進 ▶︎3億円
地域おこし協力隊のPRや、現役隊員と自治体職員の双方に対するサポート、先導的な取り組み事例の広報活動により、制度のさらなる活用推進を目指す
関係人口の創出・拡大事業 ▶︎600万円
定住者や観光者ではなく、地域と継続的にかかわる関係人口を増やすために、ウェブサイト上で参考となる事例の紹介や多様なかかわり方を発信する
ふるさとワーキングホリデー推進事業 ▶︎3000万円
自治体、地域の企業、都市部の人々をつなぐ合同説明会やウェブサイトを運営。働きながら地方暮らしを体感し、地域とのかかわりを深める機会を提供
サテライトオフィスのマッチング支援 ▶︎1000万円
サテライトオフィスの誘致に取り組む地方公共団体と、企業のマッチング機会を提供することで、地方に人と情報の流れを創出していく
テレワークの推進 ▶︎2億6000万円
テレワークを導入しようとする企業などに対する相談支援や、テレワークに関する普及啓発を実施。テレワークによる地域課題の解決にかかわる実証なども行う
都心の企業はテレワークを継続中
東京都産業労働局の発表では、テレワーク実施率は50%以上。中には週1テレワーカーの数も含まれるが、コロナの感染拡大状況が落ち着いた現在も、テレワークが定着しているといえるだろう。
参考:東京都産業労働局「テレワーク実施率調査結果」(2022年12月に調査を実施)
テレワーカーはワーケーションを望んでいる
テレワーカーの54%が、ワーケーションを実施してみたいと回答。希望理由には「気兼ねなく休暇を取れるようになるから」や「長く旅行気分を味わいたいから」という声が多く上がった。
参考:国土交通省「令和2年度 テレワーク人口実態調査−調査結果−」
サテライトオフィスも全国に増えています!
総務省のデータでは、地方公共団体が誘致、または関与したサテライトオフィスの数は延べ1300カ所以上。2021年には505カ所と急増を見せた。企業移住という選択肢が広がり、仕事はそのまま本社や本拠点から離れた場所で働けるケースも増えてきた。
参考:総務省「地方公共団体が誘致又は関与したサテライトオフィスの開設状況調査」
読了ライン
text: Discover Japan
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!/移住マニュアル2023」