スパイス&ハーブと医学の関係
古くから世界で健康のために取り入れられていた!?
|スパイスの基礎知識
昔もいまも世界中の人々を魅了し、昨今は日本ならではのものも注目されているスパイス。スパイスを知れば、日々の料理や暮らしがちょっとおもしろくなること間違いなし!今回は、エスビー食品のスパイス&ハーブマスター・磯部友美さんの監修のもと、古くから世界で取り入れられていた、スパイス&ハーブと医学の関係について解説する。
監修=エスビー食品
スパイス&ハーブマスター 磯部友美
エスビー食品の広報・IR室に所属。レシピ開発、資料収集、全国のセミナー・イベントでの講師活動を行うほか、さまざまなメディアを通じてスパイスやハーブの魅力を紹介している。
スパイスやハーブは機能性を生かし、
各国の伝統医学に用いられてきた

古くから世界で健康のために用いられてきたスパイスとハーブ。それがインド、中国、ヨーロッパで伝統医学として体系化されてきた。インドでは「アーユルヴェーダ」、中国では「中国医学」(中医学、漢方医学)、ヨーロッパでは古代ギリシャの伝統医学だ。アーユルヴェーダと中国医学では、人間はそれぞれの体質があり、病気が起こるのは何らかのバランスが崩れるためで、バランスを整えるために身体の状態に合わせてスパイスやハーブ、漢方薬を取り入れるというもの。一方、古代ギリシャの伝統医学は病気を科学的にとらえたもので、現代の医学や薬学の礎になったといわれている。
3要素に分類した体質に合わせた処方
アーユルヴェーダ(インド)

インド・スリランカで発祥し、5000年の歴史をもつとされる。ドーシャと呼ばれる3つの要素「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」が人の心身の健康を支配し、人はそれぞれ独自の組み合わせでドーシャをもち、それによって体質が決まる。そのバランスが崩れると病気になるという考え方に立つもの。たとえば、腸内ガスの排出や消化を促すよう、クミン、コリアンダー、ターメリックなどお馴染みのスパイスが、日々の食生活の中で活用されている。
陰陽五行説に基づく治療を体系化
中国医学(中国)

陰陽五行説に基づく生薬や鍼灸、気功、マッサージなどの処方を体系化したもの。陰陽論とは自然界のすべてを陰と陽の相反する要素でとらえる考え方。五行説とは木、火、土、金、水の5つの要素が互いの性質を助けたり打ち消し合ったりすることでバランスを保つという考え方だ。中国医学はアジア地域に影響を与え、日本では「漢方」として定着。※生薬として、かんぞう、クローブ、山椒、シナモン、生姜、陳皮など多くのスパイスやハーブが利用されている。
※ここでの生薬は「医薬品」としてのもの。食品のスパイスやハーブとは区別される
病気を科学的にとらえる、
現代にも通じる医学 ギリシャの伝統医学(欧米)

古代ギリシャの時代、医師のヒポクラテスは、それまでの呪術的医療ではなく科学的な視点で医学の基礎をつくった。当時400種ものハーブの処方を残している。ギリシャを発祥とする伝統医学は時代とともに発展。現在の西洋ハーブ医学(メディカルハーブ)では、エルダーフラワー、ジャーマンカモミール、セージなどさまざまなハーブが使われている。
スパイスやハーブの機能性を知り、
生活に取り入れたい!

スパイスとハーブには心身を健康に保つさまざまな機能性がある。それは植物が生きていく上でつくり出す成分の一部だ。いま注目されているのはヒハツ(沖縄ではピパーチ)。ヒハツの成分には血流をよくする機能があることが報告されていて、健康維持の目的でコーヒーに入れて飲むという声もある。
■期待されている機能の一例
・ヒハツ |冷え、むくみの軽減
・サフラン|睡眠の質を高める
・タイム |殺菌、抗菌作用
・唐辛子 |血行促進、代謝促進
line
text: Yukie Masumoto photo: S&B FOODS
2025年11月号「実は、スパイス天国ニッポン」



































